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SSDの低価格化傾向が弱まり価格上昇局面に突入する危険性が指摘される


PCのメインストレージは長らくハードディスク(HDD)が担ってきましたが、容量あたりの価格低下にともなって高速でゼロスピンドルなSSDが、HDDを置き換える勢いで急成長しています。しかし、下がる一方だったSSDの価格が、2017年以降、上昇する可能性が指摘されています。

SSD Prices Skyrocket As NAND Shortage Deepens, HDD Shortage Looms As Components Become Scarce
http://www.tomshardware.com/news/ssd-hdd-shortage-nand-market,33112.html

2016年第3四半期のSSDの販売シェアは、Samsungが44.5%、SanDiskを買収したWestern Digitalが16.6%、Intelが9.6%、東芝が9.4%と続き、総計13.87EB(エクサバイト)ものSSDが市場に供給されました。


SSD市場をリードするSamsungはいち早くメモリアレイを垂直方向に積層化する「3D NAND(3次元NAND)メモリ」の開発に着手し、販売シェア争いではリードを広げています。東芝やIntel・Micron、Sk hynixなどの主要メーカーも3D NANDの開発に着手していますが、製造の難度が高く、市場が求めているだけの十分な供給をできていないのが現状です。


ここ数年、技術革新もあり容量単価が急激に下がってきたSSDですが、2016年の第4四半期にはついにTLCタイプのフラッシュメモリの平均価格が6~9%、MLCタイプで6~10%の値上がりしたことがDRAMeXchangeの調査によって明かされています。この原因は、NANDフラッシュメモリの供給不足にあります。

近年、ノートPCではHDDからSSDへの代替が急速に進みました。これは、ノートPCでよく使われる2.5インチタイプのHDDが、SMR技術採用の遅れもあって容量が増えない上に高止まりする中で、SSDの価格が低下したことでより性能の高いSSDが選ばれたことが原因です。2016年時点でノートPCの約30%がSSDを採用していますが、2017年から2018年には50%を超えるとDRAMeXchangeは予想しており、ノートPCでのSSD採用のペースは落ちないと考えられています。

このようなノートPCにおけるSSDの旺盛な需要に加えて、最近のスマートフォンの大容量化傾向のため、NANDフラッシュメモリの供給が需要に追いつかなくなっているとのこと。いまだにコンシューマー向けのデスクトップPCのSSD採用率は13%ですが、大量のストレージを使うサーバー用途でのSSD化が進んでおり、比較的高収益が見込めるエンタープライズ向けSSDにNANDフラッシュメモリの割りあてが厚くなる結果、コンシューマー向けSSDの供給不足という傾向も、SSDの価格上昇を招いていると指摘されています。

市場では供給不足状態に陥りつつあるSSDですが、SSDメーカーの収益は前年比で16%アップを記録するなど好調な状態が続いています。


SSDの急激な伸びとは対照的に、需要が頭打ちしているHDDの製造設備が今後大幅に拡大することは期待できません。そのため、仮にHDDの製造工場に大きなトラブルが発生した場合、SSDを代替するHDDの供給も不足して、SSD価格が急騰する危険性も指摘されています。市場関係者によると、今後数カ月わたってSSDの価格が20%から25%も上昇するという予測もあるとのこと。SSDの需要を十分に満たすだけの供給が実現するのは2018年と予想されており、それまではSSD価格が高止まりする可能性が指摘されています。

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