世界で最も重い航空機「An-225」が中国で新造されることに

By Helmuts Guigo

2016年8月30日、中国航空工業集団公司(AICC)とウクライナの航空機メーカーであるO・K・アントーノウ記念航空科学技術複合体(アントーノウ)が、世界最大の航空機である「An-225(通称、ムリーヤ)」の生産を再開することで合意しました。

China Will Resurrect The World's Largest Plane | Popular Science
http://www.popsci.com/china-will-resurrect-worlds-largest-plane

中国のAICCとアントーノウにより再び生産されることが決まった「An-225」は、アントーノウの前身であるソビエト連邦・ウクライナ共和国のアントノフ設計局が開発した世界最大の大型輸送機です。最大離陸重量は600トンで、その巨大な機体を飛ばすためのエンジンは6基。機体の長さは84メートル、翼幅は88メートル超、ペイロード(可搬重量)は世界記録の250トンです。


元々は1980年代後半にソ連が開発していた「ブラン」を輸送するために計画された輸送機です。以下のイメージのように機体にブランを載せて飛行することが想定されていました。


ソ連崩壊後、An-225は長らくウクライナの工場の一角に放置されていたそうですが、2002年に再就役。それ以降、An-225はヨーロッパを中心に運用されており、東日本大震災が起きた際にはフランス政府が150トンの救援物資を輸送するためにAn-225をチャーターしています。

フランスから日本に追加支援 - La France au Japon


今回AICCとアントーノウが結んだ契約の第1フェーズは、世界で2機目のAn-225を2019年までに生産するというもの。そして第2フェーズでは、An-225に搭載されている推力23トンのプログレスD-18Tエンジンの中国への技術移転が予定されています。


契約の調印は北京の釣魚台国賓館で行われました。AICC自体は比較的小さな企業であるため、契約には中国政府の強い支援が存在したことは明白です。


An-225を2019年までに完成させる、という目標は実現可能です。なぜなら、既に機体フレームの60~70%が完成しているためです。なお、2機目のAn-225の完成には3億ドル(約300億円)が必要と言われていますが、そのほとんど全てはAICCが出資する見込みです。


契約の第2フェーズが完了し、中国版のAn-225が最初のフライトを始めるのは2020年中頃になるとみられており、「そうなれば、中国は商業・軍事の航空輸送において新たな境地を開くことになるだろう」とニュースメディアのPopular Scienceは述べています。


なお、An-225が日本に初めてやってきたのはハイチ復興支援用の機材運搬用輸送機としてチャーターされた際のこと。その際の様子は以下のムービーで見ることができます。

An-225アントノフ.ムリーヤ@日本初飛来 - YouTube

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in 乗り物,   動画, Posted by logu_ii