取材

初詣で神社に行くならば注目して欲しい狛犬のあそこ


象の顔をしたインドのガネーシャという神様の牙は折れていました。そのヒンドゥー教もフランス語に倣ってHを抜いて発音したら「インドゥー」と日本語のインドと近くなります。当たり前となった物事ほど秘密が隠れているのです。神社にある狛犬もそうでした。

新年おめでとうございます。自転車で世界一周した周藤卓也@チャリダーマンです。今年もよろしくお願いします。2017年も皆さんをあっと言わせる発見を記事にしていきたいです。そういうことなので、ちょっと気になっていた狛犬のあそこについて取り上げてみました。

◆狛犬
2017年の初詣に神社へ出かけた方も多いと思います。その神社に向かい合うようにして佇む2匹のあいつ。そう、狛犬です。古代インドで「獅子(ライオン)」を祀っていのが始まり。日本にも獅子として伝わったのですが、なぜか途中で犬に変化し今に至ります。スフィンクス、マーライオン、シーサーなどライオンっぽいのはだいたい友達。同じ起源を持っています。

その狛犬ですが向き合う2体の口の形が違っていることはご存知でしょうか?


片方は口が開いて、もう片方は閉じています。


神社の狛犬は2体で一対になっていて「阿吽(あうん)」の形となっています。口の開いている方を「阿形(あぎょう)」、口の閉じている方を「吽形(うんぎょう)」という呼び方。阿吽とは仏教の言葉で、「阿(あ)」は口を開いて息を吸って始まり、「吽(うん)」は口を閉じて息を吐いて終わりと、2つで「万物のすべて」を表しています。呼吸だけでなく、50音の最初「あ」から最後「ん」という意味も含む奥の深い言葉です。息が合う2人のことを「あうんの仲」「あうんの呼吸」と呼ぶのも、この言葉が由来でした。

◆浅草神社
実例を示すには写真が少なすぎたので、現住所(日本堤)から近い浅草へ繰り出しました。

浅草といえば浅草寺が有名。


ですが、本堂隣りに浅草神社という神社もあります。


神社ですので、やはり狛犬が祀られていました。


向かって左側は口を閉じた吽形。


右側は口を開けた阿形となっています。


更に社殿の手前に2体の狛犬が祀られています。

こちらも向かって左側は口を閉じた吽形。


右側は口を開けた阿形でした。


予想通りに阿吽の形をしていました。

◆狛犬以外
この阿吽の形は狛犬だけに留まりません。

「万物のすべて」という仏教の意味での阿吽を知ったのは沖縄のシーサーでした。2体1対のシーサーは必ずと言っていいほど阿吽していました。


その姿はこちらの記事でも確認できます。

沖縄にはシーサーが笑えるほどいっぱい、その姿や表情は千差万別 - GIGAZINE


同じく沖縄の龍柱も阿吽の形となっています。


愛媛県今治市の南光坊というお寺の正門には2体の像が祀られていました。四国八十八箇所霊場の第五十五番札所です。


向かって左の持国天は口を開けた阿形。


右の多聞天は口を閉じた吽形となっています。


浅草のシンボルといえばこちらの雷門でしょう。こちらには雷神と風神が祀られていました。


向かって左の雷神様は口を閉じた吽形。


右の風神様は口を開けた阿形と、こちらも2体で阿吽の呼吸となっていました。


狛犬にしても、その他にしても基本は向かって左が口を閉じた吽形、右が口を開けた阿形という形が多いです。

◆海外では?
昨年は沖縄のあとに少しだけ海外を旅しました。そこでも探していました。

中国でよく見かけたこちらの獅子は両方とも口が開いています。


でも、デパート前にいたライオンは見事な阿吽の呼吸をしていました。


モンゴルで見かけたこの2体も微妙に口が違います。どうなんでしょう?


◆阿吽リクエスト
さて新年初笑いといきますか。次のようなキャラの阿吽の構図を想像しては一人でニヤニヤしていました。

ミッキーとミニー。


不二家のペコちゃんとポコちゃん。舌を出したペコちゃんはある意味で口を開けた阿吽の姿。


象のサトちゃん、サトコちゃんもパオーンして欲しいです。


昨年はシン・ゴジラが話題となりました。放射熱線を放つ阿吽と口を閉じた吽形、そんな2体のゴジラが並ぶ光景も見てみたいです。


他にも、ひな祭りのお内裏様とお雛様や、なんでも吸い込む星のカービィ、三猿の言わざる、ムンクの叫び、メガホン、カスタネットなどの阿吽の構図に熱い何かを感じてやみません。

冗談を挟みましたが、国内外問わず2体1対のオブジェはありふれた光景です。もし、どこかで見かけたら阿吽していないかチェックしてみてください。万物のすべてに触れちゃいましょう。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周達成 http://shuutak.com
Twitter @shuutak
DMM講演依頼 https://kouenirai.dmm.com/speaker/takuya-shuto/
)

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in 取材, Posted by logc_nt

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