コンピューターが資産運用のアドバイスをする「ロボットアドバイザー」が富裕層向けにすでに実戦投入されている


1秒にも満たない時間に何千回もの超高速株取引を行い利益をかすめとるコンピューターなどが知られているとおり、投資において高性能なコンピューターは不可欠の存在になっています。そして、高性能なコンピューターは、すでに投資アドバイザーとして富裕層に向けて投資判断を指南し始めており、急速に普及している実態が明らかになっています。

The Rich Are Already Using Robo-Advisers, and That Scares Banks - Bloomberg Business
(音声自動再生)http://www.bloomberg.com/news/articles/2016-02-05/the-rich-are-already-using-robo-advisers-and-that-scares-banks

コンサルティング会社アクセンチュアでマネージャーを務めるケンドラ・トンプソン氏は、Bloomberg Businessに対して、すでにコンピューターが資産家に投資判断をアドバイスするサービスが始まっており、Charles Schwab Corpでは、資産運用助言業務全体の15%をコンピューターが「ロボットアドバイザー」として業務を行っており、少なくとも100万ドル(約1億2000万円)の売上げを上げていることを明らかにしています。

Bloomberg Businessによるとロボットアドバイザーは主に富裕層向けにサービスが始まっているとのこと。Aite Groupはロボットアドバイザーの資産運用額が年々、大幅に増えている状況をグラフにまとめており、これによると運用するお金は2015年には500億ドル(約6兆円)にまで拡大していることが明らかになっています。


トンプソン氏によると、モルガン・スタンレー、バンクオブアメリカ、ウェルズ・ファーゴなどの金融会社は、顧客からの株取引に対する手数料の引き下げ圧力にさらされ続けているとのこと。そこで証券会社や銀行がコスト削減のために、株式投資について投資家に助言するアドバイザーの負担軽減を目的に、コンピューターの性能を高めてきた結果、人工知能を活用したツールも登場し、ついには顧客がセルフサービスで投資についての情報を入手できるシステムが登場。その延長上に、人間ではなくコンピューターが投資判断をしてくれるロボットアドバイザーが誕生したというわけです。

Bloomberg Businessによると、運用資産額の1%の手数料を取る「人間の」投資アドバイスサービスに比べると、ロボットアドバイザーの手数料ははるかに安いとのこと。コンサルティング会社ATカーニーは、ロボットアドバイザーが運用する資産額は2020年までに2兆2000億円(約260兆円)に急増すると試算しています。

モルガン・スタンレーは証券販売業務を補強するためにロボットアドバイザーの開発を急ぐ方針を明らかにしてますが、人工知能を中心とするコンピューターの進化のスピードを考えれば、人間以上の利回りをコンピューターが実現するのに時間はかからないとも考えられるので、コンピューターが投資判断業務を行い、人間のアドバイザーはコンピューターのサポートに徹するようになるという未来が来ても不思議ではなさそうです。

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