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イヤホンジャックを廃止したiPhone 7の大英断はジョブズの考える「勇気」が後押ししている


iPhone 7ではイヤホンジャックが廃止され、既存ユーザーを中心にこの決定に対する疑問の声が上がっています。しかし、このような少なからず混乱をもたらす大変更は、かつてのスティーブ・ジョブスCEOが「勇気」という言葉を使って説明していたAppleのポリシーに基づく行動であるとの指摘があります。

Steve Jobs effectively explains why Apple removed the headphone socket from the iPhone 7 [Video] | 9to5Mac
https://9to5mac.com/2016/09/09/steve-jobs-quote-phil-schiller-iphone-7/

9to5Macは、iPhone 7のイヤホンジャック廃止による戸惑いの声に対して、かつてジョブズが語っていたムービーを持ち出して、Appleの強い信念に基づく行動でジョブズ時代から変わらない方針であることを指摘しています。ジョブズの発言は、AppleがiPhoneでAdobeのFlashをサポートしない方針を決定した直後に行われたインタビュームービーの2分45秒以降に収録されています。

Steve Jobs - Courage - YouTube


ジョブズが語っているのは以下の通り。

「We’re trying to make great products for people, and we have at least the courage of our convictions to say we don’t think this is part of what makes a great product, we’re going to leave it out. Some people are going to not like that, they’re going to call us names […] but we’re going to take the heat [and] instead focus our energy on these technologies which we think are in their ascendancy and we think are going to be the right technologies for customers. And you know what? They’re paying us to make those choices […] If we succeed, they’ll buy them, and if we don’t, they won’t, and it’ll all work itself out.」
(Appleは偉大な製品を提供しようと挑戦し続けています。そのため、私たちは「これは偉大な製品を作るのにふさわしくない」と明言する強い信念に基づく「勇気」を最低限もっています。そして、「偉大な製品を作るにふさわしくないもの」は採用しないのです。この姿勢を嫌う人もいます。そんなとき彼らはAppleを名指しで非難するでしょう。しかし、変更を加えることは、支配的な技術にエネルギーを注ぐこと以上に、顧客にとって正しいと考えています。顧客はAppleの選択にお金を払います。もしAppleがうまくやったなら、顧客は製品を買うでしょう。もしも失敗したら、顧客は製品を買わないでしょうし、その変更自体がうまくいかないでしょう)

このジョブズの発言は、iPhone 7でイヤホンジャックを廃止したAppleの決定に通じるものがあります。くしくも、Appleのスペシャルイベントに登壇したフィリップ・シラー上席副社長がイヤホンジャック廃止を一言で表すならば「勇気」だと語ったことは、間違いなくジョブズが上記ムービーで語ったAppleのポリシーと一致していると言えそうです。

今回のイヤホンジャック廃止に対する批判の声を予見するかのように、AppleはiPhone 7のカラーバリエーションの画像にメッセージを込めているのではないかと指摘されています。以下のiPhone 7の画面には5色のクリスタルが描かれていますが、これは、ジョブズによるApple復帰の象徴でもある初代iMacのカラーです。初代iMacでは当時、広く普及していたフロッピーディスクを廃止するという大英断をしており、これに対して多くの批判が寄せられました。この批判に対してもジョブズは自らの信念を貫き通して製品を大成功させたことから、Appleの「勇気」を象徴するアイテムが初代iMacであり、iPhone 7でのイヤホンジャック廃止もこの勇気によるものだという強いメッセージが隠されているというわけです。


ジョブズなきAppleに対しては「ジョブズがいたらこんなことは起こらなかっただろう」という論調の批判はつきものですが、ジョブズが語るムービーの存在によって、9to5Macは、Appleが少なくとも「ジョブズがいたら……」という批判はかわせるだろうと指摘しています。

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in モバイル,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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