光学3倍ズームを詰め込んだASUS「ZenFone Zoom」の実力を競合機種やデジイチと比較してみたレビュー


光学式のズーム機構を本体内に横向きに内蔵し、デジタルズームでは成し得ない高いズーム画質を可能にしたASUS ZenFoneシリーズの最新作が「ZenFone Zoom」です。今回は同シリーズのハイエンドモデルを借りることができたので、気になる画質を中心に対抗機を交えてレビューしてみました。

ZenFone Zoom (ZX551ML) | Phone | ASUS 日本
https://www.asus.com/jp/Phone/ZenFone-Zoom-ZX551ML/

「ZenFone Zoom」はメインカメラに光学3倍ズームや光学手ブレ補正機能を搭載し、カメラ機能を強化したSIMフリースマートフォンです。プロセッサやストレージ容量で全8モデルがラインナップされており、上位モデルのプロセッサにはクアッドコアで2.5GHz動作のインテルAtomプロセッサー「Z3590」を、下位モデルには2.33GHz動作のインテルAtomプロセッサー「Z3580」を搭載し、メインメモリは8モデル共通で4GBを搭載しています。


◆本体フォトレビュー
ASUSから届いた箱は、中にスマートフォンだけが入っているとは思えないほど大きなものでした。オモテ面には「See The World Up Close(世界に近寄って見てみよう)」という文字が箔押しで書かれています。


スライド式の中身を取り出すと、ユーザーに宛てたメッセージの書かれた紙が入れられていました。


紙を取り出すと、その中には小箱と一緒に、なんとZenFoneシリーズの公式キャラクター「禅太郎」のマスコットが入っていました。また、その横にある「Zencredibleカード」は、カメラを使って遊ぶためのカードが入っている模様。


Zencredibleカードの箱の中には、白いカードと黒いカードが入っていました。


黒いカードには指令が、そして白いカードには文中にランダムにあてはめるための用語が書かれており、それぞれ1枚ずつを組み合わせて指令を作成して写真を撮るという遊びが楽しめます。この指令に従って撮影した画像は、ハッシュタグ「#zencredible」をつけてアップロードすればOKというわけです。


ZenFone Zoom本体に目を戻します。端末が入った箱には、こちらも箔押しで「Zenfone Zoom」と書かれており、良さげな雰囲気が感じられます。


フタを開けるとZenFone Zoomと付属品がお目見え。端末の向こう側に見えるのは、イマドキのスマートフォンには珍しいストラップです。


中身を広げるとこんな感じ。ストラップ、ZenFone Zoom本体、取り扱い説明書と、イヤホン、USBケーブル、充電器などが同梱されています。


5.5インチディスプレイを搭載するZenFone Zoomのサイズは158.9×78.84mmという大きめなもの。片手で持って使うのは成人男性でもやっとといったところ。


背面はこんな感じ。このモデルは本革製のパネルを装着する最上級モデル(ZX551ML-WH128S4)です。シボの入った本革カバーもさることながら、最も目立つのは大きな丸形のカメラ部分。


光学ズーム機構を横向けに内蔵するカメラ部。レンズの横にはデュアルカラーLEDフラッシュと、レーザーフォーカス用のセンサーがレイアウトされています。


ASUSのロゴが入った本革カバーは、サラッとした手触りとシボの感触が使いやすそうなもの。使い込むことで、どのような具合に変化するのかが気になるところです。


カメラの横には「Intel inside」のロゴがさりげなく。


本体右側にはコントロール端子がまとめて配置されています。


ホームボタンに近い方には、カメラ起動/シャッターボタンと、録画スタート/ストップボタン。シャッターボタンは待ち受け状態で長押しすることで、カメラを直接起動できるという便利な機能を備えているほか、半押しすることでシャッターキープができるなど、デジカメと同じ使い方が可能。表面には滑り止めの溝加工が施されています。


