ビル・ゲイツがApple対FBIの戦いでFBI支持を撤回、FBIはさらに別のiPhoneのロック解除も要求

By Kārlis Dambrāns

アメリカ・カリフォルニア州のサンバーナーディーで起きた銃乱射事件の捜査において、FBIは犯人が所有していたiPhoneのロック解除をAppleに要求し、その要請をAppleが拒否し、さらにはAppleが同社の意思を表明する「公開状」を公開する事態にまで発展しました。IT企業とアメリカ政府による「データ暗号化を巡る闘い」の様相を呈してきた同問題ですが、Microsoftの共同創業者のビル・ゲイツ氏がインタビューでFBI支持を示唆したものの、その後のインタビューで支持を撤回しました。また、FBIは別のiPhoneのロック解除をAppleに要請していることが判明しています。

Gates breaks ranks over FBI Apple request - FT.com
http://www.ft.com/cms/s/2/3559f46e-d9c5-11e5-98fd-06d75973fe09.html#axzz412yGYxLp

Gates Disputes Report That He Backs FBI in Apple Case - Bloomberg Business
http://www.bloomberg.com/news/videos/2016-02-23/gates-disputes-report-that-he-backs-fbi-in-apple-dispute

Bill Gates calls for terror data debate - BBC News
http://www.bbc.com/news/technology-35639233

US trying to force Apple to unlock ‘about a dozen’ other iPhones, says WSJ | The Verge
http://www.theverge.com/2016/2/23/11097044/us-forcing-apple-to-unlock-dozen-iphones-says-wsj

イギリスの経済紙Financial Timesがゲイツ氏に行ったインタビューは以下のムービーから確認できます。インタビューではゲイツ氏がFBIの支持を示唆するコメントを残していました。

Bill Gates on Apple and privacy


Financial Timesのインタビューで「Microsoft、Google、Appleの携帯電話にバックドアを設けることを支持しますか?」と聞かれたゲイツ氏は「今回のケースはバックドアに関してではありません。今回は政府が情報へのアクセスを求めている特殊なケースです。FBIは一般的なものを求めてはいるのではなく、特定のケースに関して求めているだけです」と答えました。


「しかし、Appleはバックドアを一度でも作ると、将来に使用される可能性があるとしていますが?」と聞かれたゲイツ氏は「例えば銀行がハードディスクをひもでぐるぐる巻きにしたとしましょう。銀行が『私にこのひもを切らせないでください。あなたは何度でもひもを切らせることになる。なぜならあなたはひどい人間だからだ』と説明する感じです。このケースは『人々は政府が特殊なケースで情報が必要なときに、企業は情報を提供するべきか否か』というとても簡単な質問です」と話しました。

ゲイツ氏はその後に行われたBloombergのインタビューで記事について「失望している」と話しています。

Gates Disputes Report That He Backs FBI in Apple Case


「Financial Timesの記事で不意打ちをくらったのでしょうか?」と聞かれたゲイツ氏は「大変失望しています。なぜなら記事は私の意見を的確に反映したものではないからです。例えばテロを防止するというような、我々の安全を期すための正しい行いには価値があると信じています。ただし、政府が情報を入手し、それを我々が予期しないような方法で使用するというのは話が違うということです。このことについて議論が行われることを私は望んでいます。私は政府が完全に盲目になるべきではない防護策があると信じています」とコメントしました。


また、BBCが行ったインタビューで「Appleが政府の要求を拒否したことは正しいことでしょうか?」と聞かれ、ゲイツ氏は「『国民は政府がテロに関する捜査で可能な限り情報を得て欲しいと思っている』と私は考えています。ただし政府は、国民が安心できる方法で得た情報を扱う必要があります。政府が全ての情報にアクセスできるようにするのか、それとも全ての情報を手に入れられないようにするのか、今は議論が必要です」と話しました。

なお、Wall Street Journalが報じたところによればアメリカ政府はAppleに対して、サンバーナーディーの銃乱射事件とは別の複数の事件に関し、12台のiPhoneのロック解除を要請しようとしているとのこと。この12台のiPhoneに関してもAppleは要請を拒否しています。

・関連記事
OpenSSLにオランダ政府が6400万円を寄付、「バックドア反対」を公式表明 - GIGAZINE

NSAなどが市販セキュリティソフトをリバースエンジニアリングして諜報活動に役立てていたことが判明 - GIGAZINE

Appleが反対するイギリスの暗号化禁止法案の持つ危険性 - GIGAZINE

NSAが実行していたスパイ行為をタイムラインで並べて整理するとこうなる - GIGAZINE

自称「サイバーセキュリティの生ける伝説」いわく「iPhoneの暗号化を無料で破る、Appleはバックドアなど作らなくてよい」 - GIGAZINE

Appleのティム・クックCEOが社員宛にFBIとの暗号解除問題に関するメールを送信&Apple利用者向けのQ&A公開 - GIGAZINE

癒やしと情熱の音楽を奏でるUFOのような楽器「ハングドラム」を誰でも手軽に体験できるスマホ向けアプリ - GIGAZINE

126

in モバイル,  動画,  セキュリティ, Posted by darkhorse_log