ついにコンピューターが囲碁でプロ棋士に勝利、倒したのはGoogleの人工知能技術


チェス、将棋とプロのプレイヤーを打ち破るコンピューター・ソフトウェアが登場してきましたが、最後の砦として残っていた「囲碁」の世界で、プロの棋士を打ち破る日が訪れました。プロ棋士を打ち破った人工知能ソフト「AlphaGo」を開発したのはGoogle Researchで、ディープラーニングが技術的なキーとなっています。

Research Blog: AlphaGo: Mastering the ancient game of Go with Machine Learning
http://googleresearch.blogspot.jp/2016/01/alphago-mastering-ancient-game-of-go.html

AlphaGoがプロ棋士を打ち破る様子は以下のムービーで確認できます。

Google DeepMind: Ground-breaking AlphaGo masters the game of Go - YouTube


進化するコンピューターは、ゲームの世界で人間を打ち破ることで、性能向上を示してきました。1992年のボードゲームを皮切りに……


1994年にはオセロ……


そして、1997年にガルリ・カスパロフにIBMのディープ・ブルーが勝利して、チェスも攻略しています。


その後、将棋の世界もコンピューターに攻略され、最後の砦とみられていたのが囲碁の世界。


チェスの場合、次の手として選び得るのは平均して24手。


これに対して囲碁の場合、候補となる手は200近くあり、この複雑性ゆえに、膨大な量の計算を処理しきることは最新のコンピューターを使っても不可能なほどで、これが囲碁が難攻不落の最後の砦と考えられてきた理由です。


この難攻不落の砦に挑んだのは、Google。中国出身のヨーロッパチャンピオンに3度輝いたファン・フイ氏と対戦前に握手するのは、Googleの人工知能研究所DeepMindを率いるデミス・ハサビス氏。


対局がスタート。


ヨーロッパチャンピオンを相手にすることでAlphaGoの強さを測り、人工知能技術の進化を試すのが対局の理由というわけです。


対局を振り返るフイ氏。「1局目、私は負けました」


破れたことに戸惑いを隠せないフイ氏を見たハサビス氏は、「彼は十分には準備ができていないように見えた」と振り返っています。


「負けたのはミスしたからだ。ミスさえなければ勝てるはず」と考え、対局を続けるフイ氏。


しかしAlphaGoの強さは本物。


対局は5回行われ、結果はAlphaGoの5勝。


ついに「囲碁の世界でプロ棋士に勝った世界で初めてのコンピューター・ソフトウェア」という称号を得たAlphaGo。しかし、ヨーロッパチャンピオンだけでは飽き足らない模様。


AlphaGoが次に狙いを定めたのは韓国の至宝イ・セドル九段。「囲碁界の魔王」と呼ばれる現在世界最強の棋士の一人と目されるトッププロです。


Google Researchは、2016年3月にイ九段との対局を予定しているとのこと。AlphaGoが囲碁界の魔王を打ち破ることができれば、文句なしに「コンピューターが囲碁の世界を掌握した」と評価されることになりそうです。


人工知能ソフトAlphaGoの研究成果については、以下の通り科学誌Natureで論文が掲載されています。

Neural network training pipeline and architecture. : Nature : Nature Publishing Group
http://www.nature.com/nature/journal/v529/n7587/fig_tab/nature16961_F1.html

AlphaGoでは従来方式の打ち手検索アルゴリズムとしてMonte Carlo tree searchを採用し、それに加えてディープラーニング技術を取り込んだとのこと。次の動きを読み勝利の可能性が高い手だけを絞り込むpolicyネットワークと検索ツリーの深さを低減するvalueネットワークという2種類の評価を使って最適な手を選び出すハイブリッド形式の戦略が採られています。


Google Researchが発表した現時点のレーティングはこんな感じ。


従来の「可能な手を高速に検証する」という演算性能に頼った方式だけでなく、ディープラーニングというコンピューターに学習させる機械学習技術を取り込むことで、これまで「囲碁のプロ棋士に勝つにはまだ10年はかかる」とされていた評価をGoogleは一変させたと言えそうです。

・おまけ
なお、同じく人工知能研究に注力しているSNS大手のFacebookも技術を磨き上げるために囲碁での対戦を活用している模様。ディープラーニングの技術発展によって、コンピューターは加速的に進化していくようです。

(3) Mark Zuckerberg
https://www.facebook.com/zuck/videos/vb.4/10102619979032811/

The ancient Chinese game of Go is one of the last games where the best human players can still beat the best artificial intelligence players. Last year, the Facebook AI Research team started creating an AI that can learn to play Go.Scientists have been trying to teach computers to win at Go for 20 years. We're getting close, and in the past six months we've built an AI that can make moves in as fast as 0.1 seconds and still be as good as previous systems that took years to build. Our AI combines a search-based approach that models every possible move as the game progresses along with a pattern matching system built by our computer vision team.The researcher who works on this, Yuandong Tian, sits about 20 feet from my desk. I love having our AI team right near me so I can learn from what they're working on.You can learn more about this research here: http://arxiv.org/abs/1511.06410

Posted by Mark Zuckerberg on 2016年1月26日



・つづき
ついにGoogleの人工知能「AlphaGo」と世界最強の棋士「イ・セドル」が対決へ、しかもYouTubeでライブ中継 - GIGAZINE

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