乗り物

Googleの自動運転車が歩行者との交通事故でダメージを抑える意外な特許を取得


Googleが開発する自動運転車はすでに公道試験を開始しており、日々、技術を高めています。しかし、Googleはたとえ高度に制御された自動運転車であっても歩行者との事故は完全には防げないと考えており、交通事故の発生を想定して、歩行者の安全を確保するべく意外な方法を特許として取得したことが分かりました。

United States Patent: 9340178

Google patent: Glue would stick pedestrian to self-driving car after collision
http://www.mercurynews.com/drive/ci_29905115/google-patent-protects-pedestrians-from-self-driving-cars

Googleが歩行者との交通事故を想定して取得した特許は下の図の様な物。自動車のフロント部分を多層化しているところに技術的なアイデアが隠されている模様。


Googleが提案する事故対策技術は、「歩行者をボンネットにくっつける」というもの。図6Aのように後ろから来る自動車が歩行者に衝突すると、なんと衝突したフロント周りの保護層が飛散して中から粘着性の高い層が現れて、衝突してボンネットに乗り上げた歩行者をがっちり保持するとのこと。


歩行者との衝突事故では、歩行者が衝突した自動車に巻き込まれたり、車道にはね飛ばされて後ろから走行してきた他の自動車にひかれたりして死亡する二次被害のケースが多く見られます。Googleはこのような場合を想定して、事故を起こした自動車に歩行者を保持することが二次被害を防ぐのに有効だと考えているというわけです。

シートベルトやエアバッグなどの安全装置は主として車内の人の安全を守るために開発されたものですが、近年、車外の人の安全を守るための技術が提案されており、「ボルボ・V40の歩行者エアバッグ」などが実用化されています。

THE ALL-NEW VOLVO V40 歩行者エアバッグ - YouTube


車体の前方で事故が起こった場合、ボンネットに乗り上げた歩行者がフロントガラスに頭をぶつけないように、ボンネット下からエアバッグが飛び出してくる、というシステムです。


Googleの特許技術も歩行者の安全を高める取り組みのひとつで、自動運転車だけでなく一般車にも応用できる技術と言えます。ただし、スタンフォード大学のブライアント・ウォーカー・スミス教授が「Googleの取り組みは賞賛すべきものです。ただし、歩行者をボンネットに保持するが故に、建物に激突する自動車の巻き添えになって、はね飛ばされた場合よりも事故による被害が拡大する可能性があります」と指摘するとおり、安全性に対する技術的優位性がどれほどあるのかは議論の余地がありそうです。

Googleの広報担当者も「特許技術のすべてが実用化されるわけではありません」とコメントしているとおり、今回、明らかになった「歩行者接着技術」が実用化されるかどうかは未知数。ただし、自動運転車技術を実用化するために、Googleは安全性を担保する技術の開発を進めていく必要性があるのは間違いなさそうです。

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in ハードウェア,   乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log

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