インタビュー

「ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE」太川陽介&蛭子能収&三船美佳インタビュー、台湾縦断旅の結末は?


太川陽介さん、蛭子能収さん、マドンナ(女性ゲスト)の3人組が路線バスを乗り継いで目的地を目指す番組が「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」です。

旅には「移動は原則としてローカル路線バスのみを使用(他の交通機関の利用は禁止)」「パソコンやスマートフォンなどインターネットを利用しての情報収集は禁止」「3泊4日でゴールに到達する」というルールがあり、とにかく「目的地への到達」が優先されるので、一般的な旅番組とはひと味もふた味も違う旅が展開され、人気を博しています。

そのシリーズが、今度は「ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE」として映画化され、2月13日(土)から公開されることになりました。しかも、舞台は台湾。これまで以上に大変な旅だったことは容易に想像がつきますが、一体どんな旅が繰り広げられたのか、太川さん、蛭子さん、そして本作のマドンナ・三船美佳さんにお話を聞いてきました。


ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE
http://www.rosenbus-movie.com/

Q:
「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」では国内のいろいろなところを旅されていますが、今回は台湾が舞台でした。最初に「台湾です」と言われたときの印象を教えてください。

太川陽介(以下、太川):
「来たか!」という感じでした。日本国内で繋がらなくなったら台湾に行くんじゃないかな?と、ちょっと考えていたんです。違う番組で台湾ロケをしたとき、台北で「バスは充実しているな」とチェックしておきました(笑) さすがに乗ることはできませんでしたが、まさか、映画で行くとは思わなかったなー……。

蛭子能収(以下、蛭子):
旅番組で行くのは初めてですが、遊びでは行ったことがあったので、日本語がわりと通じるということと、バスがたくさん走っているということは知っていました。みんなで泳ぎに行ったときには僕が最終バスのスケジュール管理をしていたんです。もしバスに乗り遅れたらタクシーで大金を取られてしまうと焦っていたら、バス停へ向かう坂の途中で後からスクールバスが来たので、慌てて止めてバス停まで乗せてくれるように頼みこみ、快く乗せてもらいました。そのスクールバスのおかげで、最終バスに間に合った……という、ちょっとした冒険がありました。

三船美佳(以下、三船):
それもあって、台北から鵝鑾鼻(がらんび:台湾最南端の岬)まで、台湾の東西どちら側を通るかで、蛭子さんは以前に使った東側のルートを考えられていたんですね。

蛭子:
バスがあることはわかっていましたから。

太川:
僕の頭には最初から東側はなくて、西側を行こうと考えていたんです。

旅の冒頭、台湾の地図を広げてルートを考える太川さん&蛭子さん。


蛭子:
俺も、その判断は尊重しようと思ったので、東側のバスの話は何か起きたときにしようと思っていました。

太川:
でも、今日こうして取材があったので細かく聞いてみたら、そのバスに乗ったというのは40年前のことなんですよ!(笑)

Q:
蛭子さんは映画化の話をどう受け止められましたか?

蛭子:
僕は、ドラマから映画になったようなものは見るけれど、ドキュメンタリーみたいな作品は退屈してしまうから、あまり見ないんです。映画は娯楽だと思っているから。だから、最初は「大丈夫かな?お客さん、見に来るかな?」って思いました。でも、自分でこの映画を見てみたら結構面白かったので、きっと大丈夫でしょう(笑)

Q:
こうして旅をしてみて、これまでと台湾の印象は変わりましたか?

太川:
僕はその別の番組のロケで台北近辺に1度行っただけなんですが、今回は観光客が行かないような所に行くわけです。すると、台湾の人たちしか行かないようなところ中心になるので、生活にも密着できたし、貴重な経験ができましたね。まぁ、この番組では観光はほとんどできませんから(笑) 観光する時間があったらバスに乗って前に進まなきゃいけない(笑)

三船:
私は台湾は初めてで、ずっと「行きたいところランキング」の1位だったんです。ずっと「小籠包が食べたい」「タピオカが食べたい」といろいろ夢見ていたのに、結局、1つも夢は果たせませんでした……。テレビシリーズでは確かに過酷な旅をされていますけれど、今回は映画だからいろいろ楽しもうと、名所だとか、グルメだとか、用意してくれているのかな?と思っていたんです。ところが、こうして旅を終えてみて、知り合いに『美佳ちゃん、台湾どうだった?』って聞かれると『……あれ?私、台湾へ行ったんだっけ?』と思うぐらいの旅だったんです!(笑) 私が知っている観光地としての台湾はまったく出てきませんでした。でも、太川さんの仰ったように、地元密着の台湾の姿が見られたので、みなさんもガイドブックは捨てて、ざっくりとした地図だけを持って行ってみて欲しいなと思いました。こうして、トラブルやパニックがあったときこそ、深く思い出に残るのかもしれませんね。


太川:
そういえば、ラーメン屋さんで「お店からのサービス」ってラーメンに目玉焼きが載っていたのには驚きました。

三船:
私は台湾にハマりすぎて、帰って来てから八角を買ってしまいました。台湾では多くの料理で八角が使われていたので、懐かしくなってしまって……。エビマヨにチョコレートスプレッドが乗っていたのも、そのときは「えっ!?」と思ったけれど、思い返すと懐かしいです。

太川:
僕と蛭子さんは八角がダメなので(苦笑)

Q:
蛭子さんは、普段の旅ではトンカツなどをよく注文されていますが、今回はどうでしたか?