同じ側面の反対側には、音量コントロールとズームイン/アウトを兼ねたボタンと電源ボタンがあります。


本体上部にはマイクとイヤホン用端子。


左側の側面には何もありません。


本体下部には、マイクとMicro-USB端子を装備。


その横にはすっかり見なくなったストラップ用ホールが設けられており、ストラップ愛用派にはうれしいところです。カメラとして考えた場合、撮影中にすっぽ抜けて落ちないようにするため、こういうストラップをつける部分があるコンデジが多かったので、そういうノリで使うことも可能なはず。


横から見ると、カメラ部分が大きく盛り上がっていることがわかります。厚みは最薄部で5mm~最厚部で11.95mmとなっています。


iPhone 6s Plusと並べてみるとこんな感じ。サイド部分はほぼ同じ厚みですが、とにかくカメラ部分が盛り上がっていることがわかります。この部分には光学式のズーム機構が内蔵されています。


背面のフタは取りはずし可能で、中にはmicroSIMカードスロットとmicroSDカードスロットがあり、バッテリーは取りはずし不可となっています。


本革カバーを装備するプレミアムモデルは、ホワイトとブラックの2カラーがラインナップされています。


◆まずは撮影してきた
まずはやっぱりカメラ性能、ということでさっそくZenFone Zoomを持って町角の風景を撮影してきました。比較したのは、12メガピクセルカメラを搭載するiPhone 6s Plusと、一部の写真ではPanasonicのデジタルカメラ「GH4+14-140レンズ」などを使っています。なお、撮影時には各デバイスのデフォルト状態(Pモード)で撮影しています。ZenFone Zoomは画像アスペクト比は16:9となっていますが、実際には4:3で撮影することも可能な点は注意してください。

【街並みと観覧車】
大阪駅からみえる巨大な観覧車を入れて撮影してみたアングル。撮影した時刻は夕方前だったので、いずれも建物の陰影がハッキリめに写っています。

・ZenFone Zoom
ややコントラストが効いた様子に仕上がったZenFone Zoomの写真。青空が鮮やかめに再現されていますが、実際よりもやや強調されている感はあり。


・iPhone 6s Plus
ZenFone Zoomに比べると、淡い感じに仕上がったiPhone 6s Plusの画。見方を変えれば「ナチュラル」ということもできますが、事実、見た目の印象にはこちらの方が近いと感じました。なお、HDR機能はオフになっています。


【観覧車のアップ】
同じ観覧車を中心に、それぞれズームいっぱいできるところまで拡大してみました。

・ZenFone Zoom
さすが光学3倍ズームだけあって、シャープさを保ったままズームすることに成功しています。デジタルズームのような画像の荒れはほとんど見られず、観覧車のアーム類の重なり具合もよく確認することができます。一方、やや青空部分などにノイズがチラホラと見えるのと、次のiPhone 6s Plusに比べると拡大率が低いのがマイナスといえばマイナス。しかし、その気になればここからさらにデジタルズームが可能なので、ズーム性能でいえばやはりZenFone Zoomの勝利といったところ。


・iPhone 6s Plus
一方のiPhone 6s Plusは、デジタル画像をソフトウェア的に拡大するしかないので、ZenFone Zoomと比べるのはそもそも酷というもの。どうしても観覧車のシルエットがソフトになって(=ボヤけて)しまうのは致し方がないところ。一方で、青空のベタ部分にノイズがほとんど目立たないのは美点と言えそう。


【大阪駅の大屋根】
逆光気味に大きな構造物を撮影してみました。トラス構造の大屋根の再現度と、陰影の付き方がポイント。

・ZenFone Zoom
観覧車の写真と同じく、明るいところは明るく、暗いところは暗く再現されているZenFone Zoomの写真。以下のiPhone 6s Plusの写真とは対照的な画になっていますが、これは個人で好き嫌いが分かれる部分かも。iPhoneに比べると、粒子感・ざらつきが目につくのはウィークポイントかも。


・iPhone 6s Plus
iPhone 6s Plusの画像は、暗いところでも暗くなりすぎずに、しっかりと表情が再現されている印象。画像全体が明るめに撮影されている感もあるので一概には言えませんが、ZenFone Zoomに比べると全体的に明るめに仕上がるのがiPhone 6s Plusの特性と感じられます。手すりや窓枠など建物のディティール部分のツブれが少なく、しっかりとしているところが好印象。


