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Google検索の通貨換算が爆速となるアルファベット3文字の通貨コード


通貨によっては3秒で計算が可能でした。Google検索には電卓、単位換算、荷物追跡といった便利な機能が搭載されています。通貨換算の機能も入っていて、米ドルやユーロといった外国の通貨を日本円に変換することもできます。

こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。GIGAZINEやブログに掲載する記事を書くとき、Google検索を使って現地通貨を日本円に変換しています。スマートフォンの通貨換算アプリも併用しているのですが、ネットが使える状況であればGoogleを使う方法が簡単。アルファベット3文字の通貨コードを覚えたら、作業がかなり効率化されます。

◆まずは基本
Googleの検索ボックスに「数字+通貨名」を入力して、検索ボタンをクリック。そうすると検索結果には入力した通貨の円価値が表示されます。

「1ドル」と入力したら「109.146475円」と表示されました。この「ドル」はアメリカドルのことで、このほかに「1米ドル」「1アメリカドル」「1ダラー」という入力でも同じ結果が出ます。


「1ユーロ」と入力したら、124.131194円と表示されました。ユーロは欧州連合内で使用される共同通貨です。


「1ルーブル」と入力したら、1.64854835円と表示されました。ルーブルはロシアの通貨です。


ただし、これはGoogle.co.jpの検索結果です。アメリカのGoogle.comだと検索結果が米ドルベースになります。Google.comであっても、言語が日本語のままだと検索結果は円ベースで表示されたりと仕組みは複雑。

言語設定を英語にしたGoogle.comで「1euro」と入力したら、1.12US Dollarという表示になりました。1ユーロ=1,12アメリカドルという意味。検索結果にプルダウンメニューやグラフがあったりと、Google.comの方が進んでいます。


今回の記事はGoogle.co.jpを使って調べました。言語も日本語に設定。ブラウザはChromeを使っているのですが、個人の検索履歴が反映されないように、シークレットモード(プライベートブラウジング)で検索しています。

Google検索の通貨換算機能はオフィシャルでも紹介されています。

電卓と単位変換 - ウェブ検索 ヘルプ
https://support.google.com/websearch/answer/3284611


◆通貨コードを使う
「1リンギット」と入力したのですが、普通の検索結果でした。リンギットはマレーシアの通貨。


「1MYR」と入力したら、28.6175517円と通貨換算が可能です。


「10000ルピア」と入力したのですが、普通の検索結果でした。ルピアはインドネシアの通貨。


「10000IDR」と入力したら84.9636669円と通貨換算が可能です。


この3文字のアルファベットは、国際標準化機構(ISO)で定められたISO 4217という通貨コードです。最初の2文字がISO 3166-1で定義された国名コードで、残り1文字が通貨の頭文字となります。

上に紹介した2カ国の通貨コードは、
・MY(マレーシア)+R(リンギット)=MYR
・ID(インドネシア)+R(ルピア)=IDR
という仕組みです。この3文字の通貨コードを覚えると、Google検索を使った通貨換算のスピードが段違いに上がります。

「1AUD」は86.2101733円でした。オーストラリア・ドルです。


「1FJD」は54.0291783円でした。フィジー・ドルです。


「1GBP」は161.017328円でした。イギリス・ポンドです。


「1EGP」は12.5854667円でした。エジプト・ポンドです。


「20INR」は33.5405254円でした。インド・ルピーです。


「25BRL」は783.269983円でした。ブラジル・レアルです。


数字+「エジプトポンド」、数字+「インドルピー」と入力しても同じ結果は出ます。ただ、やっぱり文字が長くなるので入力が面倒。通貨コードの3文字を入力する方法には敵いません。

◆TOを使う方法
この3文字の通貨コードですが、まれに換算できない通貨があります。たとえば「10PHP」と入力したのに通貨換算ができません。PHPはフィリピン・ペソの通貨コード。


このようなときは「TO JPY(to jpy)」と付け足すことで通貨換算が可能になります。JPYは日本円の通貨コードです。

「10PHP to jpy」は23.920626円となりました。


「10000VND to jpy」は50.3074343円となりました。VNDはベトナムドンの通貨コードです。


このTOは、前後の通貨コードを変えることによって自由な計算が可能。

「100USD to thb」は3508.0334タイバーツとなりました。タイで100米ドルを両替するときの目安に。


「1000INR to npr」は1596.87034ネパールルピーとなりました。ネパールで1000インドルピーを両替したこともあったので、例に上げてみました。


◆ISO 4217
ウィキペディアのISO 4217という項目に、3文字の通貨コードの一覧が並んでいます。繰り返しの説明になりますが、最初の2文字がISO 3166-1で定義された国名コードで、残り1文字が通貨の頭文字となります。