蛭子:
今回はそういうものが全然なくて……でも、おいしかったですよ。現地で食べるとちょっと盛って「おいしい」って言っちゃいますよね。味はそれほどじゃなくても、旅の楽しさを盛り上げるために。

三船:
おいしかったですよ!(笑)

太川:
気を遣ってくれたんだ?(笑)

蛭子:
気を遣うというか、自分の楽しさのためにも言います。

三船:
結構素直に、おいしい時ははっきりと、そうじゃないときはあまり言わないようにしていたと思いましたよ。でも、本当に料理はおいしかったですから!(笑)

こうしてお肉を食べるチャンスもありました。


蛭子さんもアイスを堪能。


Q:
今回の旅で印象に残っている思い出はありますか?

蛭子:
僕は最終日ですね。【以下、映画の結末に関わるネタバレ】

太川:
それは映画の結末に関わることだから、こうやって取材してもらっても書けないことだよ(笑)

蛭子:
書けない?でも、間違ったことは言っていないと思うんだけれど。

太川:
えらい!そうだよね、聞かれたから答えただけで、書くか書かないかは自由だから、蛭子さんは合ってる。

蛭子:
あとは【軽くネタバレ】の街も、すごくきれいな街で、みんなで食べたごはんもすごくおいしかったですね。

太川:
それは撮影が終わってからのこと(笑)

蛭子:
台湾に行くなら、もう一度行きたいなと思います。あの街は本当に忘れられないです。

太川:
僕の印象に残っているのは……台風以外だと何だろう?予告編の最後にも出てきますが、蛭子さんが飛んでいって、すごい着地をした瞬間でしょうか。あのときは「あっ、映画、終わった。これはボツだ」と思いましたから。でも、無事だったから良かった。

三船:
あのときはスーパーヒーローみたいでした。

蛭子:
スローモーションで撮って欲しかったね。

太川:
予期してないから撮れないよ(笑)

三船:
見ている側からはスローモーションみたいに見えました(笑)

太川:
旅は全体的に、すべてが大変でした。まずは言葉が通じないから、聞きたい情報を聞き出せないんです。通訳の方に入ってもらっても、細かいニュアンスまでは伝えきれないことがあって、どうすればいいんだと思うことはありました。それに、向こうが地名を言ってくれても、こちらは日本語読みしか分からなくて、何を言っているのかわからないということもありました。バス停も「向こうにあるよ」と教えてもらって行ってみたら高速バス乗り場だったりして、勝手が分からなかったり……。

バスの行き先表記はもちろん現地語表記なので、現地の発音で教えてもらっても読めないので合っているかどうかがわからない、ということに。


三船:
本当に大変でしたね、台風の中でアクシデントもたくさんあって。私は、風に吹かれた看板が頭に当たったんですけれど、バラエティ番組だと「痛ーい!看板が当たった!」と大きなリアクションをすべきなのかもしれないけれど、宿探しで必死だったので、素で「いてっ」というリアクションをするだけでした(笑)

旅の期間中にちょうど台風が直撃したため、思いもよらない苦労をすることに。


太川:
えっ、当たっていたの!?

三船:
そうなんです。そうだ、ぜひここで1つフォローをさせてください。映画の中で、私がバスの運転手さんに「運ちゃん」って呼びかけるシーンが出てきますが、説明のナレーションも字幕もなかったので、まるで私がラフに呼びかけているみたいになっていますけれど(笑)、台湾で運転手さんのことは「運ちゃん(運将)」というんです。そういう、日本とのつながりを感じる場面はいくつもありました。

太川:
映画にもなった、甲子園に出場した学校にも行きました。バスも、日本で走っていた車両が今は台湾で走っていたりします。日本は左側通行だけれど、台湾は右側通行なので、日本時代に使っていたドアはつぶしてしまうのですが、その上にかけられていた日本語の案内板はそのまま残されていたり。そういえば、台湾のバスにはいろいろな禁止事項があるんですが、飲酒禁止などと並んで、「鳥持込禁止」があるんですよ。あれはなんだったんだろう?(笑)

三船:
本当、不思議でしたね。

Q:
今回、言葉が通じなくて大変だったと思いますが、蛭子さんは言葉が通じなくて大変な思いはしなかったですか?