【大阪駅の大屋根をアップ】
・ZenFone Zoom
ZenFone Zoomの魅力は、なんといってもこのこのズーム機能に集約されるといっても過言ではなさそう。一般的なスマートフォンのカメラでは到底成し得ないクリアさを持つズーム機能は、原理的にもどう頑張ってもひっくり返せない差が存在しています。デジタルカメラ・コンパクトデジカメに比べると劣る点は見受けられますが、なによりスマートフォンのサイズに光学3倍ズームを詰め込んだというだけで十分な魅力を感じても全くおかしくないレベル。


・iPhone 6s Plus
ズーム機能に関しては、iPhone 6s Plusの出る幕はナシといったところですが、これは仕方がありません。


【広場のオブジェ】
今度は、対象物を決めて比較してみます。広場に置かれた2体の雪だるまが今回の主役。ここからは、デジタルレフカメラ(デジイチ)のGH4とも比較してみます。

・ZenFone Zoom
1倍ズームで撮影するとこんな感じ。


・iPhone 6s Plus
iPhone 6s Plusでもこんな感じ。画角は両者ともほぼ同じといったところ。しかしやはり、屋根の陰影具合は自然な印象。


・GH4+14-140レンズ
情報量が多く、あらゆるディティールがさらによく見えるGH4の写真。やや明るめに撮影した画像ではありますが、ここまで「けっこうキレイ」と思っていたスマートフォン2台の全体の画像も、やはり本格的なデジイチにはかなわないことを実感せざるを得ない結果となっています。


【広場のオブジェのアップ】
雪だるまにズームインしてみます。

・ZenFone Zoom
クリアさを保ったままズームインしている様子はさすがといったところ。それにしても、やはり色がハッキリと出る様子に少し演出を感じる様子からは、撮影後の補正の存在を感じざるをえないところ。色彩の補正に加えてシャープがかかっているのか、画像のエッジ部分の強さがやや不自然に感じることもなきにしもあらず。


・iPhone 6s Plus
iPhone 6s Plusは「まぁ仕方ないよね」といったところ。


・GH4+14-140レンズ
デジイチの再現度はさすが。そもそもスマートフォンと比べるほうが無理がありますが、今回は一種のベンチマークとして登場させています。


【建物の植木のアップ】
ビルの屋上にある空中庭園の植木をフルズームで撮影してみました。

・ZenFone Zoom
エッジ感のある画作りのおかげか、木の枝の広がる様子がそれなりに感じられます。建物のガラスの質感も透明感があって好印象。ただ、やはり若干のノイズが気になってしまいます。


・iPhone 6s Plus
iPhone 6s Plusはよく頑張りました。


・GH4+14-140レンズ
GH4だとこんな感じ。プロでも使う機材と比べるのは気の毒ですが、上には上がいるということを示す一例と思って比べてもらえれば。


【飛行機からの風景】
飛行機の窓から風景を撮影してみました。

・ZenFone Zoom
主翼の向こうに富士山が見える瞬間をパシャリ。青が濃く、全体的に濃淡がハッキリでる画作りはZenFone Zoomの個性といって間違いなさそう。シャープを効かせているためか、主翼の日の丸の赤色が灰色の部分になんとなくにじみ出ているような印象を受ける人もいるかも。これは、次のiPhoneの写真と比べるとよくわかります。


・iPhone 6
こちらの写真は、iPhone 6で撮影したもの。Appleはこういう画作りなのか、ナチュラル寄りであまり手の加えられていない様子が好印象。主翼上面の表情が、ZenFone Zoomとは全く異なることがわかります。


・GM5K+12-24レンズ
iPhoneの画に近い印象が感じられるのがコンパクトデジイチ「GM5K」の写真。全体的に淡いながらも濃淡が忠実に再現されていますが、パッと見た目の「わかりやすさ」はスマートフォンカメラに軍配が上がります。


