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2000年問題が心配された1999年の年越し、Microsoft社内では何が起きていたのか?

by Paul Downey

1999年から年が明けて2000年になる際に、コンピューターが西暦2000年であることを正常に認識できず、世界的な大混乱が起こるのではないか?という「2000年問題」が大きな話題となりました。ソフトウェアやコンピューターに関する仕事をしている人は戦々恐々としながら年を越しましたが、Microsoftでも世界的混乱に備えて、ビルにセミトレーラーを持ち込む事態になっていたそうです。

One Dev Question with Raymond Chen - What was Y2k like at Microsoft? | One Dev Minute | Channel 9
https://channel9.msdn.com/Blogs/One-Dev-Minute/One-Dev-Question-with-Raymond-Chen-What-was-Y2k-like-at-Microsoft

Semi-official Windows historian Raymond Chen explains what the Y2k was like at Microsoft | On MSFT
https://www.onmsft.com/news/semi-official-windows-historian-raymond-chen-explains-what-the-y2k-was-like-at-microsoft

1999年度末のMicrosoftの思い出を語るのは、Microsoftの開発者であるレイモンド・チェン氏。チェン氏は過去に自身のブログでXPまであったゲーム「ピンボール」がWindows Vistaから消えた知られざる理由や、Windowsの電源オフ時に「コンピューターの電源を切る準備ができました」と表示される理由などを語っています。

また、カスタマーサービスに関して、チェン氏が語った以下のエピソードも有名。

記憶に残るようなカスタマサービスへの7ステップ - The Joel on Software Translation Project
http://local.joelonsoftware.com/wiki/%E8%A8%98%E6%86%B6%E3%81%AB%E6%AE%8B%E3%82%8B%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AA%E3%82%AB%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%9E%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%E3%81%B8%E3%81%AE7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%83%E3%83%97

Microsoftのレイモンド・チェンが、キーボードが効かないと苦情を言うユーザの話を書いている。もちろん、それはつながってないせいだ。しかし、ちゃんとつないでますかと聞こうものなら、「彼らはまったく侮辱されたように感じ、憤然として言うのだ。『もちろんつながってるさ! 私をバカだと思ってるのか?』 そして実際確かめてもみない」

「そんな風に言うのではなく、こう言ってみることだ」とチェンは提案している。「『ああ、接点にゴミがついて接続が弱くなることがあるんです。1度コネクタを抜いて、接点のゴミを吹き払ってから、つなぎ直してみてもらえますか?』
すると彼らは机の下にもぐり込んで、それをつなぎ忘れていた(あるいは間違ったポートにつないでいた)ことに気付き、ホコリを吹き払ってから接続し、そして『あっ、直ったみたいだ。どうもありがとう』と答えるのだ」

この言い方はユーザに何かを確認してもらいたい場合の多くに使うことができる。設定を確認してくださいという代りに、「ソフトウェアが設定を間違いなく記録するように」、設定をいったん変えてからまた元に戻してみてくださいと言うのだ。


そんなチェン氏が、Microsoftの開発者向けコミュニティ「Channel 9」で、1999年度末のMicrosoft本社の思い出を語っています。チェン氏が語るエピソードは以下のムービーから確認可能です。


1999年度末、多くの人が2000年問題を恐れていたように、Microsoftも2000年問題を恐れていました。そのため、MicrosoftでOS開発を行っている従業員が働いているビルには、発電機を詰め込んだセミトレーラーが持ち込まれたとのこと。もし全世界的な混乱が生じ、全てのシステムがストップしてしまった時でも、OS全体をバックアップしてWindowsを修復できるようにするためです。「もし世界に終わりがやってきても、あなたはコンピューターには動いて欲しいでしょうから」とチェン氏は語っています。

by Klever

また、混乱が生じた場合に備えて多くの従業員が年越しの瞬間を社内で過ごさなければならなかったため、気の毒に思ったMicrosoftは、カフェテリアでニューイヤーズパーティーを開催。何かあった時のために建物から出られない従業員たちは、会社に家族を連れてきてそれぞれの特別な新年を迎えることができたとのこと。

しかし、結局何も起こらなかったので、「セミトレーラーは出番なく元の場所に返された」とチェン氏は語りました。

2000年問題に関しては、日本でも2016年11月にTwitter上で話題に上りました。以下のツイートに端を発し……

この前「2000年問題ってありましたよね。機械の時計が狂っちゃう、みたいな!全然たいしたことなかったですけど!」と当時小学生だった自分の感想を述べたら「"たいしたことなかった "?」とSE陣がざわつき、素人の知らない部分で当時死ぬほど大改修・トラブル対応に追われていたことを知った

— 犬 (@patriot_9)


思い出したくない、と語る人や……

思い出したくないでござる https://t.co/gJGHdeBIGN

— らいーる (@Rai_ru493)


サーバールームで寝袋に入った状態で年越しした思い出を語る人。

2000年1月1日はサーバルームで寝袋に入ったまま迎えましたね。

— ありま秀丞@3日目東R50b (@shuujou_arima)


「2000年問題は大したことがなかった」という認識の下には、当時のSEたちの水面下の努力があったことが明らかになっています

あのときはキツかったですね。日付が西暦下2桁と月日の計6桁で保存されていたので、そのまま日付の比較をすると、2000年以降の日付が2000年より前の日付よりも若いことになってしまうので、日付データを8桁にしないといけなかったり https://t.co/zwiwo413GJ

— さぁもんという名のハリセンボン (@Hari1000Bom)

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in 動画, Posted by darkhorse_log

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