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構想15年以上・押井守監督の“集大成”となる映画「ガルム・ウォーズ」公開


「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」や「THE NEXT GENERATION パトレイバー」などの作品を手がけてきた押井守監督の最新作として映画「ガルム・ウォーズ」が本日・2016年5月20日(金)から全国ロードショーとなります。

本作は1990年代後半に「G.R.M.」(ガルム戦記)として企画されていた作品が前身。アニメと実写の融合を試みた意欲的作品で総製作費は60億円とも80億円とも噂されましたが、1999年に製作凍結が決定。しかし、押井監督は決して作品を諦めず、とうとうその執念が結実、2014年に北米で公開され、そして今、日本公開にこぎつけました

映画『GARMWARS ガルム・ウォーズ』公式サイト
http://garmwars-movie.com/jp/

これがメインビジュアル


予告映像はこんな感じ。作品はオール北米ロケで制作されていて、日本人は監督を含めてわずか7人。先に北米で公開されているように、英語作品として作られていますが、日本公開にあたって鈴木敏夫さんが日本語版プロデューサーを担当して、日本語吹替版が制作されました。なお、宣伝コピーはニトロプラスの虚淵玄さんが担当、「この国が棄てた幻想を、再び。」のコピーがつけられています。

『ガルム・ウォーズ』予告 5月20日(金)ROADSHOW - YouTube


その大まかなストーリーは以下のようなものです。

遙かなる古代、戦いの星・アンヌン。ここには「ガルム」と呼ばれるクローン戦士が生息していて、果てしない争いを繰り広げていた。
かつてガルムには8つの部族があり、それぞれ役割に応じて創造主・ダナンに仕えていた。あるときダナンが星を去り、その後の覇権をめぐって部族の間に戦いが生じたのである。
長きにわたる争いの末に5部族が絶滅し、残るは空を制する「コルンバ」、陸を制する「ブリガ」、そして情報技術に長けた「クムタク」の3部族だけとなった。

この星に生息するのはガルムの他に、彼らから神聖視される犬・グラと、鳥――。ガルムは生殖能力を持つグラや鳥と違い、クローン技術により命をつないできた。たとえ命を落としても、その個体の記憶をクローンの脳に転写することで再生を繰り返し、幾世代も生き延びてきた。

空の部族・コルンバの女性飛行士「カラ」は、陸の部族・ブリガとの戦闘の最中、クムタクの老人「ウィド」、ブリガの兵士「スケリグ」と出会う。ウィドが投げかける不可思議な問いによって彼らの間に奇妙な連帯が生じる。

創造主にして神であるダナンがなぜこの星を去ったのか?
我々ガルムとは一体何者なのか?
我々は何処から来て何処へ行くのか?

カラとスケリグは次第に惹かれ合う。2人はそれまで脳内に生じたことのない感情に戸惑いながらも突き動かされる。その情動はガルムにおける愛の芽生えであり、またそれは彼らが重大な変化の渦に巻き込まれつつある事を暗示していた。

ウィドは、絶滅したはずの部族・ドルイドの最後の生き残りである「ナシャン」を連れていた。ドルイドとは、かつて創造主・ダナンの声を伝えたとされる部族である。ナシャンに導かれ、カラ・ウィド・スケリグの3人はグラとともに、海の向こうの遙か彼方にある伝説の聖なる森「ドゥアル・グルンド」を目指す旅に出る。自らのルーツを探り、「ガルムの真実」を知るために……。しかし、それは彼らの神の怒りに触れる行為だった。

聖地に待ち受けるのは希望か、絶望か――?


女性飛行士「カラ」を演じるのは、「Assassin's Creed II」のボイスキャスも務めるカナダ出身の女優メラニー・サンピエール。押井守監督のファンであり、プロダクションノートによると、オーディション時には黒髪おかっぱのウィッグを被って、草薙素子になりきって臨んできたとのこと。作品にも、ブロンドヘアを黒髪おかっぱスタイルに変えて挑んでいます。日本語版では、吹き替えを「鋼の錬金術師」エドワード・エルリック役などで活躍する朴璐美さんが吹き替えを担当。


カラと運命的な出会いを果たすブリガの兵士スケリグ(右)を演じるのは、ドラマ「LOST」シリーズや映画「リアル・スティール」などに出演しているケヴィン・デュランド。撮影中は奥さんと飼っている犬を現場に連れてきていて、犬好きであることから監督とはすぐに通じ合えたとのこと。吹き替えは「ガン×ソード」ヴァン役や「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」スーパーマン役(吹替)の星野貴紀さんが担当。


そして、カラ、スケリグと不思議な出会いを果たす老人・ウィド役は、「エイリアン2」に登場したアンドロイド・ビショップ役でよく知られているランス・ヘンリクセン。押井監督がどうしても起用したかったという俳優です。吹き替えは「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのバルボッサや「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」スノークも吹き替えている壤晴彦さんが担当。


一度は凍結されていた「G.R.M.」が再始動したのは2011年のことで、まずはG.R.M.プロジェクトの資料発掘が行われました。2012年から製作体制が敷かれて、2013年4月から5月にかけて撮影が行われました。

草原にたたずむカラ。ロケ地はカナダ。


撮影は非常に過酷なもので、最終日には押井監督は歩くのもままならないほど消耗していたとのこと。YouTubeで公開されているメイキング映像では、特技監督・樋口真嗣さんからのコメントも。

【独占公開】構想15年、押井守監督『ガルム・ウォーズ』メイキング映像 - YouTube


死んでもその戦闘データが新たな体に引き継がれる……という、ひたすらに「現在」が繰り返されて未来が訪れないというガルムたちの姿が、森博嗣氏の小説を原作として押井監督が2008年に制作した「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」の“永遠の子ども”と重なるというのは、映画評論家・藤津亮太氏がプレスシートで指摘しているとおり。

その他、以下のような場面カットでわかるように、SFファンタジーとしてこの世界ではない物語を描いていますが、そのテーマには現代社会に通じるものが含まれています。


なお、作品としては「GARM WARS The Last Druid」のタイトルで2014年に北米で公開済みであり、同年の東京国際映画祭でワールドプレミアが開催されたことから、感想がすでに多数アップされています。

押井守最新作『GARM WARS』ワールドプレミア感想まとめ! - Togetterまとめ
http://togetter.com/li/738031

◆出演/声の出演
ランス・ヘンリクセン/壤晴彦
ケヴィン・デュランド/星野貴紀
メラニー・サンピエール/朴璐美

◆メインスタッフ
原作・脚本・監督:押井守
日本語版プロデューサー:鈴木敏夫
宣伝コピー:虚淵玄(ニトロプラス)
音楽:川井憲次
協力:スタジオジブリ
制作:Production I.G
製作:バンダイナムコエンターテインメント Production I.G
配給:東宝映像事業部

2016/日本・カナダ合作/シネマスコープ/ドルビー・デジタル・サラウンド
上映時間93分
©I.G Films

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