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もはや風前の灯火となったネオンライトの製造現場を描いたムービー「The Making of Neon Signs」


香港と言えばギラギラ光るネオンライトの看板があふれる夜の町を想像する人が多いかもしれません。そんなネオンライトが一体どのように作られているのかを解説するムービー「The Making of Neon Signs」では、ゆっくりと消えつつあるネオンライト産業の「現在の姿」が描かれています。

The Making of Neon Signs - YouTube


ネオンライトに照らされた香港の夜の町。


ネオンライト職人の呉さんは「ネオンライトがなければ香港はゴーストタウンみたいだ」と語ります。


ネオンライトビジネスの最盛期は1980年代から1990年代にかけて。


ネオンライト職人の劉さんは「さばききれないほどの注文があった」と懐かしそうに当時を振り返ります。


「『香港の特徴はデザインにある』という言葉があるけれど、あれはネオンライトのことなんだよ」と劉さんは語ります。


ネオンライトを作る工房。


ネオンライト作りは刺激に乏しくつまらない作業が多いとのこと。


若手職人の區さんは、仕事を始めた当初はネオンライト作りに興味が持てなかったとのこと。


しかし、作業を続けるうちに楽しさを見いだし、18年も続けることになったと語ります。


漢字のこまかな部分まで再現するネオンライト。


ネオンライトの書体は店の業態によって好みが分かれるとのこと。


馮さんによると、武術道場やスポーツクラブなどでは力強いイメージを与える「北魏體」という書体が好まれ、レストランではよりシンプルな書体が好まれるなどの傾向があるそうです。


小さな文字は1本のラインで描き……


大きな文字は輪郭を強調して2本線で袋文字として描きます。


文字の中にラインを引くなどのデザインもアリ。


袋文字を描くときは、まずは紙にスケッチをすることでイメージを作るそうです。


大きさを変えて文字を書き、比較することもあるとのこと。


コンピューターを使わずに目視して感じるままにデザインします。


スケッチが完成したら、ガラスチューブをどのように曲げるのかをイメージする作業。


「どこから始めてどう曲げれば手を焼くことなく作業ができるか?」などをイメージする行程で、やり方は人によってさまざまで、経験が物を言う作業だとのこと。


曲げる部分にチョークで目印を付けています。


バーナーでガラスをあぶって……


時折、息を吹き込みつつ慎重に曲げていきます。


温度は約800度まで上がるとのこと。


スケッチと重ね合わせながら、少しずつ文字を作っていきます。


「燈頭」と呼ばれる電極。


電極をガラスチューブに入れて、密閉します。


ネオンガスを入れるための「雞腸」と呼ばれる部品。


加熱しすぎたガラスが割れるのを予防するために「雲母片」と呼ばれる材料を接合部にはさみます。


ガラスチューブをつなぎ終えると燃焼試験。


電極が赤く熱せられると真空に近いというサインとのこと。


灯りが消えれば真空になったということです。


その後、ネオンガスを入れてガス圧をチェック。


雞腸を塞げば完成。


真空レベルの高い新品のネオンライトは、明るく輝くとのこと。


ネオンライトには大きく2つのガスが使われています。


赤い色を出したいときはネオンガスを、青い色を出したいときはアルゴンガスを使うとのこと。


そして、ガラスチューブにパウダーを塗布して色を調整します。例えば、青色のパウダーを塗ったガラスチューブにネオンガスを入れればピンクに光るようになるそうです。


青色のガラスチューブにネオンガスを入れるとオレンジ色に、というようにガラスチューブと封入するガスの種類を変えることで、ネオンライトはさまざまな色に光らせられます。


ネオンライトは光らなくなったり落下したりというトラブルがつきものです。


「自分の師匠はネオンライト片手にバイクを走らせて、ネオンライトの交換作業に向かったものだ」と呉さんは語ります。


今、ネオンライトで彩られてきた香港の夜に大きな変化が訪れています。それは、長寿命なLEDライトの登場です。


「LEDはネオンライト産業を殺そうとしている。だけど、われわれに一体何ができるだろう?」


香港の夜の町からネオンライトが着実に姿を消しています。


注文は減り続け、生活できないレベルにまで近づいているとのこと。


ネオンライトは絶滅の危機に瀕してます。

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in ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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