レビュー

6GBメモリ&Snapdragon821に両面3Dガラス採用のXiaomi製ハイエンドファブレット「Mi Note 2」レビュー


家電アクションカメラドローンパーソナルモビリティとさまざまな分野に進出し、もはやスマートフォンメーカーの枠に収まらない中国のXiaomi(小米科技)が、Snapdragon 821+6GBのメモリ+128GBのUFSストレージという現行のスマートフォンとして最高スペックを誇るファブレット「Mi Note 2」を発売しました。爆発問題で市場から消えたSamsungのGalaxy Note 7に取って代わってハイエンドファブレットの地位を手に入れたMi Note 2を、実際に2週間ほど使って最強ファブレットの真価を探ってみました。

Mi Note 2 - Mi Global Home
http://www.mi.com/en/minote2/

◆外観チェック
Xiaomi Mi Note 2は白色のパッケージを採用。


箱の中にはMi Note 2本体、専用ケース、Type-CのUSBケーブル、ACアダプター、説明書が入っていました。


Mi Note 2は5.7インチ(1920×1080)の有機ELディスプレイを搭載する大画面スマートフォン(ファブレット)。エッジラインがカーブしている「3Dガラス」を採用するのが大きな特徴です。SoCはSnapdragon 821(4コア最大2.35GHz)を搭載。レビューに使ったPremiumエディションは、6GBメモリ+128GBのUFSストレージを採用と現行スマートフォンでも最上位のスペックを誇ります。


背面もガラス素材で端がカーブしたエッジデザインなのは表と同じ。サイズは縦156.2mm×横77.3mm×厚さ7.6mmで、重さは166g。バッテリー容量は4070mAhで急速充電機能Quick Charge 3に対応しています。


フロントベゼル中央にスピーカーとF値2.0の800万画素フロントカメラを搭載。


物理ホームボタンは指紋認証にも対応しています。


右側面には右からボリュームボタンと電源ボタン。


大画面のファブレットということもあり、電源ボタンは下側に搭載しています。


天面には赤外センサー、マイク、イヤホンジャック。


左側面にはSIMスロットのみ。


底面にはスピーカー/マイクとType-CのUSBポートを搭載。両サイドにアンテナラインが入っています。


背面にはソニーのCMOSセンサー「IMX318」を採用する2256万画素のリアカメラ。カメラはiPhone 7のような出っ張りはなくほぼフラットです。


背面下にはXiaomiのロゴ。


・Mi 5との比較
5.2インチサイズの前ハイエンドスマートフォン「Xiaomi Mi 5」(右)とデザインを比較してみました。


Mi 5は背面のみ3Dガラスを採用。Mi 5にあったエッジ部分の段差がMi Note 2ではなくなっています。


5.7インチファブレットのMi Note 2と5.2インチスマートフォンのMi 5では、大きさの違いは一目瞭然。


なお、指紋センサーを搭載するホームボタンは、Mi Note 2(左)の方が、幅広になっていました。


・ハードケース
Mi Note 2には専用のプラスチック製のハードケースが付属しています。純正品だけあって、カメラ周りのフィッティングも良好です。


サイド部分は切り込んだデザインで、物理ボタンは直接操作が可能。


角はしっかりとガードします。


なお、カバーを付けた状態でSIMスロットを出し入れすることができました。


ナノSIMサイズのデュアルSIMスロットは、4G/3GのDSDS(デュアルシム・デュアルスタンバイ)に対応しています。


◆使ってみた
・Google Play Storeアプリのインストール
Xiaomi Mi Note 2のグローバルモデルにはあらかじめGoogle Play Storeアプリがインストールされており一般的なAndroidスマートフォンとして使えますが、中国モデルにはGoogle Play Storeアプリ自体がプリインストールされていません。今回、レビューに使ったのは中国モデルなので、まずはGoogle Play Storeアプリをインストールするところからスタートします。

