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Googleが1兆円の賠償を求められたOracleとの著作権侵害訴訟で勝利

By Uncalno Tekno

Java APIをGoogleが無断で利用している行為は著作権を侵害しているとして、Oracleが90億ドル(約1兆円)にものぼる巨額の賠償請求をしていた訴訟で、連邦裁判所の陪審員団はOracleの主張を退け、Googleの勝訴となりました。

Google Beats Oracle on Copyright, Defeating $9 Billion Claim - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2016-05-26/google-beats-oracle-copyright-suit-wiping-away-9-billion-claim

Google beats Oracle—Android makes “fair use” of Java APIs | Ars Technica
http://arstechnica.com/tech-policy/2016/05/google-wins-trial-against-oracle-as-jury-finds-android-is-fair-use/

一連の訴訟は、2010年に始まったもので、OracleはSun Microsystems買収によって手に入れたJava APIのうち37件について、GoogleがAndroid OS内で無断で利用している行為が著作権侵害にあたるとして訴えたもの。


2012年に連邦地裁のウィリアム・アルサップ判事は、「APIは著作権の保護対象にならない」という判決を出してGoogleが勝訴しましたが、Oracleは直ちに上訴。連邦巡回区控訴裁判所で争われた二審では、2014年に一審を破棄して「APIは著作権の保護対象である」という判決が出されました。この判決を受けて、Oracleは、GoogleがJava APIの著作権を侵害してAndroid OSを開発することで受けた利益は90億ドル(約1兆円)として、損害賠償を請求していたのが今回の訴訟です。

訴訟内でGoogleは、Java APIの著作権が認められることを前提として、「GoogleによるJava APIの使用は『フェアユース』であり、著作権制限を受けるため権利を侵害しない」と主張していました。もちろんOracleはフェアユースに該当しないと反論。陪審員に訴えるために、画像を多数使ったプレゼン資料まで提出して応戦してました。

Googleに1兆円の損害賠償を請求するOracleが陪審員に向けて作った訴訟資料とは? - GIGAZINE


GoogleとOracleによる訴訟は、多くのソフトウェア開発に携わる人の関心を集めていましたが、2016年5月26日、サンフランシスコ連邦地裁の陪審員団は、「GoogleによるJava APIの使用は、フェアユースにあたる」として、Googleの主張を全面的に認め、Oracleによる賠償請求を退けました。仮に陪審員がフェアユース規定の適用がないと判断していれば、次に賠償額の判断が行われることになっていましたが、著作権侵害が認められなかったため、この審理は行われることなく結審しています。

女性8人、男性2人で構成された陪審員のうちの4人は、法廷の外の廊下に集まっていた記者団に対してコメントを拒否。残りの6人は裏口からひっそりと法廷外に出たとのこと。Google全面勝訴の陪審評決について、Googleの社内弁護士のロバート・バンネスト氏は、「私たちは陪審の評決を嬉しく思う。それだけです」と手短に話し、Oracleの弁護士は記者団に対してノーコメントを貫いたそうです。

その後、Googleは、公式に声明を発表し、「AndroidのJava API利用がフェアユースにあたるとの今回の評決は、AndroidエコシステムにとってもJavaプログラミングコミュニティにとっても、そして、オープンソースプログラムを使ってソフトウェアを開発する開発者にとっても勝利です」と述べました。


一方のOracleは、「GoogleはJavaテクノロジーのコア技術をコピーして、モバイル端末市場に不法な攻勢をかけていたと信じています。私たちはGoogleの違法な振る舞いを止めるべく訴訟を提起しました。Googleの行為が違法であることを示す多くの根拠が存在すると信じており、再び法廷で争うつもりです」と、上訴する意思を明らかにしました。

なお、電子フロンティア財団(EFF)も今回の評決についての声明を発表。Googleによるフェアユースとの主張は、Oracleの言う「言い訳」ではないことが明らかになったと述べ、フェアユース規定の適用を認めた陪審員団の判断を評価しています。ただし、そもそもAPIが著作権の保護対象ではないという画期的な一審判決こそが正しいのであり、APIに著作権を認めた二審の判断によってソフトウェア開発者に無用な負担を強いている点については批判しています。

EFF Applauds Jury Verdict In Favor of Fair Use in Oracle v. Google | Electronic Frontier Foundation
https://www.eff.org/deeplinks/2016/05/eff-applauds-jury-verdict-favor-fair-use-oracle-v-google


Oracle対Googleの6年以上も続くAndroidにおけるJava API使用を巡る著作権侵害訴訟は、Oracleの上訴によってさらに続いていくことになりそうです。

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