BashシェルをWindowsに搭載するWindows 10大型アップデートなど、Microsoft Build 2016で発表された重要な10項目まとめ


Microsoftの開発者向けカンファレス「Build 2016」が現地時間2016年3月30日からサンフランシスコで開催されています。これまでMicrosoftはソフトウェアに関する大きな野望をBuildで打ち出してきましたが、今年は一体何が発表されたのか、ということで、今回のBuildで発表された重要な内容10項目を海外ニュースサイトのThe Vergeがまとめています。

Microsoft outlines intelligence vision and announces new innovations for Windows 10 | News Center
http://news.microsoft.com/2016/03/30/microsoft-outlines-intelligence-vision-and-announces-new-innovations-for-windows-10/#sm.0001lbntzjt24frh109ctq5gf8wqw

Microsoft Build: the 10 most important announcements | The Verge
http://www.theverge.com/2016/3/30/11317924/microsoft-event-news-recap-hololens-windows-10-build-2016

◆01:Windows 10の大型アップデート
2016年夏にはWindows 10の大型アップデートが提供される予定。パスワードに代わる認証機能である「Windows Hello」でバイオメトリクス認証がサポートされるようになり、ブラウザにいくつかの機能が追加されます。ウェブサイトのログインにも指紋認証などが使えるようになり、講演ではUSAAのウェブサイトに指紋認証でログインする様子も示されました。


◆02:BashシェルをWindowsに搭載
これまではWindowsではLinux・Unix向けに開発されたコマンドラインツールが使えませんでしたが、MicrosoftとCanonicalが協力し、夏のアップデートからUNIXやLinuxで使われているシェルの1つ「Bash」がWindows上でネイティブ動作するようになるとのこと。

なお、方法は以下の通りです。

From the Canyon Edge: Ubuntu on Windows -- The Ubuntu Userspace for Windows Developers
http://blog.dustinkirkland.com/2016/03/ubuntu-on-windows.html


・Windows 10をゲットする
・スタートメニューを開く
・「bash」と入力してEnterキーを押す
・cmd.exeが起動してコマンドプロンプトが表示される
・Ubuntuの/bin/bashが動くようになる
・Ubuntuのユーザースペースにフルアクセスできるようになる
・apt, ssh, rsync, find, grep, awk, sed, sort, xargs, md5sum, gpg, curl, wget, apache, mysql, python, perl, ruby, php, gcc, tar, vim, emacs, diff, patchなどなどが動く、という意味
・Ubuntuアーカイブにある何千ものバイナリパッケージがそのままWindows 10で動く

◆03:人工知能を使った自動応答システムとしてのBotの活用
Microsoftは人間の会話を理解し発言に反応する人工知能「Tay」を2016年3月23日にリリースしましたが、Tayは悪意あるユーザーから学び、「クソフェミニストは地獄で焼かれろ」「ヒトラーは正しかった」など問題発言連発で炎上し最終的には活動停止に至りました。サティア・ナデラCEOはTayについて「最良の人間性からテクノロジーを作り出さねばなりません。最悪のものではなく」「私たちはまだ基準に達していないと気づいたため、もう一度最初からやり直すつもりです」とBuildで語りました。


◆04:Bot開発用のフレームワーク「Bot Framework」の発表
Skypeなどのチャットアプリと連携して利用できるBotのフレームワークをMicrosoftは発表。デモではユーザーがドミノピザのチャットアプリに「ピザを届けて」と話しかけるとBotが自然言語を理解し「どの種類のピザがいいですか?」と返す様子が示されました。

Microsoft Bot Frameworkを可能にしているのは「Cortana Intelligence Suite」というランタイム。発表と同時に22のAPIが公開されており、デベロッパーは自由に使うことが可能です。


また、Bot Frameworkとともに、見る・聞く・話す・理解するといった能力をシステムに組み込み、自然な方法で人々のニーズを理解するためのAPI群「Microsoft Cognitive Services」も提供されます。開発したのは7歳の時に視力を失ったというSaqibさんで、以下のムービーからSaqibさんがCognitive Servicesを利用して外の世界を認識している様子が見て取れます。

Microsoft Cognitive Services: Introducing the Seeing AI app - YouTube


◆05:Cortanaはより賢く進化
今夏行われる予定のWindows 10初の大型アップデートで、Cortanaも大きくアップデートされる予定とのこと。前日に作成したPowerPointの資料の内容や前年に訪れたオモチャ屋さんなどを理解し、受信したメールやメッセージの内容からユーザーの予定を示すことなどが可能になるようです。また、サードパーティーアプリとの関わりも深くなり、デベロッパーは自身のアプリでCortanaを利用できるようになるとのこと。

◆06:次世代のSkypeはBotと会話できるようになる
サードパーティーのBotにCortanaが連携することで、Skypeもより便利になります。実際に行われたSkypeのデモでは、自動で返信を行うお菓子屋さんのBotとユーザーのやりとりをCortanaが仲介し、ユーザーにデリバリーの到着時間や現在地を示す地図を表示する様子が公開されました。また、Cortanaに「カレンダーに予約を追加したい」と伝えると、Cortanaは自動的にホテルのBotと連携し、ホテルの場所や宿泊日などをファイリングし、ユーザーが数クリックで予約できるようにしたとのこと。最終的にCortanaは宿泊地と同じエリアに住んでいる友人と連絡を取るよう提案し、Googleのメールアプリ「Inbox」の返信文提示機能「Smart Reply」で自動的にメッセージを作るところまでやってくれたそうです。


◆07:手書き入力機能「Windows Ink」
さらに多くのWindows 10アプリで手書き入力がサポートされるようになる予定で、「Ink Workspace」という新機能もリリースされます。Ink Workspaceではユーザーが手書きで文字を書くとCortanaが内容を認識し、「明日ママに連絡する」といった予定をリマインダーにタスクとして登録してくれるとのこと。また、地図上に2つのポイントをマークすると、2地点間の距離や道筋を教えてくれるなど、マップを始めとするMicrosoftのアプリにWindows Inkが深く統合されていく模様。

◆08:ユニバーサルアプリ
現在、Facebook・Twitter・Instagramなどがユニバーサル Windows プラットフォーム(UWP)アプリとして知られていますが、新たにStarbucks・Uber・VineなどもUWPの仲間入りを果たします。

◆09:Windows 10とXboxの融合
かねてから伝えられてきたWindows 10とXboxの融合が、夏の大型アップデートでついに実施される予定で、ユニバーサルアプリの多くがXboxで利用できるようになります。

ただし、Microsoftは既存のゲームをユニバーサルな形に変換するツールをデベロッパーに対して提供していますが、人気のあったアプリの開発者に愛想を尽かされる事態にも陥っており、今後デベロッパーがどのくらいユニバーサルアプリに対応していくのかが注目されています。


◆10:HoloLensはデベロッパーに対して発送中
HoloLensのデベロッパー・エディションは現地時間の2016年3月30日から発送中とのこと。なお、一般販売については発表されませんでした。

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