「App Store」をタップして、XiaomiのApp Storeアプリを起動します。


検索窓に「google」と入力して、表示される「去百度検索」をタップ。


谷歌安装器というアプリが表示されたら、「Install」をタップ。


「Launch」と表示されたらインストール完了。とりあえず、App Storeアプリを終了します。


「Settings(設定)」をタップ。


「Additional settings」をタップ。


「Privacy」をタップ。


「Unkown sources」をタップ。


「OK」をタップ。


「Unkown sources」が有効化されればOK。


再びApp Storeアプリに戻って、谷歌安装器の「Launch」をタップ。


谷歌安装器が起動するので、「一键安装」をタップ。


「Google Services Framework」などの、各種アプリのインストール画面が現れるので、ひたすら「INSTALL」をタップしていきます。


インストールが完了すれば「DONE」をタップ。このあともアプリのインストール作業が続きます。


すべてのアプリのインストールが終了すればOK。


Google Play Storeアプリがインストールされました。


あとはGoogle Play Storeから「Google日本語入力」などのIMEアプリをインストールすれば、日本語での入力作業が可能になります。


・スペック&ベンチマーク
アプリ「CPU-Z」でスペックを確認すると、SoCは「MSM8996pro(Snapdragon 821)」、GPUは「Adreno 530」、メモリは6GB、ストレージは128GBであることが確認できます。なお、OSはAndroid 6.0.1ベースのXiaomiカスタムOS「MIUI 8.0」を採用しています。


アプリ「Antutu 3DBench」でベンチマークを測定すると、総合スコアは「141925」。Xiaomi Mi 5のスコアが「130850」だったので、Snapdragon 821&6GBメモリに進化した分の性能アップが確認できます。このクラスのハイエンドAndroidスマートフォンでは使い勝手で不満が出ることのないレベルの体感スピードと言えそうです。


・カメラ性能
Mi Note 2は2256万画素というリアカメラを搭載しています。画素数もさることながらソニー製のCMOSセンサー「Exmor RS IMX318」を採用し、最速0.03秒のハイブリッドオートフォーカス、3軸電子手ブレ補正対応とカメラ性能が大きなウリの一つです。ということで、同じくカメラ性能で定評のあるiPhone 7 Plusと紅葉の季節の京都を舞台に撮り比べてみました。写真はいずれも左がMi Note 2、右がiPhone 7 Plusのもので、HDR機能はOFFにした条件で撮影してます。

路地や日陰のような暗めの条件では、iPhone 7 Plusの方が明るい写真が撮れます。


しかし、色の鮮やかさではMi Note 2が上。また、目視との比較では、色の再現性は明らかにMi Note 2の方がiPhone 7 Plusより高いという印象を受けました。


しかし、iPhone 7 Plusには2倍ズームレンズという武器があります。遠くの大仏も……


iPhone 7 Plusのズームレンズを使えば光学ズームが可能。


動物の撮影でも2倍ズームレンズは便利。


iPhone 7 Plusだとここまで寄れます。とはいえ、Mi Note 2はカメラのシャッター音が鳴らないので、静かな撮影シーンでは非常に使えるという印象を受けました。


暗い条件でもMi Note 2はiPhone 7 Plusに勝るとも劣らない写真が撮れています。


・同時待ち受け機能
Mi Note 2は当然ながらSIMロックフリーの端末ですが、それだけでなくナノSIMカードを2枚使った4G/3Gによる同時待ち受け機能「DSDS(デュアルシム・デュアルスタンバイ)」に対応しています。ということでDSDS機能を試してみました。

SIMスロット1にau、SIMスロット2にドコモのSIMカードを挿入すると、2枚のSIMカードを認識しました。モバイル通信をするためにはAPNの設定が必要です。まずはauのAPNを設定してみます。「Settings(設定)」→「SIM cards&mobile networks」で、「KDDI」をタップ。


「Access Point Names」をタップ。


APNに「uno.au-net.ne.jp」、Usernameに「[email protected]」、Passwordに「KpyrR6BP」と入力して、Authentication type(認証タイプ)を「CHAP」に設定します。


同じくSIMスロット2のドコモSIMもAPNを設定します。APNに「spmode.ne.jp」と入力し、Authentication type(認証タイプ)を「CHAP」に設定すればOK。


au、ドコモそれぞれのネットワークを認識するまでに数分の時間が必要でしたが、無事、接続することに成功。なお、デフォルト状態ではSIMスロット1がモバイル通信に指定されていますが、「DEFAULT SETTINGS」の「Internet」をタップして、モバイル通信するカードを切り替えることも可能です。


なお、SIMカードを入れ替えても通信可能です。


実際に2つのSIMカードのそれぞれの電話番号に電話をかけてみたところ、問題なく着信できました。DSDS機能が使えるMi Note 2ならば、SIMスロット1に格安MVNOのSIMカード、SIMスロット2に通話用のキャリアSIMカードを挿しておいて2つの番号を使い分けるという運用が可能です。


