Microsoftの液晶一体型PC「Surface Studio」がバラバラに分解され高性能CPU/GPUの冷却機構や特殊なヒンジなどの独自構造が明らかに


Microsoftが発売したディスプレイ一体型PC「Surface Studio」は、独特のヒンジ構造でディスプレイの傾き調整が自在であることやダイヤルタイプの入力端末「Surface Dial」が使えることなど革新的なシステムが採用されており、クリエイターを中心に高い評価を受けています。そのSurface DialをiFixitがバラバラに分解し、特殊なヒンジ部分や、高性能なCPU・GPUを小さな筐体に押し込むための冷却機構などの独自設計の数々が明らかになっています。

Microsoft Surface Studio Teardown - iFixit
https://www.ifixit.com/Teardown/Microsoft+Surface+Studio+Teardown/74448

Surface Studioを分解する様子は以下のムービーで確認できます。

Microsoft Surface Studio Teardown Review! - YouTube


Surface Studioはディスプレイ一体型のデスクトップPCで、28インチ(4500×3000)のSurfaceペン対応のタッチディスプレイを搭載してます。


台座を兼ねるPC本体部分にはUSB3.0ポート・Mini DisplayPort・SDカードスロット・イヤホンジャックを備えています。


ディスプレイ下部にはスピーカーを搭載。


分解作業は台座の底面のゴムを取り外すところからスタート。


現れるトルクスネジを外して……


Heavy-Duty Suction Cups」で底面パネルを取り外します。


現れるのは大小2つのサイズのシロッコファン。


なお、マザーボードから伸びるスピーカーケーブルがあるので、底面パネルの取り外しには注意を要します。


ブラシレスモーターを採用するファンはDelta製。発熱量の大きなCPUとGPUを冷やすためにSurface Studioは2つのファンを内蔵しています。


中間フレームを取り外すと内部構造があらわになります。


なお、中間フレームにはスピーカーがゴムネジで固定されています。


中間フレームを外した状態で、SSDにアクセス可能。


SanDisk製のSSDはM.2タイプなので、汎用品との交換できます。


ヒートシンク/ヒートパイプを取り出すには、スペーサーを取り外します。


2つのファンを連結しているヒートシンク/ヒートパイプはかなり大きめ。


なお、大きなヒートシンクがGPU側で、CPUよりもGPUの発熱量が多いことが想像できます。


次に、2.5インチサイズのHDDを取り外します。


Seagate製のHDD「ST1000LM024」は一般的なS-ATA接続のタイプなので、汎用品との交換作業も簡単です。


これはSDカードスロットモジュール。


赤枠がRealtek製のリーダーコントローラー「RTS5314」で、オレンジ枠がMacronix製のCMOSフラッシュ「MX25L1006E(PDFファイル)」


画像の左上にあるのが電源ユニット。


L字の電源はLITON製。


内部はこんな感じで小さなシロッコファン1つで排熱する仕組みです。


小さなヘッドフォンジャックユニットを取り外すと……


マザーボードにアクセスできます。


赤枠がIntel製のCPU「Core i5-6440HQ」、黄色枠がNVIDIA製のGPU「GeForce GTX 965M」で、オレンジ枠がSamsung製のDDR4メモリ「K4A4G085WE-BCPB(PDFファイル)」で両面に合計8GB分搭載されています。


マザーボードの裏面には、赤枠がGPU用のHynix製GDDR5メモリ「H5GC4H24AJR」、オレンジ枠がK4A4G085WE-BCPB、緑枠がRealtek製のオーディオコーデックチップ「ALC3269」


ディスプレイ部分の分解作業は、枠の部分を熱して接着剤を溶かしてから行います。


薄いピックツールで接着剤に切れ込みを入れていきます。


次に、台座部分を撤去します。ヒンジのカバーを取り外すと……


大小2つのスプリングが確認できます。複数のスプリングによって、垂直状態から水平状態へのディスプレイの角度調整が可能になっています。


ヒンジ部分から台座を撤去。


PC本体部分はこんな形。


なお、PC本体側にも2つのスプリングが内蔵されています。


ディスプレイのバックパネルと取り外すと……


まるで蝶の羽根のような形の補強パーツが確認できます。


この細長い部品がスピーカーユニットです。


ディスプレイの裏側はこんな感じ。


複数枚に分かれたディスプレイ用のマザーボードには、赤枠がMonolithic Power Systems製のLEDコンバーター「M3387L」、オレンジ枠がMicrosoft製チップ「X904169 05 CL1631 T518907.1」、黄枠がMicrosoft製チップ「X904163 01 CL1634 4C39290-01」、緑枠がMicronix製のシリアルNorフラッシュ「MX25U1635F」、水色枠がAtmel製のARMチップ「ATSAMS70N21


青枠がNovatech製チップ「NT96131QG-46」、紫枠がWinbond製のシリアルフラッシュメモリ「25X20CL1G 2 Mb」


赤枠がGenesys Logic製のUSB3.1ハブコントローラー「GL3520」、オレンジ枠がNXP製のオーディオアンプチップ「TFA9890A(PDFファイル)」、緑枠がMediaTek製のWi-Fiレシーバー「MT7600UAN」


500万画素のフロントカメラとマイク、赤外線カメラが一体となったユニットが、ディスプレイ部分に装着されていました。


ということでSurface Studioをバラバラに分解したパーツを並べるとこうなります。


iFixitが評価するSurface Studioの修理・分解難易度は10段階中の「5」と中程度の難度とのこと。その理由として、M.2タイプのSSD、S-ATAタイプのHDDなどストレージに一般的なフォームファクタが採用されていること、ディスプレイアセンブリはディスプレイフレームに一体となっており取り外しやすいこと、メモリ・CPU・GPUなどがはんだ付けされており交換できないこと、ディスプレイに含まれるいくつかのコンポーネントが取り外し困難なことが挙げられています。

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