Googleが人工知能でゼロから音楽を創造する

By Cade Roster

Googleのディープラーニング研究プロジェクト「Google Brain」は、人工知能によって音楽・芸術・映像などを生成する新たな試みをスタートすることを発表しました。音楽とテクノロジーのフェスティバルMoogfestでは、人工知能がソフトシンセサイザーを使って既存の音楽と重複しない「オリジナル楽曲」を生成するデモ映像も公開されています。

Google (GOOG) is launching a new research project to see if computers can be truly creative — Quartz
http://qz.com/689887/google-is-launching-a-new-research-project-to-see-if-computers-can-be-truly-creative/


Google Brainの研究者であるダグラス・エック氏は、ノースカロライナ州ダーラムで行われたMoogfestの中で新たな研究グループ「Magenta」について話しました。Magentaの目的は人工知能のシステムによる完全オリジナルの楽曲・絵画・映像の生成を目指すというもので、人工知能のトレーニングにはGoogleが2015年から公開している機械学習エンジン「TensorFlow」が使われるとのこと。

人工知能が全く新しい芸術作品を創造するのは簡単なタスクではなく、学習の結果「既存の芸術家や音楽家のスタイルをコピーしてしまう」という問題を抱えています。Magentaは2016年6月から正式に活動を始める予定ですが、エック氏は「とても長い物語になるでしょう」と認めています。まずはTensorFlowの中にMIDIファイル形式の楽曲データをインポートするプログラムが運用される見込みで、このプログラムは6月1日にGitHubでオープンソースとして公開され、定期的にアップデートも追加されていく予定です。

まだ正式なスタートの前ですが、現段階で人工知能がどんな音楽を作り出せるのかを示したデモが公開されています。

Google AI generating music on a digital synth at Moogfest - YouTube


デモで演奏された音楽は、まだまだ聴衆に感銘を与えられるようなレベルに達しておらず、エック氏も「当分の間は芸術の分野で人工知能が人間を超えることは難しい」と認めています。一方で、最終的に「音楽のトリハダ」が立ってしまうようなオリジナル楽曲を定期的に生成可能にすることを目標としています。Googleは悪夢のような画像を出力する人工知能「DeepDream」を開発済みですが、エック氏は「狂気のような写真を生成させる代わりに、十分な音楽の訓練データを与えられた人工知能は人間にとって刺激的な音楽を作成できるのか見たかったのです」と話しています。


Googleの人工知能がヒットチャートでトップクラスの楽曲を生成できるまでにはかなりの時間を要すると見られていますが、Magentaは音楽の次に画像と映像の生成についても取り組む予定です。Magentaを取り上げたQuartzは、「ウェアラブルデバイスなどで心音からユーザーがストレスを感じていることを検知すると、人工知能がリラックスできる音楽を生成して再生する」というような未来が来るかもしれない、と予想しています。

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