16歳の女子高生がミカンやアボカドなどの廃棄物から作った吸水性ポリマー「SAP」がアフリカの水不足を解消する可能性


干ばつに苦しむアフリカの農家を助けようと、南アフリカの女子高生が、ほとんどお金のかからない材料を使って、水を長時間保持できる合成ポリマー(吸水性ハイドロゲル)を開発することに成功しました。この女子高生はポリマーの実用化に向けてGoogleのバックアップを受ける事が決まっています。

Schoolgirl's invention solves drought crisis? - CNN.com
http://edition.cnn.com/2016/08/09/africa/orange-drought-kiara-nirghin/

合成ポリマー「super absorbent polymer(SAP)」の開発に成功したのは、南アフリカ・ヨハネスブルグの高校に通う16歳のキアラ・ニルギンさん。


ニルギンさんの開発したSAPがどのようなポリマーなのかは以下のムービーを見れば一発で分かります。

Google Science Fair 2016 - YouTube


グラスに入った粉末状の物質が、SAPを合成する素材。主な原材料は、みかんの皮とアボカドの皮という廃棄処分が予定されているもので、原材料のコストはほぼゼロという大きな特長を持ちます。


グラスに水を注ぐと……


ポリマー素材が水に溶け始めました。


スプーンでかき混ぜてしばらく待つと……


こんな感じでジェル状になりました。SAPは重量比で100倍の水を保持することが可能なので、水をSAPに保持させた状態で使うことで水使用量を削減することができ、干ばつ対策になると期待されています。


アフリカでは干ばつが作物に与える被害は甚大で、世界中から支援金が送られていますが、根本的な解決策はなく、干ばつ対策は慢性的な重大事となっています。


ニルギンさんの考案するSAPはみかんの皮やアボカドの皮といういずれも廃棄されるもので、自然に害を与える心配のない材料から製造できる点で、実用化の見込みは十分ありそうです。ワシントン州立大学で吸水性ハイドロゲルの研究をするジンウェン・チャン博士は、「私はSAPが上手く機能すると考えています。廃棄物を使って低コストで大量生産できるSAPには、間違いなくさらに調査する価値があります」と述べ、ニルギンさんの研究を高く評価しています。

このSAPのアイデアは、Googleサイエンスフェアでコミュニティインパクト賞を受賞しており、今後、ニルギンさんにはGoogleからSAPの研究開発を支援するメンターが付けられる予定で、SAPの実用化に向けた研究が一層進むと考えられます。


ニルギンさんはアフリカ全土で大きな問題となっている干ばつ対策をSAPで実現した後には、乱獲によって絶滅の危機に瀕している動物の皮を特殊な染料で染めて商品価値をなくすことで、ハンターから狙われるリスクを減らすなどのアイデアがあるそうで、科学者として大きく羽ばたいていくことが期待できそうです。

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