東京・大阪間なら1時間未満でつなげる超高速移動体「Hyperloop」の建設費用の詳細が公開される


イーロン・マスクが提唱した超高速移動体「Hyperloop(ハイパーループ)」は、時速1000キロメートルオーバーの超高輸送が可能で、飛行機をも凌駕する早さで長距離移動ができると期待されています。しかし、実現に向けてかかる費用や経済的メリットについて明らかでなく、実現の可能性に懐疑的な目もそそがれていました。そんな中、Hyperloopを開発するスタートアップHyperloop Oneが、なんとスウェーデン・ストックホルムとフィンランド・ヘルシンキを30分以内で結ぶ「FS Linksプロジェクト」について詳細を明らかにしました。

160704 Almedalen Pres at KPMG event Flatfile - 160704-HyperloopOne-FSLinks_KPMG-presentation.pdf
(PDFファイル)http://500kmh.com/Hyperloop_Shares/160704-HyperloopOne-FSLinks_KPMG-presentation.pdf

Hyperloop One says it can connect Helsinki to Stockholm in under 30 minutes | The Verge
http://www.theverge.com/2016/7/5/12099612/hyperloop-one-helsinki-stockholm-30-minutes-study

Hyperloop OneがFS Linksプロジェクトについて、プレゼンテーション資料を公開しました。


なお、Hyperloop OneはいくつかあるHyperloopプロジェクトの中でも、すでに砂漠での試験走行に成功するなどの実績があり、2016年中に時速600マイル(時速960キロメートル)という高速でのチューブ内走行試験をする予定を明らかにしています。

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まずはプレゼンテーション冒頭に、時速1000キロメートルオーバーのフルスピードでの走行試験が2017年Q1(1月から3月)に行われる予定であることが発表されました。


スウェーデンとフィンランドを結ぶ路線の説明。隣国同士とはいえボスニア湾があるため、ストックホルム-ヘルシンキ間は、鉄道では11時間、船だと17時間30分、飛行機でも3時間30分かかります。


これに対してHyperloop Oneはストックホルム-ヘルシンキ間を最短28分でつなぐとのこと。主要都市に駅を設けたとしても、飛行機をはるかに上回る早さで各地を移動することができます。


フィンランド側のコストはこんな感じ。青色の不動産取得費用の45億ユーロ(約5030億円)が主要な支出で、リスク対策費用に13億ユーロ(約1450億円)を見込んでいます。


スウェーデン側はフィンランド側よりは少ない費用でOK。


そして、最もコストがかかるのはボスニア湾を横切るトンネル部分で、海上の総費用は82億ユーロ(約9160億円)


掘り下げ式、パイロン(支柱)式、海底トンネル式など3つの技術からなる模様。


ということで、FS Linksプロジェクトの総費用は190億ユーロ(約2兆1200億円)。この費用は高速鉄道建設費用の50%から60%と低廉だそうです。


資本コストに関する詳細な内訳も明らかにされています。


FS Linksプロジェクトによる収益の見込みも公開。


Hyperloop Oneによると、FS Linksが完成すると各地に設置される駅周辺の地価上昇や人的移動の便向上に伴う生産性アップなどの経済的利益によって約2兆円の総コストはほぼ相殺されるとのこと。また、ストックホルム-ヘルシンキが30分未満でつながることで、2都市間を移動する労働人口が増えたり荷物の到着が早まったりするメリットから、10年後にはFS Linksは黒字化できると見積もっています。なお、FS Linksプロジェクトの建設が始まれば、約12年で完成する見込み。最大の難問は、資本コストを誰が分担するかで、Hyperloop Oneはスウェーデン・フィンランドからの公的資金や民間投資の組み合わせを想定しているとのことです。


FS Linksプロジェクトを日本で置き換えると、東京-大阪を1時間以内でつなぐことができるため、FS Linksは北欧でのHyperloopプロジェクトですが、次世代の輸送システムとして注目に値しそうです。

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