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ISに破壊された世界遺産の象徴「パルミラの凱旋門」が最新の3D技術で復活


シリアの世界遺産・パルミラ遺跡にある2000年前に建造されたという凱旋門が、テロ組織「イスラム国(IS)」により破壊されました。これを受けて、デジタル考古学研究所The Institute for Digital Archaeology(IDA)はパルミラの凱旋門を最新の3D技術でよみがえらせるプロジェクトをスタートさせており、2016年4月19日、ついに凱旋門がイギリスのトラファルガー広場で復活しました。

Palmyra's Arch of Triumph recreated in London - BBC News
http://www.bbc.com/news/uk-36070721

シリア中部にある世界遺産のパルミラ遺跡には、遺跡の象徴たる凱旋門が存在しました。パルミラの凱旋門は2000年前にローマ人の手で作られたものといわれています。しかし、2015年10月にISが遺跡の入り口部分に位置する凱旋門に爆薬をしかけて破壊しました。

破壊される前のパルミラの凱旋門は以下のような見た目。


爆破されたパルミラ遺跡の凱旋門の様子は以下のムービーでじっくり見ることができます。

Raw: Drone Footage Captures Palmyra Ruins, City - YouTube


このパルミラの凱旋門を3D再現技術でよみがえらせようと立ち上がったのがIDAです。同研究所は凱旋門の3分の2の大きさのスケールモデルを作成しました。材料はエジプトの大理石とのこと。凱旋門のレプリカは4月19日から21日までの3日間トラファルガー広場にて展示され、その後はニューヨークやドバイなど世界各地を飛び回ることとなります。IDAの理事であるロジャー・ミケル氏によると、2017年までにパルミラ遺跡の近くにレプリカを設置できる場所を確保したい、とのことです。

IDAが作成したレプリカは、パルミラの凱旋門の3分の2サイズとはいっても、全高5.5メートルという大きさです。よって、凱旋門は各パーツをバラバラにした状態でトラファルガー広場に運び込まれました。

By DAVID HOLT

凱旋門の柱を立てて……

By DAVID HOLT

組み立て中。素材がエジプト大理石なので、クレーンを使って慎重に組み立て作業が行われます。

By DAVID HOLT

ほとんど完成した状態。


パルミラの凱旋門のレプリカを作成するに当たって、IDAは凱旋門の写真から正確な3Dモデルを作成。その後、材料となったエジプト大理石を、3Dモデルを基に正確にカットすることで実物に限りなく近いレプリカの作成に成功しています。なお、レプリカの製作費用は約10万ポンド(約1600万円)とのこと。

除幕式ではロンドン市長のボリス・ジョンソン氏が「技術と決意」の証とアーチを絶賛。さらに、集まった聴衆に対して、我々は「野蛮人(IS)をものともしない」と語っています。

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in メモ, Posted by logu_ii

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