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「Apple Watch Series 2」がどう進化したのか使ってみたレポート


初代Apple Watchが発売してから約1年半が経過した2016年9月16日、次世代モデルとなる「Apple Watch Series 2」が発売されました。「内蔵GPS。50メートルまでの耐水性能。圧倒的な速さを持つ新しいデュアルコアプロセッサ。」など、Appleの公式サイト上には新しくなったポイントや改良された点がつらつらと書かれているわけですが、「実際に見て、使ってみたところはどうなのか?」ということで、実際にApple Watch Series 2を購入してどう進化しているのか確かめてみました。

Apple Watch Series 2 - Apple(日本)
http://www.apple.com/jp/apple-watch-series-2/

◆フォトレビュー
これがApple Watchの入った箱。初代Apple Watchの場合と同じなら、長細い箱の中にはアルミニウムケースのApple Watchが、正方形の箱にはステンレススチールケースのApple Watchが入っています。


箱の側面には中に入っているApple Watchに関する情報が記載されています。今回購入したのは「Apple Watch Series 2」の42mmスペースグレイアルミニウムケース、ブラックウーブンナイロンの組合わせ。Appleの公式サイトによると税別4万800円で購入可能です。


というわけで箱を開けてみると、中にはそのまま1メートルの磁気充電ケーブル、USB電源アダプタ、Apple Watch Series 2本体とバンド、説明書が入っています。初代Apple Watchでは紙箱の中にプラスチック製の箱があり、その中にApple Watchが入っていたのですが、端末価格が低下したからかこのプラスチックケースはなくなっています。


磁気充電ケーブルとUSB電源アダプタは従来のものと同じです。


これがApple Watch Series 2とブラックウーブンナイロン。このウーブンナイロンは初代Apple Watchが発売された際には存在しなかったバンドで、発売から約1年後に新作バンドとしてラインナップに追加されたものです。どんな感じのバンドなのかはこの記事を読むとよく分かります。


Apple Watch Series 2の本体正面


右側面にはデジタルクラウンとサイドボタン


左側面にはスピーカーとマイク


背面には「APPLE WATCH SERIES 2・42mm ALUMINUM CASE」と書かれており、背面でいつでもどのモデルのApple Watchなのかをチェックできるようになっているわけです。


なお、Apple Watch Series 2の42mmスペースグレイアルミニウムケースの重量は35gでした。


◆初代Apple Watchと外観を比較
そんなわけで、まずは初代Apple WatchからApple Watch Series 2の見た目はどれくらい変化したのかをチェックしていみます。

以下の写真の下が初代Apple Watch(42mmステンレススチールケース)で、上がApple Watch Series 2。パッと見では見た目の変化は見つけられません。


背面を比較。刻印されている文字以外に違いはなく、心拍センサーもまったく同じ見た目です。


変化があるのは左側面にある横長ではなく点状の穴。ここにマイクがあるのですが、Apple Watch Series 2ではこのマイク穴が2つになっています。


また、2つを比べてみると、Apple Watch Series 2(右)の方がやや分厚くなっています。iFixitのバラバラ分解レポートによると、Apple Watch Series 2のバッテリー容量は273mAhで、初代のものよりも23%も容量がアップしているとのこと。このバッテリー増量のために本体サイズが若干厚めになった、ということのようです。


なお、初代Apple WatchのバンドをApple Watch Series 2で使用したり、その反対を行ったりも可能です。


というわけで、初代Apple WatchとApple Watch Series 2では見た目上は大きな違いがありません。

◆Apple Watch Series 2のセットアップ方法
続いてApple Watch Series 2の初回起動時のセットアップを行います。セットアップ方法は初代Apple Watchがリリースされた際とほぼ同じで、以下の記事を確認すればOK。

驚愕のヌルサク動作で操作性抜群の「Apple Watch」のセットアップや基本操作を徹底レビュー - GIGAZINE


基本操作も初代Apple Watchが登場した時からほとんど変わりありませんが、watchOS 3にアップデートされているため、ウォッチフェイスを上方向にスワイプすると表示された「グランス」がなくなり、代わりにサイドボタンを押すと「Dock」が表示されるようになりました。Dockはアプリの高速起動が可能なランチャーで、ウォッチフェイス画面でなくてもサイドボタンさえ押せばいつでも希望のアプリに切替え可能になるのがポイントです。


◆初代Apple Watchと動作を比較
初代Apple WatchとApple Watch Series 2の動作には違いがあるのかどうかを確かめるべく、2つのさまざまな動作を比較してみました。なお、Apple Watchは両方ともOSに最新版のwatchOS 3.0を搭載しており、ペアリングしているiPhoneのOSも最新版のiOS 10.0.2。なお、比較に使用した初代Apple Watchは発売から約1年半使用し続けてきたものです。

初代Apple Watchを使用したことある人なら誰しもが思っているであろうことが、「Apple Watchは起動にあまりにも時間がかかりすぎる」というもの。体感では余裕で3分以上待たされることも多いのですが、実際に初代Apple Watch(左)とApple Watch Series 2(右)の電源を1度オフにし、端末を起動してみると以下のムービーのようになりました。起動時間はApple Watch Series 2が約2分7秒、初代Apple Watchが4分27秒と倍以上の差があります。

