バイトや従業員が1人もいない全自動レストランへの流れは「政府が原因」とファストフード店のCEOが主張

By Yelp Inc.

アメリカには店員がほとんどおらず、来店者がiPadで注文して自動の小窓から料理が提供されるファストフード店「Eatsa」が登場しているのですが、あるファストフードチェーン店のCEOはこのような時代の変化を他ならぬ「政府の施策が招いたものだ」と主張しています。

Carl's Jr. wants to open automated location - Business Insider
http://www.businessinsider.com/carls-jr-wants-open-automated-location-2016-3

全米に1000店舗以上のハンバーガーショップ、Carl's Jr.(カールス・ジュニア)と、同じく2000店舗規模で展開するHardee's(ハーディーズ)を運営するの親会社「CKEレストランツ」のCEOを務めるアンドリュー・パズダーCEOはある日、「誰にも顔を合わさないレストラン」として有名になったファストフード店「Eatsa」を訪れてその様子を目の当たりにしました。

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その訪問の中でパズダー氏は、ある問題を抱えるアメリカのファストフード店の今後の在り方を垣間見た模様。「我が社でも導入してみたい」と語るパズダー氏は、「全て自然素材でできた食品を、Eatsaのように端末で注文してクレジットカードで支払い、誰にも顔を合わす必要なく商品を受け取れるような店舗を、我が社が出すこともあり得ます」と語り、従来型の店舗とは異なる「ロボットレストラン」への意欲を語っています。

パズダー氏が無人店舗への関心を寄せている背景には、全米規模で労働者の最低賃金が上昇を続けているという状況が存在しています。アメリカの各州では2015年、時間あたりの最低賃金が15ドル(約1700円)にまで引き上げられるという動きが相次いでいるのですが、これは貧困にあえぐ人々にとっては収入の増加につながるとされる一方で、店舗側にとっては雇用コストが増大するばかりか、人員の雇用そのものが難しくなるという状況が生じているため、社会問題化の様相を見せるに至っています。パズダー氏はこの状況に触れ、「政府が労働コストを上げることで、仕事の数そのものは減少するでしょう。自動化の流れは空港やスーパーマーケットだけにとどまらず、レストランにおいても起こることになるでしょう」と語っています。

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パズダー氏は高騰する最低賃金に反対する立場を明らかにしている人物で、これまでにも「賃金高騰が雇用の減少を招く」というオプエド(反対意見記事)を2度、ウォール・ストリート・ジャーナルに寄稿しています。同氏はこの問題に触れ、「これは大統領候補のバーニー・サンダースやヒラリー・クリントン、そして賃金上昇を強力に進めようとする進歩主義者に関連する問題です。もし、ある人の時給が3ドル上がることで別の人が職を失うとしたら、それは本当に役に立つのでしょうか」と指摘しています。

そしてこのような政策が、カールス・ジュニアをはじめとするファストフード店業界が自動化へとシフトする動きを加速させているとのこと。その相関関係についてパズダー氏は「人間の従業員のコストが高くなると、ロボット従業員のコストが下がります。これは何も『最先端の科学』などの問題ではない、簡単な話です」と語ります。

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とはいえ、人間のかわりにロボットによる自動化を行うことは、そう簡単ではないという現実も存在しているとのこと。自動化に関心を寄せるパズダー氏でさえも、系列のカールス・ジュニアやハーディーズの厨房で行われる微妙な調理作業がロボットに取って代わられる日はまだまだ先だと考えています。しかし一方で、単にパテをグリルしたり、注文を取ったりする作業は人間よりもコンピューターのほうが得意と考えており、「ロボットは常に礼儀正しく、より高い商品を利用者に勧めてくれます。また、休みを取ったり、遅刻することもなく、ケガをする恐れや年齢、性別、または人種差別といった問題を抱えることはありません」と、人間との違いについて語ります。

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さらに興味深いのは、このような自動化店舗を採用するもう一つのメリットです。特に西暦2000年以降に生まれた「ミレニアル」と呼ばれる世代の若者はこのようなテクノロジーの扱いに慣れており、むしろ人との関わりを避ける傾向にあるため、店頭で店員が相手になるよりも誰とも話さずに注文から受け取りが完了する方法を好むとみられています。パズダー氏は「ミレニアル世代は人に会わないことを好みます。事実、従来の対面型のカウンターに加えて、自動型のオーダー機を導入した我が社の店舗を見ていると、若い世代の利用者は対面型には誰も並んでいないにもかかわらず、自動型のオーダー機には列をなしていることがありました」と語っており、今後このようなタイプの店舗が普及する可能性を語っていました。

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