トランプ2組を使う高難度の「チャーチルのソリティア」を元国防長官がゲームアプリ化

ソリティアはトランプゲームの1つで、いくつかの種類がありますが、代表的な「クロンダイク」だと、山札と7列に並べたカードを使って、すべてのカードを数字順に積み直します。

しかし、ここでトランプを2組使い、カードも10列に並べるのが「チャーチルのソリティア」。これを、アメリカの元国防長官であるドナルド・ラムズフェルド氏が携わり、ゲームアプリ化しています。

At 83, I Decided to Develop an App - Medium
https://medium.com/@DonRumsfeld/at-83-i-decided-to-develop-an-app-dadd4e53d342

Former Defense Secretary Marches Into New Territory: Videogames - WSJ
http://www.wsj.com/articles/former-defense-secretary-marches-into-new-territory-videogames-1453483137

Winston Churchill’s lost card game now on iOS thanks to Donald Rumsfeld | Ars Technica
http://arstechnica.com/gaming/2016/01/winston-churchills-lost-card-game-now-on-ios-thanks-to-donald-rumsfeld/

これがゲームのトレイラー映像。ざっくりですが、どんなイメージで作られたのかがわかります。

Churchill Solitaire - Full Trailer - YouTube


第2次世界大戦当時、イギリス首相だったのがウィンストン・チャーチル。

そのチャーチルが愛したというゲームが、この「チャーチルのソリティア」。

今、この「チャーチルのソリティア」がゲームアプリとして蘇ります。

クリア時のポイントに応じて称号が得られます。最高位はチャーチルと同じ「首相(PRIME MINISTER)」。

アプリはiOS向けで、ダウンロードは無料です。

アプリはすでにApp Storeにて配信中。追って、Android版も配信される予定です。なお、ヒント機能とアンドゥ機能がロックされており、解除に5ドル(約600円)かかるとのこと。

Churchill Solitaire on the App Store
https://itunes.apple.com/us/app/churchill-solitaire/id1030804846

ラムズフェルド氏は「開発者」に名を連ねていますが、あくまで監修のような立場であり、実制作はJavelinという会社が行っています。

ラムズフェルド氏によれば、「チャーチルのソリティア」はもともと、ヒトラー率いるドイツが1940年にベルギーに侵攻した際、ロンドンへ逃げたベルギーの政府補佐官・André de Staercke氏がチャーチルに伝えたものだそうです。Staercke氏は戦後はベルギーの外交官を務め、1973年にアメリカ大使としてNATOへ出向いたラムズフェルド氏と会い、このゲームを教えてくれたとのこと。

ラムズフェルド氏はこのゲームを「パズルや論理ゲームの中で、もっとも挑戦的であり戦略的なもの」と表現し、プレイに必要なのは「忍耐に継ぐ忍耐、器用さと集中力、戦略と見切り」と語りました。

すでにチャーチルは1965年に亡くなり、ゲームを教えてくれたStaercke氏も2001年にブリュッセルで亡くなって、このチャーチルが楽しんだゲームは失われるところでしたが、偶然にもゲームアプリ化のオファーがラムズフェルド氏のもとにやってきました。ラムズフェルド氏は2014年1月、チャーチルのひ孫であるランドルフ・チャーチル氏にゲーム化について相談。すると、チャーチル家からは大賛成の返事が返ってきて、こうしてゲーム化が実現しました。

なお、このゲームの収益はチャリティにあてられるとのことです。