太川:
むしろ、向こうの人たちに蛭子さんの言っている言葉の中身が伝わらなくてよかった、というものもあるかもしれない(笑)

三船:
「汚いビル」とか、いろいろとありました(笑)

蛭子:
いやいや、みんなが思っていることを言っただけで、きっとみんな思っていますよ。

三船:
みんな蛭子さんのことは知っていましたね。「あ!日本の、笑われる人でしょう?」って。

太川:
そうそう、台湾の人に知られていた。

三船:
太川さんも「あなたも!」と言われて(笑)

太川:
「僕は違いますよ」ってね(笑) 蛭子さんは、本屋さんに日本のマンガもあると聞いて、自分の本を探しに行ったんだけれどなかったんです。カメラさんもついていったんだけれど。

Q:
これまでのシリーズでも「魔の三日」と言われてきた三日目に、今回も大きな災いがありましたが……

太川:
あのときは「ダメかもしれないなぁ、映画なのにどうしよう……」ということが、ずっと頭の中にありました。中途半端な終わり方になってしまうんじゃないかと心配で。

Q:
蛭子さんは「希望は捨てない」とおっしゃっていました。

蛭子:
「希望は捨てない」……そんなこと、言っていましたっけ?(笑)

(一同笑)

蛭子:
本心では、もう無理かなと思っていました。一度運休だと決まったら、台湾の人たちはもうバスを動かしてくれなくて、なんて堅い人たちだと……。

太川:
あれはバス会社の人ではなくて、市や県で決めているみたい。

蛭子:
そうか、そちらが決めているんだ。……それで、いいんでしょうかね?

太川:
質問を投げかけるんだ。

(一同笑)

太川:
でも、台湾の方はすごく優しかったですよ。親切に「教えてあげる!」という人がたくさんいて、1人に質問したら10人ぐらいから答えが返ってきました。ただ、言っていることはバラバラだったりするんですけれど(笑)


Q:
三船さんはこういう機会があったらもう一度行きたいと思いますか?

三船:
思います。ちょっとだけ目が泳ぎましたが(笑)、行きたいです。太川さんと蛭子さんのコンビだからこそできている企画で、だからこそ忘れられない旅になりましたし。

太川:
今、国内の旅は過酷だよ、とにかく歩くよ~。こんなはずじゃなかったと、きっと思う。

Q:
もし映画の第2弾があったら、行ってみたいところはありますか?

太川:
知り合いがこのあいだブラジルに行ってきて「バス路線が結構ありましたよ」って教えてくれました。「イヤだよ!」と答えましたけれど(笑)

三船:
もしやるなら言って下さい、映画館に見に行きます!

太川:
どうせやるんだったら、ヨーロッパがいいなと思います。

蛭子:
いやー、でも今はテロとかがあるから、ちょっと怖いですよ。東南アジア、シンガポールとか、いいんじゃないですか?

太川:
タイなんてどう?

蛭子:
タイも、このあいだテロがあったからね……。

三船:
カジノがあったほうがいい?

蛭子:
シンガポールにはちょっとあるんですよ。

太川:
この間、蛭子さん「オーストラリアはいい」って言っていなかったっけ?

蛭子:
オーストラリア、いいと思いますよ。バス路線はあるのかな?真ん中は砂漠だから、海沿いだけになっちゃうけれど、面白いのかな……?

三船:
こんな感じが、3泊4日続きます(笑)

(一同笑)

Q:
本日は楽しいお話をありがとうございました。

なお、1月20日には完成披露試写会が行われ、高い倍率をくぐり抜けたファンに向けて、一足先に映画が披露されました。


試写会の舞台挨拶でも、まだ映画を見ていないお客さんに向けて蛭子さんがネタバレになりそうなことを言うのではないかと、太川さんがいつでも蛭子さんを止められる姿勢で待ち構え、三船さんと主題歌を担当した由紀さおりさんが見守るという場面が見られました。


なんだかんだでナイスコンビの2人は、蛭子さんが旅のムードメーカーであることから、「もし蛭子さんが死んだら番組をやめる」と太川さんが衝撃発言をする場面も。この「死んだら」には蛭子さんが軽く抗議を行い、太川さんは「もし蛭子さんが僕のことを分からなくなったら、一緒にやめよう」と言い直しましたが、こちらは「それは可能性があるからね」と笑いつつも認めた蛭子さん。


映画でも、このノリは健在なので、ぜひ楽しみにして下さい。「ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE」は2月13日から全国ロードショー。主題歌は由紀さおりさんが歌っています。


・作品情報
太川陽介、蛭子能収、三船美佳
ナレーター:キートン山田
主題歌:「人生という旅」由紀さおり(ユニバーサル ミュージック)
構成:釜澤安季子
音楽監督:遠藤浩二
演出:鹿島健城
プロデューサー:越山進、能登屋重男、五箇公貴
制作:テレビ東京
制作協力:PROTX ゼロス
技術協力:コスモ・スペース
配給:アスミック・エース
©2015「ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE」製作委員会

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in インタビュー,   映画, Posted by logc_nt

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