・JPY(日本円)
JPがJAPANで日本、YがYENで円。

・THB(タイバーツ)
THがTHAIでタイ、BがBAHTでバーツ。

・CLP(チリペソ)
CLがCHILIでチリ、PがPESOでペソ。

といった仕組みです。


通貨コードに使われるISO 3166-1で定義された2文字の国名コードは、インターネットの国別コードトップレベルドメインと同じだったりします。Googleでいうと、日本が「https://www.google.co.jp」、タイが「https://www.google.co.th」、チリが「https://www.google.cl」と、それぞれのアドレス末尾に対応します。

中には、ちょっとピンとこないコードもあります。

・ZAR(南アフリカランド)
南アフリカ共和国をオランダ語で表した「Zuid-Afrika」と「ランド(Rand)」の組み合わせが由来です。英語だとSouth AfricaとなってSAの国別コードが順当なのですが、先にSaudi Arabia(サウジアラビア)がSAを使用していたので、歴史的に関わりの深いオランダ語からとったZAを国別コードに使っています。

・CHF(スイスフラン)
スイスのラテン語による国名「Confoederatio Helvetica」と「フラン(franc)」の組み合わせが由来です。英語だとSwitzerland、ドイツ語とSchweizerische、フランス語だとSuisseと、イタリア語だとSvizzeraで、スイスという単語はSが基本。CHという国別コードは知っておかないと分からないですね。

といったように意味を知らないと判読できない通貨コードも存在します。

◆デノミ通貨


TRがTURKEYでトルコ、LがLIRAでリラ。トルコリラは本来TRLで表示されるべき通貨です。しかし、現在のトルコリラの通貨コードはTRYとなっています。このようなズレが起きる理由はデノミネーションにありました。

かつてはTRLのトルコリラも流通していました。ただし通貨のインフレによって額面が暴騰。デノミの前には最高で2000万リラの紙幣が流通していました。ここまで数字が大きくなると、お釣りの計算や帳簿の記帳に苦労したりと、日常生活にも支障をきたします。こうした問題を解決すべく、トルコ政府は100万分の1のデノミデノミネーションを行ない、既存通貨より額面の小さなTRYの新トルコリラを発行しました。2000万リラ(TRL)の紙幣は20リラ(TRY)の紙幣と交換されています。


デノミした通貨の例を上げると、
・MXN(メキシコ・ペソ):デノミ前はMXP
・ZMW(ザンビア・クワチャ):デノミ前はZMK
・RON(ルーマニア・レウ):デノミ前はROL
・ZWL(ジンバブエ・ドル):デノミ前はZWD、ZWN、ZWR、ZWL
などがあります。

これらは、現行の通貨コードのアルファベットと流通している通貨名のアルファベットにずれがあります。ハイパーインフレにより経済が破綻したジンバブエは4回も通貨コードが変わっていました。

◆X通貨
世界にはいろいろなお金があるのですが、すべての独立国が独自通貨を発行している訳ではありません。欧州連合のユーロ(EUR)のように複数の国で使われる通貨もあります。こうした通貨にはXから始まる通貨コードが割り当てられていました。「ミスターX」「Xファイル」「X線」のようにXは未知を表すときに使うアルファベット。Xが頭文字の4つの通貨は他の通貨とは一線を画していました。


XAF(CFAフラン):中部アフリカ諸国で流通
XCD(東カリブドル):カリブ海諸国で流通
XOF(CFAフラン):西アフリカ諸国で流通
XPF(CFPフラン):太平洋のフランス海外領土で流通

すべての通貨は3文字のアルファベットで表記することが可能でした。この通貨コードとGoogle検索を使いこなせると、より便利に海外を旅行することができます。


世界一周している人のブログを読んでいて、「ボリビアで1泊40ボリの安宿に泊まった」と書いてあっても、それが日本円でいくらになるのかは見当が付きません。そんな時はGoogleで「40BOB」と検索してください。すぐに答えが表示されることでしょう。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak
)

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in レビュー,   ネットサービス, Posted by logc_nt

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