5億ユーザー&500ペタバイト突破のDropboxがAmazonクラウドから脱却へ


クラウドストレージサービスの「Dropbox」はデータのストレージに自社ではなく、Amazonが提供している「Amazon S3(Amazon Simple Storage Service)」を利用していますが、ついにストレージ・インフラストラクチャを構築し全データの90%を自社で管理することを発表しました。これにより、Dropboxはサービス開始当初から使い続けてきたAmazonのクラウドサービスからの脱却を果たすことになります。

Scaling to exabytes and beyond | | Dropbox Tech Blog
https://blogs.dropbox.com/tech/2016/03/magic-pocket-infrastructure/

Dropboxは2008年のサービス開始から約8年が経過した2016年にユーザー数5億人を達成し、保存データが500ペタバイト(約51万2000テラバイト)を突破しました。500ペタバイトというのは、世界最大の図書館「アメリカ議会図書館」が所蔵する1億点数以上の全テキストデータの1万4000倍という、想像を絶する数字。2012年の保存データは40ペタバイトだったとのことで、その成長速度も目を見張るものがあります。

恐ろしいスピードで成長を遂げるDropboxが保存しているデータは「ファイル」と「ファイルとユーザーのメタデータ」の2種類。これまで、Dropboxはメタデータを自社で管理するデータセンターのウェブサーバーに保存してきましたが、ファイルについてはAmazonが提供するAmazon S3に保存してきました。つまり、ユーザーはデータをDropboxに保存しているのではなく、間接的にですがAmazon S3に保存していたというわけです。

しかしながら、ユーザーや顧客のニーズの増加に伴い、Dropboxは自社にストレージシステムを構築することにしました。その理由は自社サービスの性能を向上させることと、ブロック単位でデータにアクセスするブロックストレージの独自利用にあります。また、自社でストレージインフラストラクチャを構築する方が、Amazon S3を利用するよりもコストを抑えられるという段階にきたとのこと。

Dropboxの自社ストレージシステム構築については以下のムービーから確認可能です。

Game of Clouds: Dropbox Just Declared Independence From Amazon - YouTube


Dropboxのストレージチームを率いるJames Cowling氏によれば、太古の昔から今までに書かれた全ての書物は約50ペタバイトとのこと。その10倍にもなる量のデータがDropboxに保存されています。


Cowling氏の手元にあるのは新しく構築されたストレージボックスで、1つ当たり1ペタバイト以上のデータを保存可能です。


数え切れないほどのハードディスクが搭載されたボックスを全部ラックに入れると、その重さは自動車1台分とのこと。


DropboxがAmazon S3から脱却して自社で管理するのはポジティブなことに思えますが、それには危険も伴います。クラウドサービスを手がけるAmazonやGoogle、Microsoftと比べると、Dropboxの会社規模は小さく、自社でストレージを管理して利益を生み出し続けることができるかどうかはわかりません。


ただし、Dropboxの社員は今回の決定を好意的に捉えておりプレッシャーはないそうです。


Amazonから脱却したDropboxがどのような道をたどるのか、今後数年間の動きに注目が集まります。

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in ソフトウェア,  ネットサービス, Posted by darkhorse_log