5年前に誕生したHPの新ロゴが時を経てようやく採用される

2016年4月5日、HPが世界最薄のノートPCをうたう「HP Spectre」を発表しました。薄さ10.4mmで筐体にはアルミニウムとカーボンファイバーを使用する高級感漂う洗練されたデザインが特徴的な同ノートPCは、USB Type-Cポートを3基も搭載し、プロセッサにはIntel Core i5/i7を採用しています。デザイン・機能面共に充実した様子のHP Spectreですが、他にも「5年前に誕生したHPの新ロゴ」が採用された初めての製品、という特徴があります。

HP's new logo is the awesome one it never used | The Verge
http://www.theverge.com/2016/4/5/11367248/hp-new-logo-spectre-13

2016年4月にリリースされた「HP Spectre」は、USB Type-Cポートを3基備える世界最薄のノートPCです。HPのSpectreシリーズとしては、「HP Spectre 13 x360」に続く新型ノートPCとなるのですが、大きなデザイン変更の他に、端末に刻印された「HP」のロゴにも変更が加えられている、ということで話題になっています。

ひとつ前のモデルであるHP Spectre 13 x360では、天面部分に「HEWLETT-PACKARD」の文字がありました。

しかし、HP Spectreでは新しいロゴを採用しています。その新しいロゴというのがどんなデザインになっているのかは、以下のHP Spectre紹介ムービーを見るとよくわかります。

The World's Thinnest Laptop - HP Spectre - YouTube


これは従来のHPのロゴ。記事作成時点でもHPのホームページやHP Spectre以外の製品など、多くのもので使用されているロゴです。

対して、HP Spectreのディスプレイ下部にあるのが新しいロゴ。

ノートPCの天面部分にも新ロゴがあります。

新しいロゴは短い斜線が4本並んだだけのもので、従来のロゴを見たことがある人ならばHPのロゴと気づきそうですが、そうでなければ気づかなくてもおかしくないレベル。なお、HPによるとこの新ロゴは、今後HPのプレミアムPCブランドで採用されていく予定とのことです。

このロゴがデザインされたのは、HP Spectreが発表される約5年前の2011年でした。デザインを担当したのは、ブランディングやデザインなどを行うMoving Brands。HPはMoving Brandsに「ロゴのリデザインおよびブランド・アイデンティティ構築」を依頼したそうで、その中で作成されたのがHP Spectreが採用した新しいHPのロゴです。なお、2011年当時、HPはこの抽象的なデザインのロゴを自社ブランドの新しいロゴに採用しないことに決めていました。

なお、HP Spectreの発表に際し、デザインを担当したMoving Brandsがロゴをデザインする際の過程やポイントを公開しています。

The vision of a brand built for the moving world
http://movingbrands.com/work/hp

Moving Brandsによると、新デザインのロゴはHPの創業者であるビル・ヒューレットとデイブ・パッカードが考案したオリジナルロゴのデザインを踏襲したものになっています。新ロゴのデザインに際して意識したのは「13度」の傾きで、これは「独創的な精神と未来に関して楽観的である」というHPそのものを表しているとのこと。また、HPでは「13度」の傾きがブランド・アイデンティティとなっており、グラフィック・UI・プロダクトのデザインに深く関わっているそうで、それを活かすデザインを採用したとのことです。

新ロゴのデザインがどのように生み出されたのかは以下のムービーを見るとよくわかります。

HP Particle on Vimeo


HPの創業者であるビル・ヒューレットとデイブ・パッカードが考案した、オリジナルロゴ。

手描きするとこんな感じ。

このオリジナルロゴは、垂直方向から13度だけ傾いています。新ロゴではこの傾きを活かし、以下の様に各要素を構成。

そして、なぜか新ロゴのモデリングがスタートします。

完成した新ロゴを構成する2本のスラッシュ。

これが大量に生成され、一種のアートのような見た目になっていきます。

「13度」の傾きも無視し、新ロゴを構成するスラッシュがさまざまに変形。

そして最後に再び13度に傾いたスラッシュが集まって……

新ロゴがバーンと登場して終了です。