メモ

レーニンの遺体の維持・保存には年間2000万円以上のお金が必要


ソビエト建国の父・ウラジーミル・レーニンの遺体は、死後も防腐処理されて、赤の広場にあるレーニン廟(びょう)に保管されています。死後90年以上も続いているレーニンの遺体の維持・管理には大金が必要で、もはや維持をやめるべき、遺体を埋めるべきではないか、という意見が現れ始めているようです。

Lenin Lab: the team keeping the first Soviet leader embalmed | World news | The Guardian
http://www.theguardian.com/world/2016/may/09/lenin-lab-team-keeping-first-soviet-leader-embalmed-moscow

レーニンの遺体のメンテナンスの様子は以下の記事で確認できます。なお、グロテスクな画像が含まれているので閲覧には注意が必要です。

防腐処理されたレーニンの遺体と、その遺体のメンテナンスの様子 - GIGAZINE


レーニンの遺体は観覧することが可能。以下のムービーの1分40秒ころからレーニンの遺体を観覧するモスクワ市民の様子が確認できます。

LENIN SLEEPS - Ленин спит - YouTube


在りし日のレーニン。


現在も遺体はレーニン廟に保管されています。


ガードマンの奥に展示されているのがレーニン。


遠目には眠ってるようにしか思えません。


アップにするとこんな感じ。なんともリアルな肌つやです。


レーニンは1924年1月に亡くなりました。検視の後、レーニンの遺体はマイナス4度の冷凍状態に保たれて赤の広場のホールにまつられて、4日間で5万人の群衆の弔問を受けたそうです。真冬のモスクワの寒さの中で、霊廟の棺の中で保管されていたレーニンの遺体は、死後56日目に、恒久的に保存することがソ連当局によって決定されました。

当時のソ連の外務大臣は密命を受け、ドイツから特別な冷凍設備を導入しましたが、1924年3月にはソ連の科学者から遺体を乾燥させて防腐処理することで腐敗を防ぐ方法があることが報告されると、レーニンの遺体は冷凍保存から防腐処理に切り替えられることになりました。ソ連当局の圧力を受けた科学者たちは、遺体の状態を保つために数カ月もの間、昼夜を問わず働いたとのこと。


そして、1924年8月1日に赤の広場のレーニン廟がオープンすると、死んでいるとは思えないレーニンの遺体の状態の良さに、訪問者たちはみな「すばらしい!」という歓声を上げたそうです。

それ以降も、最盛期には200人を超える科学者が動員されレーニンの遺体の維持が図られ、それは現在も続いています。後の指導者スターリンはレーニンの遺体のデキに惚れ込んで、自らも防腐処理されることを望んだ結果、1953年から1961年までレーニンの横に並んで安置されました。

レーニンの遺体は「死後も自らの威光を保ちたい」という世界中の権力者たちの欲望をかき立てた結果、レーニンの保管技術を持つソ連の科学者は、秘密裏に北朝鮮やベトナムに出張メンテナンスに行くことがあったそうです。

レーニンの遺体を生き生きと保つために必要な費用は年間で1300万ルーブル(約2100万円)と推測されています。ソ連崩壊後もロシアによって管理されているレーニンの遺体ですが、共産主義を知らない若い世代が増えるにつれて、「もはや保存を続けるべきではない」という意見が出されているとのこと。実際に、レーニンの保管技術を研究する若い研究者は皆無という状況もあることから、レーニンの遺体が埋葬される日がいつかくることになるかもしれません。

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in メモ,   動画, Posted by darkhorse_log

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