生産・販売中止のサムスンGalaxy Note7のユーザーの多くがiPhone 7に流れると予測

By Lucius Kwok

バッテリーが原因の爆発・発火事故が相次いだSamsungのGalaxy Note7は、生産が停止されてメーカーが使用中止を求めたうえで全額返金対応を実施するという未曾有の事態に発展しています。そんな中、実際にGalaxy Note7を所有していたユーザーの多くが見切りをつけ、同等クラスのiOS端末であるiPhone 7か、あるいはHuawei製のAndroidスマートフォンに乗り換えるという予測が報告されています。

KGI: Apple to benefit from Samsung Note 7 recall/cancellation, estimated 5-7 million users to switch to iPhone 7 | 9to5Mac
https://9to5mac.com/2016/10/17/kgi-apple-to-benefit-from-samsung-note-7-recallcancellation-estimated-5-7-million-users-to-switch-to-iphone-7/

この報告は、Apple関連の情報に詳しいKGI証券のアナリスト、Ming-Chi Kuo氏が公表したもの。リコール実施に加え、交換済みの端末までもが発火事件を起こしてしまったSamsungに見切りを付け、他社製の端末に乗り換える人が続出するとKuo氏は予測しており、500万～700万人のSamsungユーザーがデュアルカメラを搭載するiPhone 7 Plusを中心としたApple製品に乗り換えるとしています。

また、乗り換えるであろうユーザーの多くは以前にiPhoneを使っていたことがある層が大部分とみられる、いわばAndroid端末やSamsungにそれほど強いこだわりを持たないタイプのユーザーとみられています。その一方でKuo氏は、Samsungブランドにこだわるユーザーがそのまま残るとも予測しており、特にGalaxy Note7が搭載している虹彩認証機能などに思い入れのあるユーザーは、そう簡単に他社の端末に乗り換えることはないだろうという見方を示しています。

これまでに販売されたGalaxy Note7は1200万台に達するとみられており、およそ半数のユーザーが乗り換えるという大胆な予測ですが、事態が事態だけに思わず納得してしまえる部分があるのも事実といえそう。一連の事態を受けてか、Appleの株価は10月初頭から緩やかな上昇傾向を見せています。

なお、このタイミングで、Samsungは製品のテストを実施する際に外部の機関ではなく、社内の試験施設を使っていたことも報じられています。

Samsung used its own lab, not an independent CTIA one, to test Note 7 batteries prior to launch | 9to5Google
https://9to5google.com/2016/10/17/samsung-used-its-own-lab-not-an-independent-ctia-one-to-test-note-7-batteries-prior-to-launch/

報道によると、Samsungの試験施設は業界団体「CTIA」の認証を受けた施設であり、同施設の技術責任者であるTom Sawanobori氏は、認証を受けた検査官による厳正な試験を実施して業界標準に準拠していると語っているとのことですが、やはりまったく無関係の機関と比べるとあらぬ疑いをかけられる可能性は高いと指摘しています。

一方で、「漁夫の利」を得た状態のAppleですが、こちらも問題がまったくないというわけではなさそう。以下のようにiPhone 7 Plusでも端末が爆発する事案が発生している事実もあり、事態を見守る必要はありそうです。

iPhone 7 Plusが爆発する事例が発生、バッテリーが膨張したとの報告も - GIGAZINE