サイエンス

ケプラー宇宙望遠鏡が新たに1284個の太陽系外惑星を発見、うち9つは生命体存在の可能性あり


NASAのケプラー宇宙望遠鏡が、新たに1284個もの惑星を発見しました。これは、これまで見つかっている太陽系外惑星の数を一気に倍増させる快挙であり、従来考えられていたよりもはるかに多くの惑星が存在する可能性が指摘されるなど、宇宙科学にとって大きな発見となっています。

Briefing Materials: 1,284 Newly Validated Kepler Planets | NASA
http://www.nasa.gov/feature/ames/kepler/briefingmaterials160510

ケプラー宇宙望遠鏡は、惑星が主星である恒星を横切るときに見られるわずかな光量の変化を捉えることで惑星を発見するという「トランジット法」が用いられています。トランジット法による惑星検出の仕組みは以下のムービーを見ればよく分かります。

Transit graph - YouTube


光を発する恒星に近づく小さな「黒い点」が惑星です。下のグラフは恒星の明るさの時間ごとの変化を表しています。


惑星が恒星を横切ると、検出される恒星の明るさ(光量)が低下しました。


光量の低下は惑星が横切る間、続きます。


そして、惑星が横断を完了すると、再び光量が戻ります。恒星を回りを周回する惑星が原因となる周期的な光量の低下を捉えることで、惑星を検出するのがトランジット法です。


もちろん、惑星以外にも宇宙にある何らかの物体によって光量の低下が起こることがあり得ます。


そこで、ケプラー宇宙望遠鏡が検出した光量変化のデータは、地上から測定した重力変化や画像解析結果とも照らし合わされて、惑星であるか疑似惑星であるかが判別されています。


こうして、ケプラー宇宙望遠鏡が発見した合計4302の天体群から、99%以上の確度をもって惑星と断定できる1284個の天体が見つかりました。


これは、1995年以降に見つかった太陽系外惑星の数を表すグラフ。黄土色が今回ケプラー宇宙望遠鏡が発見した新惑星、水色が過去にケプラー宇宙望遠鏡が発見した新惑星、青色がケプラー宇宙望遠鏡以外の装置で発見された新惑星を表しています。グラフから、ケプラー宇宙望遠鏡が太陽系外惑星のほとんどを発見していること、今回の発見が過去最大の惑星検出事例であることが分かります。


これは発見された惑星の大きさ(縦軸)と明るさ(横軸)ごとにプロットしたもの。縦軸は地球と比べた場合の大きさを表しており、数字が大きいほど惑星のサイズが大きいことを示しています。横軸は、左に行くほど惑星が明るいことを示しています。地上から発見された惑星(青色)に比べてケプラー宇宙望遠鏡が発見した惑星(オレンジ色)は、グラフの右・下の領域に多いことから、小さくてぼんやりとした検出しづらい惑星の多くをケプラー宇宙望遠鏡が捕捉していると言えます。


今回、ケプラー宇宙望遠鏡が発見した太陽系外の惑星および惑星候補の内訳はこんな感じ。99%以上の確度で惑星と判定されたものが1284個、惑星ではないと断定されたものが707個、99%以上の確度ではないため惑星とは断定されていないものが1327個となっています。なお、すでに発見済みの既知の惑星984個についても、ケプラー宇宙望遠鏡はしっかりと検出していたようです。


このグラフは縦軸が数、横軸が惑星の大きさを表すもの。オレンジ色が今回発見された新惑星で、青色が既知の惑星。直径が地球の1.2倍~1.9倍の「Super-Earth-size」、1.9倍~3.1倍の「Sub-Neptune-size」の惑星が多いことが分かります。


今回発見された1284個の太陽系外の新惑星のうち、550個が地球のような岩石惑星とのこと。さらに、そのうちの9つは恒星から適度な距離にあり地表面に液体の水が存在できるため生命体が生存する可能性のある「ハビタブルゾーン」に存在することが分かったとのこと。つまり、新たに生命体の存在する可能性のある惑星が9つ増えたというわけです。

これまでに発見されてきた太陽系外惑星約3000個のうち、約2300個がケプラー宇宙望遠鏡によって発見されたもので、ケプラー宇宙望遠鏡が惑星発見に果たした役割はとてつもなく大きいものです。NASAのポール・ヘルツ氏は、「ケプラー宇宙望遠鏡が登場するまで、太陽系外の惑星がどれくらいあるのかは分かっていませんでした。しかし、ケプラー望遠鏡のおかげで、惑星は恒星よりも多い可能性があることが分かっています」と述べています。

惑星発見に多大な功績を残したケプラー宇宙望遠鏡ですが、NASAは2018年にケプラー後継の衛星「TESS」を打ち上げる計画です。


NASA | The Search for New Worlds is Here - YouTube

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