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大学で中国人留学生の替え玉受験から論文代行まで請け負う業者の存在

By EdTech Stanford University School of Medicine

少なくとも30人の中国人留学生による定期試験の替え玉受験の疑惑が、アメリカのアイオワ大学で浮かび上がり問題となっています。その替え玉受験について調べていたロイターにより、アメリカで昨今増加している中国人留学生をターゲットにする宿題や論文の代行から替え玉受験、さらには不正入学までを請け負う業者の存在が浮き彫りになりました。

This industry helps Chinese cheat their way into & through US colleges
http://www.reuters.com/investigates/special-report/college-cheating-iowa/

故郷の中国から遠く離れたアメリカのアイオワ大学に留学している中国人留学生の中には、異なる言語や文化になじむことができないながらも大学に通っている学生がたくさんいます。そんな中国人留学生をメールやチャットで勧誘し、宿題や論文の代行から試験を代わりに受けるサービスを提供する業者が横行しています。中国人留学生に直接取材をしたロイターによれば、こういった業者のサービスはアメリカの大学で言語や文化に慣れずにもがいている学生にとって断りにくい魅力的なサービスになっているようです。

By CollegeDegrees360

替え玉受験、論文代行、オンライン授業の出席などはそれぞれ平均して約1000ドル(約11万円)のコースとして販売されているとのこと。こういった業者を利用している学生に対して調査を進めているアイオワ大学は、生徒の名前や国籍を明かしていませんが、大学の調査の関係者とコンタクトをとることに成功したロイターは疑いがかけられているのは全て中国人であるとしています。

替え玉受験のサービスを利用して大学の調査対象となっている学生は、大学から除籍させられることになります。アメリカでは留学生が大学から除籍されると、学生ビザが失効し国外退去を命じられることがあり、せっかく留学したのに中国に帰るという本末転倒な結果を招いてしまいます。


論文代行や替え玉受験をあっせんする業者を利用した中国人留学生は、アイオワ大学だけでなくアメリカの他の大学でも見つかっており、見つかった場合は厳しい処分が下されるのが現状です。また、中国人だけでなく他の国籍の学生やアメリカ人をターゲットにする業者も存在しますが、中国人の海外留学に対する需要が高いことから中国人専門の業者が多くいるようです。

ある中国人留学生はアイオワ大学の法学部に在籍していたときに、1200ドル(約13万円)をUI Internationalという業者に支払い中間試験の替え玉受験を依頼しました。ロイターの取材に対して、当学生は「最初は替え玉受験なんて考えていませんでした。しかし、課題の点数がいつも悪かったことから試験を心配するようになってしまいました。私の家族はとても厳しく、大学での私の成績に対する期待がものすごく高かった。また、母が病気を患っていたため、成績のことで心配をかけたくありませんでした。だから、業者に替え玉受験を依頼してしまいました。今では間違ったことだと感じています」と業者を利用した理由について話しています。

もう1人の中国人留学生は友人に紹介された業者を使って、替え玉で授業に出席してもらいテストを受けるというサービスを利用。2400ドル(約26万円)という大金を支払ったのですが、不正行為が大学に見つかり、あえなく退学となりました。この学生は別の学校を探しているそうですが、受け入れてくれる学校があるかはわかりません。

By Christopher Wolfe

論文代行や替え玉受験を行う業者のウェブサイトには「全てのテストで最高評価を保証」「サービスに満足できない場合は返金対応」など甘い言葉が並んでいて、業者は学生のメールアドレスを入手して営業するなど、あの手この手で学生にアプローチしてきます。

論文代行や替え玉受験、さらには替え玉での授業参加まで行う業者の中には、大学の入学までもを不正に手伝うものも存在するとのこと。ロイターの調査により、入学のために必要な成績証明書を偽造したり、学歴詐称した願書を執筆したりしてアメリカの大学入学をサポートする業者がいることが判明しています。アメリカの大学進学は中国の激しい受験戦争に比べると比較的簡単なことや、アメリカの大学を卒業するとハイクラスな職業に就ける可能性が中国の大学より高いことが、こういった業者の横行の背景にあるようです。

学歴詐称で入学する学生だけでも入学審査の段階で除外できないのかと思えますが、アメリカにある全大学の留学生の総数は約76万1000人おり、その約3分の1が中国人留学生。カリフォルニア大学デービス校には2015年だけで国外にいる1万3560人の学生から入学申し込みがありました。アイオワ大学では2015年に約5000人の入学申し込みがあり、入学審査のために提出された書類は数千枚にもなり、その全てを偽造されたものであるかどうか調査するのはかなり難しいそうです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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