コンコルドより速くてビジネスクラス程度の低価格で超音速を実現する旅客機「Boom」


コンコルドの退役後、音速を超える高速で飛行する民間用旅客機不在の時代が続いており、コンコルドを復活させる計画も登場するなど、超音速旅客機を熱望する声が一部にはあります。そんな中、コンコルドを超える速度でビジネスクラス程度という圧倒的低価格を目指す超音速旅客機「Boom」計画が進行中です。

flying Boom
http://boom.aero/

世界中を飛び回るビジネスパーソンにとって移動にかかる時間は大きな問題で、もし、もっと高速に移動できればビジネスだけでなくプライベートに割ける時間が増えるため、まさに「時は金なり」という状況があります。しかし、ファーストクラスよりも高い料金設定で、数々の環境トラブルを抱えたコンコルドの失敗以来、超高速で飛行できる旅客機はなかなか誕生しづらい環境になっています。

そんな中、「朝、ニューヨークを発って午後にロンドンで会議をして、夜、ニューヨークの家に帰って子どもをベッドで寝かしつける」というようなビジネスパーソンにとって夢のような日常生活を実現するべく、アメリカで超音速旅客機「Boom」の開発が始まっています。


Boomのキーコンセプトは「コンコルドより速く、コンコルドより安く」。一般的な旅客機がマッハ0.85、あのコンコルドがマッハ2.0だったのに対してBoomではマッハ2.2での飛行が予定されています。さらに、一般的な旅客機のビジネスクラス程度という低価格でのフライトが目標にされています。


Boomが実現すれば、ニューヨーク-ロンドン間は3.4時間で移動でき、従来よりも3.6時間も時間を節約でき、価格も5000ドル(約56万円)と低価格。


サンフランシスコ-東京便の場合、フライト時間は4.7時間なので、日帰り出張も可能になりそうです。


Boomは座席数が40席程度の小型機で、こんな形になる予定。


Boomプロジェクトは、Amazonのマーケティングの自動化に取り組みグルーポンにスタートアップKima Labsを売却したBlake Scholl代表を筆頭に、Adam A700の開発チーフエンジニアだったJoe Wilding氏、HelloCarやFeeFightersでCTOを務めたJosh Krall氏、元NASAのKenrick Waithe氏などそうそうたるメンバーによって設立されており、アメリカ・デンバーを開発拠点にしています。


以下のページではBoomのScholl氏(bscholl)が、Boomについていろいろな質問に回答しています。

Boom (YC W16) – Supersonic Passenger Airplanes | Hacker News
https://news.ycombinator.com/item?id=11329286

なぜマッハ2.2なのかについてはScholl氏は、現時点で連邦航空局(FAA)の認可が受けられるのがマッハ2.2までだからと述べており、FAAの規制緩和次第でさらなる高速化を検討中とのこと。また、Boomプロジェクトの出資者や規模については詳細はまだ答えられないとしており、コンコルドが悩まされたソニックブーム(衝撃波による騒音)の問題については、Boom開発機は一般的な旅客機と同程度の静音性を実現するとのこと。また、時期については正確には明言できないものの、近い将来に超音速域での飛行制限が緩和されるという見通しを明らかにしています。

Boomプロジェクトはニューヨーク-ロンドン、サンフランシスコ-上海などのような主要経路でのフライトにまずは焦点を当てて開発が進められ、2017年後半にカリフォルニア州のセンテニアル空港での試験フライトを予定しているとのことです。

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