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GoProがVR用小型360度カメラを開発中、ライブ配信も可能で2017年にも市場に登場か


GoProが、アクションカメラで一世を風靡したHEROシリーズに次ぐ360度カメラの開発を進めている模様です。これまでにも16台のカメラを連結した「Odyssey」で撮った8K・360度ムービーを公開しているGoProですが、新たに明らかになった360度カメラは前後に2つのセンサーを搭載した小型VRカメラになっています。

GoPro already made a small VR camera and you can see it now
https://www.engadget.com/2016/07/15/gopro-herovr-camera/

小型VRカメラで捉えた映像の一部は、以下のムービーで確認が可能。バイクレースの現場でVR配信のテストが行われたのですが、ムービーには往年の名ライダーも登場しています。

GoPro: A Day in the Life of a Moto Racing Family – Mamolas Pioneer Live 360 VR - YouTube


ムービーはバイクレースの車載カメラの映像からスタート。映し出されているのは、1985年にオランダのTTサーキット・アッセンで開催されたオートバイ世界選手権・オランダグランプリのスタートシーン。


カメラを搭載しているのは、「無冠の帝王」ランディ・マモラが操るホンダのGPマシン、NSR500です。


そのマシンを操っていたランディ・マモラ選手本人が登場。実際に搭載されていたカメラを手に「当時は『月に行ったロケットから持ってきたのか?』などと言われたものだね」と当時を振り返ります。


透明なフロントスクリーン越しにセットされたカメラ。明らかに目立つほど大きな装置が鎮座しているわけですが、当時はこれが最先端。このカメラでが、普通の人が体験できない世界を垣間見せてくれていたというわけです。


次に登場したのが、マモラ選手の息子であるダコタ・マモラ選手。2016年シーズンはアメリカのレースシリーズ「MotoAmerica」のスーパーストック600クラスに参戦しています。


「レースバイクに初めてカメラが搭載されたのは、およそ30年前のことだと思う。そして今、バイクには360度VRカメラが搭載されるようになった」


シートの後ろにちょこんと生えたカメラの本体。膨らんだ先端部分に、前後を撮影する2個のカメラセンサーが内蔵されています。


VRカメラを眺めるマモラ親子。初めて車載カメラを積んで走った父・ランディの息子・ダコタが初めてVRカメラを積んで走るということで、何か不思議な縁を感じます。


1985年当時の車載カメラは、フロントスクリーンの内部にカメラを搭載し……


シートカウルの内部に送信用のRFアンテナを内蔵して映像を送っていました。


そして、ガソリンタンクの上に補機類を搭載。トータルの重量は2.8kgにも及んだとのこと。


一方、約30年後の2016年に搭載されたVRカメラはこんな感じ。2個のセンサーで捉えた映像はシートカウルに内蔵されたカメラ本体に入って処理され、映像をリアルタイム配信するHEROCastを2台使って外部へと配信します。


場所は変わって、アメリカ・テキサス州にあるサーキット「サーキット・オブ・ジ・アメリカス」。


ダコタはサーキットで開催されるレースに参戦。父ランディが帯同して見守ります。


ダコタがピットアウトし……


実際の走行をVR配信するテストが行われました。


カメラが捉える映像はこんな感じ。もちろん、VR再生時には自然な視界に変換されます。


実際の映像がこちら。すでにMotoGPなどでも後方視点の映像は配信されていますが、このVR映像は360度全てを捉えている点が大きく異なります。


車体をバンクさせてコーナリングする迫力のシーンも。前後カメラのつなぎ目が目立つのが少し気になりますが、これはソフトウェアで是正することもできるはず。


その後、ダコタはなんと転倒。振り落とされるシーンも収められてしまいました。


何とかピットにたどり着きましたが……


マシンは満身創痍の状態。


すっかり落ち込んでしまったダコタ選手。レースには100%の状態で挑まなければならないライダーにとって、メンタル部分の支えは非常に重要です。


しかしなんと、次のレースではダコタ選手の支えになっている父ランディが仕事のため、レースに帯同できないことに。ダコタ選手にとってこれは不安要素になるはず。


しかし、ヘルメットのバイザーを降ろし、レースに挑むダコタ選手。


その時、なんと父ランディは、出張先のオランダでダコタの走りをチェック。VRカメラで捉えた映像をリアルタイムでオランダに送り、VRゴーグルに表示することで、あたかもダコタと一緒に走っているという状況を作り出すというわけです。


ランディのVRゴーグルには、ダコタの操るバイクの風景が映し出されます。


ライバルとのつばぜり合いも、この近さで体感可能。


VRカメラということで、頭を動かすと視点が追従するために本当にその場にいるような映像を見ることができるとのこと。


レース後、互いの健闘をたたえあうダコタとライバルのライダー。


レース後、ダコタにはちょっとしたサプライズが送られます。


チームオフィスに入り、なんと父ランディがオランダから見守っていたことを告げられるランディ。これには驚いた様子。


「2日間にわたって、お前の走りをこれで見てたんだぜ」と、GoProのロゴ入りVRゴーグルを見せるランディ。ダコタは「ということは、ミスしたことも全部見られてたんだね」と少し苦笑い。


「地球の裏側で父さんが見てくれていたというのは、とてもエモーショナルなことだった。何千マイルも離れた場所から、バイクで起こったこと、その他全てのことを同時に感じられるというのはすごいことだね」と、ライブ配信によるVR体験の可能性にすっかり驚いた様子。


父ランディは「子どもが成長するにつれ、親は子どもを独り立ちさせないといけない。でも、そんな時に役に立つのがこういう装置かもしれないね」と、子どもを見守る親ならではの目線でVR体験を語っていました。


このカメラは、すでにGoProが特定の用途に向けて開発している製品のページでも紹介されているもの。以下のページではVRカメラの他に、プロゴルファーなどの帽子につけるカメラや、グラミー賞のトロフィーに埋め込まれ、受賞者の表情を捉える特製GoProなどが掲載されています。

GoPro Custom Solutions
http://customsolutions.gopro.com/

実際に、グラミー賞の授賞式で撮影された映像も公開されています。

Winners GRAMMYcam | 58th GRAMMYs - YouTube


GoProによる新型VRカメラはまだ開発の段階とのことで、登場はまだ少し先になりそう。2016年には、GoProが独自に開発したカメラ搭載ドローンや、HEROシリーズの新作「HERO 5」の登場が噂されていることから、VRカメラは2017年に登場とも見られています。

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