初代Apple WatchとApple Watch Series 2の起動速度比較 - YouTube


watchOS 3.0ではApple Watchの画面を左右にスワイプすることでウォッチフェイスを切り替え可能になりました。2つのApple Watchでウォッチフェイスを切替えまくってみるとこんな感じ。

初代Apple WatchとApple Watch Series 2でウォッチフェイスを切替え - YouTube


さらに、2つのApple Watchで「アクティビティ」や「写真」といったApple純正アプリを起動するとこんな感じ。純正アプリは両方ともかなり素早くかつスムーズに動作可能で、大きな差は感じません。

初代Apple WatchとApple Watch Series 2でApple純正アプリの動作比較 - YouTube


Apple純正アプリではなくサードパーティー製アプリの動作速度を比較してみるとこんな感じ。純正アプリでは動作速度に大きな差は感じられなかったのですが、TwitterアプリだとApple Watch Series 2の方がページ情報の読み込みなどが少しだけ速く、パワーアップしたS2チップを体感できます。ただし、初代Apple WatchもwatchOS 3.0にアップデートしてからサードパーティー製アプリの動作はかなり素早くなっているので、その差はそれほど大きなものではありません。

初代Apple WatchとApple Watch Series 2でTwitterアプリの動作比較 - YouTube


Apple Watch Series 2は初代Apple WatchにはないGPSを内蔵しているため、iPhoneがなくても正確に運動データを記録できます。そこで、実際に左手に初代Apple Watch、右手にApple Watch Series 2を装着して屋外をウォーキングし、Apple純正のワークアウトアプリでデータを記録してみました。なお、Apple Watchのワークアウトアプリでは、ウォーキング・ランニング・サイクリング・室内ウォーキング・室内ランニング・室内自転車・エリプティカル・ローイング・ステッパーといった運動をする際の運動時間・消費カロリー・移動距離・平均心拍数・運動時の気温などがログできます。


以下のスクリーンショットはルートAをApple Watch Series 2単体でウォーキングした際のデータ。画面下部の地図をタップすると……


以下のようにどのようなルートを移動しながらウォーキングしたのかがしっかりと記録されます。


「平均ペース」をタップすれば、ウォーキング時の平均ペースまで分かります。


そしてこちらの画像は初代Apple WatchとiPhoneをペアリングした状態で同じルートAで記録されたデータ。


消費カロリーや平均ペースなどが若干異なります。


しかし、ウォーキングルートはまったく同じデータが記録されていました。


こちらはルートBをApple Watch Series 2単体でウォーキングした際のデータ。


ルートはこうで……


平均ペースはこんな感じ。


ルートBを初代Apple Watch単体でウォーキングした際のデータがコレ。初代Apple Watchでも消費カロリーや移動距離、平均心拍数などはしっかり計測できています。


平均ペースデータもApple Watch Series 2単体で記録したものとほとんど変わりありません。


しかし、初代Apple Watchの場合はGPSを内蔵していないため、どのようなルートをウォーキングしてきたかをデータで残しておくことができません。


というわけでいろいろ使ってみたところ、確かにApple Watch Series 2は初代Apple Watchからデザイン的にはまったくと言っていいレベルで変化がありませんが、中身はしっかりアップグレードされており、実際にアプリの動作が素早くなることは間違いなさそう。ただし、実際に数日間使ってみて感じたのは、動作速度の向上ではなく電池もちの良さです。Apple Watch Series 2の本体サイズが少しだけ分厚くなったことからもわかるように、バッテリーの容量は増加しており、初代Apple Watchを使ってきたユーザーならば明らかにバッテリーもちが良くなったことが実感できるレベル。ただし、動作速度の向上は「比較するとわかる」レベルで、バッテリーもちも充電なしで1週間もつ、というわけでは決してないので初代Apple Watchから買い替える必要はほとんどないと言って良さそう。

実際にApple Watchをいろいろ触って感じるのは運動との相性の良さで、日頃からスポーツを行っているアスリートや運動を長く続けたいという人には自信を持ってオススメできます。なぜなら、Apple Watchは運動に関するさまざまなデータを記録してくれるので、「1日これだけ歩いた」「今月はこれだけ運動した」「サイクリングでこんなルートを通った」といったデータがどんどん蓄積されていき、これが次の運動のモチベーションにつながるからです。初代Apple Watchの場合はiPhoneとペアリングした状態で使用する必要があったので、ランニングなどの時にもポケットやカバンの中にiPhoneをしまっておく必要がありました。しかし、Apple Watch Series 2ならばそういったことを気にせず、iPhoneなしでも思い切り運動し、その内容をデータとして余すことなく記録しておけるので、本気でスポーツに取り組む人にこそApple Watch Series 2は適したデバイスなのかもしれません。なお、Apple Watch Series 2は50メートルまでの耐水性能も備え、独自の排水構造を持ったスピーカーを搭載しているので、スイミング時のデータを記録することも可能です。ただし、日本国内では腕時計等を装着したまま入ることができるプールは少ないそうで、進化した耐水性能を存分に発揮する場面は想像以上に少ないかもしれません。

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