地球の大陸移動がいつ始まったかはダイヤモンドが知っている

By Steven Depolo

地球表面の地殻が柔らかい層のマントルの上に載って動いているとする「プレートテクトニクス」は、各大陸の成り立ちや地震発生のメカニズムを説明する理論として、広く受け入れられています。しかし、プレートテクトニクスがいつ始まったのかについてはよく分かっておらず、議論のあるところでした。そんな中、「ダイヤモンド」を使ってプレートテクトニクスの起源を推測する研究成果が発表されて注目されています。

Early Archaean tectonics and mantle redox recorded in Witwatersrand diamonds : Nature Geoscience : Nature Publishing Group
http://www.nature.com/ngeo/journal/vaop/ncurrent/full/ngeo2628.html

Diamonds used to “probe” ancient Earth - Wits University
https://www.wits.ac.za/news/latest-news/research-news/2016/2016-01/diamonds-used-to-probe-ancient-earth.html

かつて地球に一つの超大陸「パンゲア」があり、それが分裂して現在の大陸になったとする「大陸移動説」は、アルフレッド・ウェゲナーが提唱した当時は大陸が移動する原動力が何であるかをうまく説明できず、まったく支持されませんでした。しかし、20世紀後半に、地球内部は異なる層状の構造をとっており、比較的柔らかいマントルの上を硬くて薄い地殻が滑るように動いているというプレートテクトニクス理論が考案されて以降は、大陸の成り立ちだけでなく地震のメカニズムを説明できるものとして、広く受け入れられるようになりました。その後、人工衛星によって正確に測地観測できるようになると大陸が動いていることが確認され、大陸移動説とプレートテクトニクスは地球のメカニズムを説明する理論として今では一般的なものになっています。


プレートテクトニクスの存在自体は受け入れられましたが、それがいつ始まったのかについては、始生代(40億年前から25億年前)のどこかであるとする説が主流でしたが、はっきりとは分かっていませんでした。そんな中、南アフリカのウィットウォーターズランド大学のケイティ・スマート博士を中心とする研究グループは、「少なくとも35億年以前」と推測する論文をNature Geoscienceで発表しています。

スマート博士は物理的・化学的に安定した物質として知られるダイヤモンドに着目しました。ダイヤモンドは安定して存在するため、地中で起きた出来事を記録しているいわば"タイムカプセル"として機能することが知られているからで、このようなダイヤモンドを使って過去の地中の様子を推察する研究は珍しくないそうです。

研究グループは、南アフリカのカープバールクラトンから採掘された、世界でも最も古いとされるダイヤモンドの標本3つをヨハネスブルクのアフリカ博物館から借りました。そして、放射性年代測定することでダイヤモンドを含む岩石(母岩)が35億年前から31億年前に誕生したことが分かりました。

この後、スマート博士はダイヤモンド内部の成分のうち、窒素15/窒素14、炭素13/炭素12の同位体構成比を調べることで、ダイヤモンドが結晶化したマントル内部ではなく、地表付近の地殻で窒素15同位体がドープ(添加)された事を突き止めました。つまり、これはダイヤモンドがプレートテクトニクスの動きによって地中に引きずり込まれたことを意味しているというわけで、「早ければ35億年前にはプレートテクトニクスが始まっていた」とプレートテクトニクスの起源について結論づけています。

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