Appleが電気自動車の充電ステーションについて調査中と報じられる

By Håkan Dahlström

これまで多くのメディアが「Appleが自動車を開発している」と報じてきましたが、新たに「Appleは電気自動車の充電方法について調査している」とロイターが報じています。

Exclusive: Apple explores charging stations for electric vehicles | Reuters
http://www.reuters.com/article/us-apple-charging-idUSKCN0YG262

2015年頃から、シリコンバレーでは「Appleが電気自動車を開発している」と噂され始めました。現在、Appleは自社製の電気自動車をリリースするべく、その基礎となるインフラや関連ソフトウェアの開発に力を注いでいるように見える、とロイター。そして現在、この基礎固めの中でAppleは電気自動車の大きな欠点である「バッテリーの充電」に取り組もうとしているとのこと。

公共の場に設けられた充電ステーションの欠点は、電気自動車を充電するために数時間待たなければいけないという点です。Appleはこれを機会と捉え、シンプルなデザインの変形型家電を設計していることが、ある情報筋からのリークで明らかになりました。

By mariordo59

この情報によると、Appleは現在iPhoneに代わる新しい収入源を得るべく、自動運転電気自動車の開発に取り組んでいるとのことです。そして、現在は電気自動車の充電ステーションを運用している企業と連絡を取り合っている模様。Appleがテスラのスーパーチャージャー・ネットワークのような特許技術を用いた充電ステーションを作り上げるのか、それとも他の電気自動車との間で互換性のある充電ステーションを作り上げるつもりなのかは現在のところ不明です。なお、電気自動車向けの充電ステーションを供給する企業は、Appleとの間で秘密保持契約を結んでいるためか、この件に関するコメントの一切を拒否したそうです。

なお、電気自動車の充電ステーション業を行っている企業としては、Car Charging GroupやChargePoint、SemaConnect、ClipperCreek、Black＆Veatch、AECOM、General Electric、Siemens、Delta Electronicsなどが存在します。

By Cal State LA EcoCAR2

また、これまでのリーク情報などをまとめると、Appleは既に少なくとも4人の電気自動車の充電に関する専門家を雇用しています。ひとりはBMWの元エンジニアであるRonan O Braonain氏で、家庭のエネルギーシステムと電気自動車をどのようにつなげるのか、について開発を行ってきたエンジニアだそうです。さらに、2016年1月にAppleは電気自動車のワイヤレス充電に関する研究を行っていたNan Liu氏を雇用しています。加えて、Googleの充電技術の専門家であるKurt Adelberger氏を雇い入れた、という情報が2016年5月に出てきました。

なお、Appleは公には自動車開発に取り組んでいることを認めていませんが、シニアバイスプレジデントのジェフ・ウィリアムス氏は2015年5月に開催されたCode Conferenceの中で、「自動車は究極のモバイルデバイスではないでしょうか？」と語っており、自動車開発の可能性を示唆しています。

さらに、ウォールストリートの元アナリストであるNeil Cybart氏が運営するAbove Avalonが公開しているAppleの研究開発への投資に関するデータが以下のもの。これを見ると、2014年第3四半期辺りからAppleの研究開発への投資が大幅に増加しており、これはAppleの自動車開発プロジェクトである「タイタン」への投資なのではと見られています。