戦闘機「F-15」が片翼着陸を成功させたとき、一体何が起きていたのか?

By Txema Aguilar Sánchez

日本の自衛隊やアメリカ軍でも主力戦闘機として現役で配備されているのが「F-15」です。1976年にアメリカ軍へ正式編成されてから、今なお実用的な性能を誇るF-15は、1983年に演習中の事故で右翼を失いながらも片翼で着陸に成功したというエピソードが有名です。2016年で実戦配備40周年を迎えたF-15の高い性能を示すエピソードとして、片翼着陸を成功させたパイロットのムービーが再注目されています。

This pilot landed his F-15 with only one wing
http://www.wearethemighty.com/articles/this-pilot-landed-his-f-15-with-only-one-wing

Israeli air-force pilot lands F-15 with one wing - Business Insider
http://www.businessinsider.com/israeli-air-force-pilot-land-an-f-15-with-only-one-wing-2016-4

片翼着陸を成功させたイスラエル人パイロット・Zivi Nedivi氏が、事故当時について語るインタビューは、以下から見ることができます。

F-15 flying with one wing by an Israeli Pilot - YouTube


1983年、F-15の片翼着陸で知られる「ネゲヴ空中衝突事故」は、イスラエル南部にあるネゲヴ砂漠上空での演習中に発生しました。


片翼着陸を成功させたNedivi氏が当時の状況を語っています。当日は敵軍との戦闘をイメージした模擬飛行でしたが、レーダーを見ると同軍のA-4Nが上下逆さまで飛行しながら近づいてくるのがわかったとのこと。


周囲の視界は悪く、お互いがどこを飛んでいるのか把握できていない状況で、2機はそのまま接触事故を起こしてしまいました。「すぐさまA-4Nが炎に包まれるのが見えた」と話すNedivi氏。A-4Nの搭乗者は緊急脱出(ベイルアウト)を行ったため、機体は全損しましたが、死亡者は出ていません。


一方で、Nedivi氏が操縦するF-15は、およそ30度の角度で落下している状態で、機体はグルグルと回転していました。スピンを止めるべく、Nedivi氏はアフターバーナー(再燃焼装置)を点火。


すると機体の回転が次第に弱まり、ほどなくして水平状態で飛行することに成功。


機体の破損状態をチェックしようとしたNedivi氏でしたが、右翼から液体燃料が噴き出しているのが見えただけで、まさか右翼がなくなっているとは気付いていなかったとのこと。「もし気付いていたら、私も確実に緊急脱出していたでしょう」と話しています。


そうして片翼のまま10マイル(約16km)先にあったラモン空軍基地に着陸することに成功。通常は時速240kmほどで着陸するところ、この時は時速500km近くも出ていたそうです。あわや大惨事でしたが、幸いにも死者は1人も出ていません。


「着陸後にキャノピーを開けて、後部座席に座っていたナビゲーターと生還を祝って握手をしたとき……、初めて右翼がほとんど失われていたことに気付いたんです」と話すNedivi氏。「片翼を失った状態でも水平を保って飛行を続けられる機体は、F-15の他に思い当たりません」とコメントしています。

なお、実際に右翼が破損したF-15はこんな感じ。


奇跡を起こした機体の周りには、Nedivi氏の同僚も集まっています。


九死に一生の出来事を記念して写真をパシャリ。


後ろから見るとこんな感じです。

・関連記事
最強戦闘機F-22 ラプターの写真いろいろ - GIGAZINE

新旧の戦闘機「P-51」と「F-22」の編隊飛行をコックピットから360度撮影したムービーがYouTubeで閲覧可能 - GIGAZINE

切り刻まれた飛行機など、旅客機・軍用機のハプニングシーンが撮影された写真いろいろ - GIGAZINE

ギリシャ人が戦闘機でトルコのATMに駆けつける前に知っておくべきこと - GIGAZINE

リアルタイムで航空機がどこを飛んでいるのか地図上で分かるフライトレーダー - GIGAZINE

265

in 乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log