新しいタイプの「青い火炎旋風」が発見され流出した石油の除去などに役立つ可能性


広範囲の火災や、山火事などの火災災害時に発生した上昇気流が炎の渦を巻くことで生まれる火災旋風は、旋風の内部が1000度以上という超高温状態になり、広範囲に被害を及ぼす恐ろしい現象です。しかし、その火災旋風の新しいタイプがメリーランド大学の研究チームによって発見され、炭素排出量の減少や石油流出時の洗浄作業に大きな貢献をもたらすと見られています。

From fire whirls to blue whirls and combustion with reduced pollution
http://www.pnas.org/content/early/2016/08/03/1605860113

New "blue whirl" fire tornados spin up a cleaner burn
http://newatlas.com/blue-whirl-fire-tornado/44779/

Newly Discovered 'Blue Whirl' Fire Tornado Burns Cleaner for Reduced Emissions | UMD Right Now :: University of Maryland
http://umdrightnow.umd.edu/news/newly-discovered-blue-whirl-fire-tornado-burns-cleaner-reduced-emissions

メリーランド大学のA. James Clark School of Engineeringの研究チームは、水上に浮かんだ石油の上で火災旋風がどのように燃焼するかを調べる実験をしていたところ、偶然にも今まで見たことがないタイプの火災旋風を発見しました。実験の最中に通常の黄色い火災旋風が色を変えて青色の火災旋風へと変化したとのことです。

実際に確認された青色の火炎旋風は黄色い炎の周囲に発生。


そのまま青色の火災旋風だけが残りました。


実験に参加したElaine Oran教授は「燃料を完全に燃焼するのに十分な酸素が足りなくなると不完全燃焼が起こります。すると、煤塵(すすなどの微粒子)が発生し、この煤塵が熱放射により黄色い光を放射し炎が黄色く見えるわけです。今回発見された火炎旋風が青いのは、完全燃焼に必要である十分な酸素があることを意味しており、通常の火災旋風よりも煤塵が少ない、あるいは全くなく、クリーンな燃焼が発生していることになります」と話しています。

また、研究チームは、世界で需要が高まっている高い燃焼効率と少ない炭素排出量での燃焼に対して青い火炎旋風が大きな助けとなる可能性を示唆。「火炎旋風は長い間、危険なものとして認知されてきました。しかし、かつての電気がそうだったように、火災旋風を世の中の良いことに使えるかもしれません。私たちが適切に青い火災旋風の仕組みを理解すれば、その威力をコントロールして使用できる可能性は十分にあります」と、青い火災旋風に対する期待を明かしました。

海へ石油が流出した際に施される除去作業には、石油を燃焼させて除去するという方法があります。この際には、適切な燃焼を起こさないと大気汚染が発生しかねないのですが、研究チームは青い火災旋風のメカニズムを理解することで、大気汚染を引き起こさない石油の燃焼が可能になると主張。さらに、火炎旋風自体の燃焼効率が高いため、除去作業の効率が向上します。研究チームの主張が科学的に証明されれば、石油タンカーの事故などで石油が海上に流出した場合でも、環境への影響を最低限に抑え、今までより速いスピードでの除去作業が可能になるというわけです。

By Stéphane M. Grueso

なお、研究チームは青い火炎旋風が流体力学における「渦」の研究にも役立つとしています。

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log