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就活で35社に落とされた男性が起業した会社を1000億円以上でGMに売却することに成功

By 401(K) 2012


就職活動で希望する会社からことごとく不採用の通知を受けた男性が、就職断念から7年後に共同設立した企業を大手自動車メーカーに10億ドル(約1050億円)で買収される、という離れ業をやってのけました。

This 29-Year-Old Entrepreneur Was Rejected by 35 Potential Employers. Now, He's the Co-Founder of a $1 Billion Startup. Here's How.
https://www.entrepreneur.com/article/274693

2009年にクレアモント・マッケナ大学を卒業したダン・カンさんは、当時、金融業界に就職したいと考えて、投資銀行など35社にエントリーしましたが、ことごとく落とされました。当時のカン氏は、「お金をたくさん稼ぎたいから金融業へ」という考えだったとのこと。就職活動に失敗したカンさんにとって、卒業時に残されていた道は「韓国で英語を教えること」か「サンフランシスコのスタートアップに勤めること」の二者択一だったそうで、カンさんは仕方なしに後者を選択しました。

前列の一番左がカンさん。


カンさんがスタートアップに就職したのは、家庭環境も一因でした。カンさんは、親、兄弟がみな起業家という一家に生まれたとのこと。カンさんの母は、カンさんがまだ子どもだった1990年代にシアトルで不動産業を始めており、まだGoogleマップがなかったこともあったせいで、カンさんも兄と一緒に母の事業を助けるために、地図に家の写真を貼る作業をしていたそうです。

この作業を一緒にしていた兄のジャスティンさんもまた実業家で、大学卒業後の2006年にビデオ・プラットフォーム「Justin.tv」を設立。このJustin.tvは、ゲームに特化したライブストリーミングサービスでAmazonに9億7000万ドル(約1000億円)で買収されたTwitchの前身のサービスとして知られています。

サンフランシスコのスタートアップUserVoiceに2年勤めた後、カンさんは兄の勧めもあって起業。2011年にレストランのクーポンを発行するiPhoneアプリを制作する会社Appetizelyを設立しました。レストランごとに個別のアプリを作っていたカンさんは、Appleから「同じような機能・性質のアプリを複数作ることはできないので、1つのアプリとしてまとめるように」、との通達を受けました。しかし、1つのアプリにまとめてしまえば、レストランにとって魅力的なアプリとは言えないと考えたカンさんは、わずか数ヶ月でAppetizelyをたたんでしまったとのこと。

Appetizelyをたたんだカンさんは、すぐさま違うビジネスに着手。2011年8月にはインターネットで家事代行を手配できるサービスExecを設立。iPhoneアプリ制作から家事代行サービスというピボットを成功させたカンさんでしたが、心が満たされなかったとのこと。「家庭のことを何でも引き受けるサービスとしてスタートしたExecでしたが、すぐに清掃分野にサービスを絞りました。ビジネスとしては上手くいきましたが、情熱を持って取り組める仕事ではなかったのです」と話すカンさんは、2014年にExecをサンフランシスコの企業Handhyに売却しました。


Execを売却した後、カンさんはTwitchの共同設立者のカイル・ボグトさんが立ち上げた自動運転車の開発プロジェクトに加わります。大学時代に兄ジャスティンさんとボグトさんが運営していたJustin.tvやTwitchでインターンをしていたこともあり、カンさんはボグトさんと顔見知りだったそうです。ボグトさんが10代のころから温めていた自動運転車の技術について聞かされるとカンさんは「これこそが情熱を注げるものだ」と感じたそうで、2014年にボグトさんとともに自動運転車を開発する会社Cruise Automationを設立しました。


Cruise Automationを設立した後のカンさんはというと、たとえ深夜であってもマッピング用の自動車を走らせるのをいとわないほどの働きぶりだったとのこと。カンさんの働くスタイルについて、Execでともに働いていたトリスタン・ジールさんは、「Execでは、お客さんの要求があればすぐにトイレットペーパーを買いに走っていました。この経験が、Cruise Automationでも活かされていたのではないでしょうか?」と述べています。

Cruise Automationは、市販車に後付けすることで自動ブレーキやレーン維持機能など「半」自動運転機能を追加できるキットを開発。アウディ車用のキットとして販売するとたちまち注目を集めることになりました。


Cruise Automationの半自動運転キット「RP-1」は、以下のムービーで確認できます。

The Cruise RP-1 - YouTube


そして、半自動運転キットによって自動運転車開発の高い技術力を示したCruise Automationに関して、資金調達ラウンドに参加していた自動車メーカーのゼネラルモーターズ(GM)が当初の方針を変更して、2016年3月11日に10億ドル(約1050億円)以上で買収することを決定。「お金持ちになりたい」という夢を抱いてウォールストリートを目指し挫折したカンさんは、挫折から7年後に、共同設立したスタートアップを1000億円超えという巨額で売却し、違う形で夢をかなえることになりました。

ちなみにGMに10億ドルで買収される企業の共同設立者という立場になったカンさんですが、今でも母・弟たちと同じ家に住んでいるとのこと。「家族の絆が私をシリコンバレーに導きました。兄とTwitchのメンバーの助けなしには、現在の私はないでしょう」とカンさんは語っています。

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in メモ,   ハードウェア,   乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log

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