テスラが「モデルS P85D」のファームウェアを遠隔ダウングレードしたことが判明

by Greg Gjerdingen

ハッカーのジェイソン・ヒューズ氏が、テスラモータースの電気自動車「モデルS P85D」のファームウェアをテスラモータースに遠隔でダウングレードされたことをTwitterで告白しています。2015年10月に全自動運転に一歩近づく「Autosteer」機能を追加するアップデートが行われたように、テスラは車のファームウェアをアップデートすることができるので、この機能を利用したものとみられます。

Jason Hughes(@wk057)さん | Twitter
https://twitter.com/wk057

Man hacks Tesla firmware, finds new model, has car remotely downgraded | Ars Technica
http://arstechnica.com/cars/2016/03/man-hacks-tesla-firmware-finds-new-model-has-car-remotely-downgraded/


3月4日に、ヒューズさんはテスラが用いているSHA-256のクラックにフォーラムのメンバーが成功したことを報告。これで自分のマシンは85kWhのバッテリーを搭載していることに由来する「P85D」ではなく、「P100D」だとエンブレムを作成してツイートしました。


ヒューズさんはモデルSのハッキングを行い、その様子をYouTubeで公開している人物。

Tesla Model S Hacking - Running the MCU and IC on the Bench - YouTube


自動運転機能のバグも見つけています。

Tesla Autopilot Bug (v7.0, 2.7.56) Odd behavior on new highway - YouTube


さらに、「モデルS P85D」のバッテリーパックは1年以上前に完全分解済みです。

Tesla 85kWh Battery Pack Tear Down (Time Lapse) - YouTube


「事件」が起きたのは、ヒューズさんが「P100D」のツイートをした現地時間3月4日の夜。テスラはヒューズさんのマシンからバージョン2.13.77を削除して、古いファームウェアである2.12.45へとダウングレードさせました。

Tesla's response to me leaking info about the P100D?
http://www.teslamotorsclub.com/showthread.php/63905-Tesla-s-response-to-me-leaking-info-about-the-P100D

幸い、ヒューズさんはバックアップを取っていたので、手元にあった最新のファームウェアを上書きして、元通りにしたとのこと。以下のように、イーロン・マスクCEOとテスラモータースのTwitterアカウント向けに質問を投げかけました。


これに対するマスクCEOの答えは、ダウングレードへの自らの関与を否定した上で「よきハッキングは贈り物だ」という一言でした。


2015年の夏以降だけでもジープ・チェロキーGMコルベット日産・LEAFと、いろいろな自動車で外部からの操作を受け付けてしまう「脆弱性」が見つかっていて、その対応を行うためにもメーカーが各車両のファームウェアを更新可能になっているのは当然のことですが、今後はユーザーとメーカーとの間で車の“主導権”争いが起きたりするのかもしれません。

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