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スペースデブリが国際宇宙ステーションにぶつかるとき、どうやって防衛しているのか?

By Sweetie187

宇宙空間を無数に漂うスペースデブリが人工衛星や宇宙船に衝突すれば、設備が破壊されたり乗員の生命に危険が及んだりします。こういったことから宇宙船を守るための保護シールドの開発について、NASAが公式サイト上で語っています。

Destruction Junction—What’s Your Function? | NASA
https://www.nasa.gov/feature/destruction-junction-what-s-your-function

衛星軌道に浮かぶスペースデブリを想定し、NASAでは小さなアルミニウムの塊を秒速4.26マイル(約6.9km)の速さで宇宙船の保護シールド素材にぶつける実験を行っています。スペースデブリや微少隕石から宇宙船を保護するための保護シールドが本当に宇宙船を保護できるのか調べるため、NASAではさまざまな試験を行うそうです。

国際宇宙ステーションがある低軌道上にはスペースデブリが2700トンも存在します。そして、高度がさらに高くなり静止軌道まで到達するとスペースデブリの総重量は3600トンにもなり、調査可能な範囲でいえば2万2000個ものスペースデブリが地球の周辺をくるくる回っているそうです。そして、約1ミリの小さなデブリでも、宇宙空間を信じられないスピードで飛んでいるため、衝突すればすさまじい衝撃を生み出すそうで、国際宇宙ステーションに衝突するスペースデブリの平均速度は秒速6マイル(約9.7km)、最高速度は秒速10マイル(約16km)にも到達する模様。また、国際宇宙ステーションに衝突するのはスペースデブリだけでなく、平均速度が秒速14マイル(約23km)の微少隕石も飛来し、その最高速度は秒速45マイル(約72km)にもなるそうです。


こういったスペースデブリや微少隕石から宇宙船や人工衛星を安全に保護するため、保護シールドのテストがジョンソン宇宙センターのHypervelocity Impact Technology(HVIT)チームにより行われています。小さな破片ですら人工衛星や宇宙船に甚大なダメージを与える可能性があるということで、HVITチームによるテストでは新しい設計のシールドのテストや関連技術の改良がうまく進んでいるかを確かめられました。

例えば、初期テストでは多層構造のシールドが単一層構造のシールドよりも優れた防御性能を示しました。そして、最新の調査では多層構造のシールドの材質を変化させて耐久力の向上を図りました。試験された保護シールド素材は国際宇宙ステーションの新しいドッキングポート「Passive Mating Adapters(PMAs)」として2017年初頭に採用される予定です。

保護シールドにアルミニウムの球体をぶつけるテストの様子


小さなアルミニウムの球体が保護シールドを大きくえぐっています。


宇宙船保護用のシールドを設計することは、増え続けるスペースデブリへのリスク対策として必要不可欠なものです。HVITチームのシールドテスターは35年以上前に設立されており、これまでに1万回以上の衝突テストを繰り返しています。

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in メモ, Posted by logu_ii

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