ハルク・ホーガンのセックスビデオ掲載問題でGIZMODOやLifehacker運営元のGawkerが破産


プロレスラーのハルク・ホーガン氏に訴えられた訴訟で、ゴシップサイト「Gawker」が1億4000万ドル(約150億円)もの巨額の賠償命令を受けた結果、運営元のGawker Mediaが破産法の適用を申請しました。

Voluntary Petition for Non-Individuals Filing for Bankruptcy
(PDFファイル)https://cdn0.vox-cdn.com/uploads/chorus_asset/file/6629095/gawker-bankruptcy.0.pdf

Gawker files for bankruptcy and says it will sell the company to Ziff Davis or someone else - Recode
http://www.recode.net/2016/6/10/11903764/gawker-bankruptcy-chapter-11-sale-ziff-davis

Gawker declares bankruptcy, will auction itself off in wake of Hulk Hogan lawsuit | Ars Technica
http://arstechnica.com/business/2016/06/gawker-to-declare-bankruptcy-auction-itself-off-in-wake-of-hulk-hogan-lawsuit/

事の発端はGawkerがホーガン氏の隠し撮りされたセックス動画を掲載したこと。10年ほど前に妻との不仲に悩んでいたホーガン氏は、相談した友人から自身の妻と寝るように持ちかけられて行為に及びましたが、このときの様子は隠し撮りされていました。このセックステープの存在は2012年に発覚し、アメリカのゴシップメディアの多くがホーガン氏のセックステープの「静止画」を掲載したのに対して、Gawkerだけがなんと「ムービー」を掲載。プライバシーを侵害されたと怒るホーガン氏は、Gawkerを運営するGawker Mediaに対して1億ドル(約106億円)というとてつもない賠償金を請求して訴えを起こしていました。


懲罰的損害賠償というアメリカならではの考えの下、100億円を超える巨額の賠償請求権の成否が争われた本件訴訟では、かねてからGawkerと不仲だったPayPal共同創業者のピーター・ティール氏が参戦。ティール氏は、今は閉鎖されたValleywagというGawker Mediaが運営していたサイト上で「完全な同性愛者」と糾弾されたことを根に持っており、復讐の機会をうかがっていたようで、Gawker Mediaを訴えたホーガン氏に対して訴訟費用をバックアップしたことを公に認めています。

ティール氏の援護射撃のかいもあってかホーガン氏はGawker Mediaに完全勝訴。2016年3月、フロリダ州連邦裁判所の陪審は損害賠償金としてホーガン氏側の請求額を上回る1億1500万ドル(約122億円)に懲罰的損害賠償金2500万ドル(約27億円)を加算した、合計1億4000万ドル(約150億円)もの賠償金をホーガン氏に対して支払うようGawker Mediaに命じました。ホーガン氏への訴訟の資金援助について「私がこれまでやってきた慈善事業の中で最高のものだ」とご満悦のティール氏に対して、Gawker Mediaオーナーのニック・デントン氏は、「大金を投じようとも、ティールはGawker Mediaの編集者をだまらせることはできない」とツイートしています。


一審判決を不服として直ちに控訴したGawker Mediaでしたが、2016年6月10日にニューヨーク地方裁判所に連邦破産法11条の適用を申請して事実上、経営破綻しました。なお、申請書類によるとGawker Mediaは5000万ドルから1億ドル(約53億円から約106億円)の資産を抱えているものの、負債額は1億ドルから5億ドル(約106億円から約530億円)にのぼる可能性があると見積もっており、この中にはホーガン氏へ支払う可能性のある損害賠償金が含まれています。ちなみに、Gawker Mediaはホーガン事件以外にも、Gawker Mediaの運営するGIZMODOに掲載した「メールを発明したふりをした男のクレイジーなストーリー」という記事に関して3500万ドル(約37億円)もの損害賠償請求訴訟を提起されており、この訴訟の相手側弁護士もホーガン氏の訴訟代理人と同じだそうです。

破産法の適用を受けて事実上破綻状態のGawker Mediaですが、Gawker MediaのデントンCEOは破産裁判所の管理の下でGawker Media傘下のブランド事業の売却を検討しており、PC Magazineを運営するZiff Davisなどが7つのブランド買収に名乗りを上げているとのこと。

なお、ギズモード・ジャパンやライフハッカー[日本版]を運営するメディアジーンはGawker Mediaの破産申請に関して、「ギズモード・ジャパンやライフハッカー[日本版]の運営に影響はなく、Gawker Mediaの事業売却後もライセンスが引き継がれる」とのプレスリリースを出しています。

Gawker Media社の破産申請に関しまして | メディアジーン mediagene
http://www.mediagene.co.jp/2016/06/5483.html

株式会社メディアジーン(本社:東京都渋谷区、代表取締役 CEO:今田素子、以下メディアジーン)の提携先でありますGawker Media社(本社:米国ニューヨーク市、CEO:Nick Denton)が、現地時間6月10日に連邦破産法第11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請し、現在、複数企業と事業売却の交渉を進めていると一部メディアで報じられました。

本件につきましてGawker Media社より、通常業務への影響は無いこと、メディアジーンが日本でのライセンスを取得している「ギズモード・ジャパン」および「ライフハッカー[日本版]」の運営に影響はないこと、またGawker Media社の事業売却後も、メディアジーンが保有するライセンスはそのまま引き継がれること、を確認しております。

メディアジーンをはじめインフォバーングループでは、今後とも読者の皆様に愛されるコンテンツを提供してまいります。


また、ギズモード・ジャパンには「米Gizmodoからのお知らせ。ぼくたちはこれからもずっとここにいます」という記事が、ライフハッカー[日本版]には「Lifehackerはこれからもずっとそばにいます」という記事が掲載されています。

米Gizmodoからのお知らせ。ぼくたちはこれからもずっとここにいます : ギズモード・ジャパン
http://www.gizmodo.jp/2016/06/gizmodo-isnt-going-anywhere.html


Lifehackerはこれからもずっとそばにいます | ライフハッカー[日本版]
http://www.lifehacker.jp/2016/06/lifehackergawker_media11.html


・つづき
ハルク・ホーガンの暴露記事で破産したGizmodoなどの運営元Gawkerの買収が決定 - GIGAZINE

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