・ZenFone Zoom
富士山をズーム。山頂付近の凹凸が伝わってくるあたりは、さすがの光学ズーム。しかしやはりノイズが目立ってしまうのも共通の特徴。全体的にシャープがかかっている感じも人によっては気になるかも。


・iPhone 6
デジタルズームのiPhone 6、もうあまり何も言うことはありません……。


・GM5K+12-24レンズ
ZenFone Zoomほど富士山に寄ることができませんでしたが、青空から雲への色の変化における段つき感のなさや、ノイズ感のなさを中心に比べてみてください。


◆街並みのアップ
・ZenFone Zoom
眼下の街並みをズーム。これは確か青森市を上空から撮影した様子ですが、細かい道路までピシッと写っている様子は好印象。これだけでZenFone Zoomを選んだとしても、不思議には感じられません。


・iPhone 6
デジタルズームのiPhone 6。結果は言わずもがな。とはいえ、iPhone系の画像は、全体的に高い「リアル感」を感じる傾向にあることがよくわかりました。


◆コントロールパネル、カメラUI、その他いろいろ
カメラ操作中のUIは、直感的に使うことができました。画面左下の歯車アイコンをタップすると、撮影中の画像にメニューがオーバーレイするUIになっています。ホワイトバランスや明るさなど、画質を変更した際にもすぐに表示に反映されるので、メニューと実際の画面をいったり来たりするような煩わしさは一切ありません。


画面右側のマニュアル/オート切り替えアイコンをタップすると、ホワイトバランスやISOなどを変更することが可能。この場合も、カメラの画像は表示されたままなので、設定に非常に便利でした。


画面右下には、撮影モード切替アイコンがあり、タップすると以下のように数多くのモードを選ぶことが可能。中でも、右下にある「スマートリムーブ」はなかなか面白いモードになっていました。


スマートリムーブは、シャッターを押すと写真が自動的に5枚撮影され、その中で動いていたオブジェクトを消してしまうことができるというもの。撮影が完了すると、画面にはこのように白い枠が表示されるのですが、実はここには……


以下のように、歩く人が写っていたのですが、画像を合成することでなんと消し去ることができるというもの。実際には消えずに残ってしまうものもありましたが、なかなか面白い使い方ができそうなモードでした。


半透明でオーバーレイするカメラUIの様子や、操作よりも少し遅れて動くという光学ズームならではの様子は、以下のムービーで確認することができます。

ASUS ZenFone ZoomのカメラUIの動きと光学ズームの様子はこんな感じ - YouTube


あと、ASUS独自の機能で便利だったのが「片手モード」と呼ばれるもの。以下のようにスマートフォンの画面が左下にグッと小さく縮小されるので、無理に親指を伸ばさなくても片手で簡単に操作ができるというもの。縮尺は自由に変えることができるので、手の小さい人でもなんなく使うことができそう。


少し気になったのが、カメラ撮影時の発熱でした。ムービーを撮影中の温度を計測すると、最も熱い場所で約42度にまで上昇しており、思わず「熱っ!」とビックリしてしまうレベル。どうやらレンズ周辺は放熱を考えた金属製のヒートシンクの役割を兼ねているようです。


◆まとめ
このように、光学3倍ズームを搭載するZenFone Zoomは、やはり他の機種にない特有の魅力を備えているといえそう。SIMフリー機でありつつ、高いカメラ性能を持つこのモデルは、端末価格こそ安くはないものの、日々の通信量を抑えながら高いマシンスペックとカメラ性能をフルに活用したい人にとってはうってつけの機種と言えそうです。

ZenFone Zoomの記事執筆時点での価格.comにおける最安値は、CPUにインテル Atomクアッドコアプロセッサー Z3590を搭載してストレージ容量128GB・プレミアムレザーのハイエンドモデルが税込7万4293円、CPUがインテルAtomクアッドコアプロセッサー Z3580にグレードダウンし、ストレージ容量も64GBになるプレミアムレザーモデルが税込6万4573円で販売中。さらに、2月13日(土)からは背面カバーがプラスチックになるスタンダードカバーモデルが32GBで税込5万3779円、64GBが税込6万259円で発売予定です。

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