また、発信するときにどちらの番号を使うかを選択することもできます。


ちなみに、SoftBankのSIMカードを挿すと、「Sprint」と表示されました。


このままでも使用上問題ありませんが、「Edit SIM card name」で名前を設定することは可能。


「SoftBank」表記に変更できました。


Mi Note 2ではドコモ、au、SoftBank、Y!mobile各社のSIMカードでDSDS機能が使えることを確認しましたが、安定性に難があります。SIMカードを挿入した直後に回線をつかむまでのスピードはMi 5に比べると非常に遅く、なかなか通信可能状態にならないことが多く、また、モバイル通信するカードを切り替えると回線をつかまなくなるという不具合もしばしば発生し、その場合はSIMカードの挿し直しや端末自体の再起動が必要なことも。Mi Note 2のDSDS機能は、使えないことはないが一癖アリという印象を受けました。

・ディスプレイ
Mi Note 2は有機ELディスプレイを採用しています。しかし、液晶ディスプレイのiPhone 7 Plusと比べたところ、輝度・彩度ともにiPhone 7 Plusが上と感じました。


また、Mi Note 2の大きな特徴であるサイド部分がカーブしたエッジスクリーンは外観上の見た目こそ美しいものの、実用性は皆無。GIGAZINEの記事を表示すると、両サイドの文字が湾曲してしまうので読みにくく感じます。また、グリップしたときにエッジ部分で誤タップしてしまうことがあり、縦向きでのブラウジングやカメラ撮影などで不便に感じることがありました。エッジスクリーンには賛否がありそうですが、個人的には「大いなる技術の無駄遣い」と感じました。


◆まとめ
Xiaomi Mi Note 2は5.7インチサイズのファブレットとしては、Snapdragon 821&6GBメモリという最高峰のスペックを誇っており、Galaxy Note 7なき現行ファブレットの中では最高の性能を持つモデルと言えます。実際に使ってみて操作にもたついたり固まったりすることは一切なく、極めて快適に使えました。ソニー製センサーを搭載する2256万画素で3軸手ブレ補正付きの強力なカメラやハイレゾ音源の再生が可能である点、DSDS機能や急速充電機能Quick Charge 3.0に対応している点など、性能面では一切不満の出ない文句なしのハイエンドモデルというのは間違いのないところです。

しかし、賛否が分かれそうなのがMi Note 2の大きな特徴でもある3Dガラスのエッジスクリーンです。表・裏ともに美しくカーブしたガラスの筐体は一体感のあるデザインで「高級感」という一点では他の追随を許さない極上レベル。Mi Note 2が所有欲を大いに満たしてくれるのは間違いありません。とはいえ、フラットなディスプレイに比べると実用性に劣るという印象はぬぐえません。実際に2週間使ってみてもなお、「このエッジスクリーンに何か意味があるのか?」という問いに答えは出ませんでした。むしろ、カバーでガラス側面を保護できないことから、ぶつけて画面を割ってしまうのではないかという不安が常につきまとっていました。

前モデル「Xiaomi Mi Note」は2560×1440解像度、画素密度515ppiの5.7インチ液晶ディスプレイを採用していたことから、Mi Note 2も有機ELディスプレイではなく前モデル同様に2K液晶ディスプレイが継続だったらなおよかったのに……と感じてしまいました。美しさを取るか、使い勝手を取るかという重点の置き方次第で、Mi Note 2は好みが分かれる端末だと言えそうです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
圧倒的な性能&低価格で4G/3Gデュアル待ち受けも可能なXiaomiのハイエンドスマホ「Mi 5」徹底レビュー - GIGAZINE

激安なのに重量約1kg&激薄ボディのXiaomi初ノートPC「Mi Notebook Air」の使い方まとめ - GIGAZINE

GoProの半額で液晶モニター搭載&4K撮影可能なXiaomiの激安アクションカメラ「Yi II」レビュー - GIGAZINE

Windows 10を搭載するXiaomiの最上位タブレット「Mi Pad2」を使ってみた - GIGAZINE

激安なのに5.5インチ大画面&指紋認証機能付きのXiaomi「Redmi Note 3 Pro」レビュー - GIGAZINE

Xiaomiの激安スマホ&周辺機器をゲットできる台湾の新名所「台北小米之家」に行ってきました - GIGAZINE

創業わずか5年で世界第3位のスマホメーカーXiaomi公式ショップ「小米之家」に行ってきました - GIGAZINE

in レビュー,   モバイル,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.