「子どもを褒めて伸ばす」のに重要なポイントを解説、途中でめげない挑戦する子どもを育てるのに必要なこととは?

By Asian Development Bank

「褒められて伸びるタイプ」と「叱られて伸びるタイプ」など、人の成長の仕方はそれぞれで、成長を見守る周囲の親・教師などの接し方にも大きく左右されるものです。そんな中、できないことを途中で投げ出さない難しいことにチャレンジしていける子どもを育てるためのポイントは、「子どもの努力の過程を褒めること」であるとスタンフォード大学の心理学者が解説しています。

The Stanford professor who pioneered praising kids for effort says we’ve totally missed the point - Quartz
http://qz.com/587811/stanford-professor-who-pioneered-praising-effort-sees-false-praise-everywhere/

子どもは物事の結果や才能・知能などを褒められると、人格の成長が阻害されてしまい、リスクを冒したり失敗の可能性があることにチャレンジしたりしなくなることを多くの研究結果が示しています。それとは反対に、子どもが一生懸命努力した場合に、そのプロセスを褒めてあげることで子どもは次も長期に渡った努力を行えるようになるそうです。

子どもの「努力」に対する周囲の反応は、子どもの成功への渇望や成長性などに関わる「成長における思考パターン」と深く関わっています。例えば、ただ「賢い」と才能や知能を褒められて育った子どもは「一定の思考パターン」を持つようになります。このような子どもは、物事を自分の知識で考えるものの、柔軟な思考を持っていない、いわゆる「停滞型思考」と呼ばれる思考パターンを持つ模様。逆に、努力の過程を褒めることで、子どもは「自分の能力は努力次第で伸ばせる」という「成長型思考」を持つようになるそうです。

By Lucélia Ribeiro

これらはスタンフォード大学の心理学者で、成長における思考パターンに関する研究を40年間も行ってきたというキャロル・ドゥエック氏が提唱したものです。そんなドゥエック氏が、思考パターンにおける重要なポイントを説明しています。

教師は生徒に対して「君たちは『成長型思考』を持っている」と言うものです。なぜなら「停滞型思考」を持っていると言うよりも、「成長型思考」を持っていると言う方が生徒の成長につながると考えるからです。しかし、ほとんどの場合、肝心の「成長型思考は鍛えることができる」ということを伝え忘れている、とドゥエック氏。「教育者の中には『成長型思考』を慰めの言葉として使っている者もいますが、『私は子どもに一生懸命頑張れ』と言うよりも、『頑張ればなんでも出来る』と言いたい」とコメントし、子どもが成長型思考を得るには周囲がガミガミと説教を続けるべきではない、と語っています。

「成長型思考」について重要なポイントは、これが「物事に長く取り組んだり一生懸命に努力したりすることで鍛えることができる」という点です。なので、例えば数学の授業の際に生徒が良い成績を収められなかったとするなら、「誰も数学が得意ではないね。みんなベストを尽くすように」と言うよりも「新しい数学の問題を勉強したので、君たちの脳は成長したよ」と、勉強の過程を褒めてあげるべきとドゥエック氏。また、「恐らく数学は君の強みではないね」と言ってやる気をそいでしまうのではなく、「まだ、君の強みではないね」と言うことで勉強を続ける気を起こすことが大事、としています。

By Xavier Vergés

また、ドゥエック氏は研究で大人になっていく成長の過程で「成長型思考」が何かしらが原因となって「停滞型思考」に変わってしまうことも発見しています。例えば、人は自身の失敗や過ちを弁護するために他者を「批判」することがありますが、これは何かしらの知見を学ぶための機会を遮断してしまっており、これこそ「停滞型思考」のひとつとのこと。また、すべての人が「成長型思考」と「停滞型思考」を合わせ持っており、誰もがこれらを鍛えられる、というのも驚くべきポイントのひとつです。

その他、ドゥエック氏はシカゴ大学と協力して母親が自分の子どもを褒めることで起きる効果を長期にわたって調査したこともあります。調査では1歳、2歳、3歳の子どもを5年間追跡したそうで、「我々は母親の褒め方で、5年後の子どものチャレンジに対する考え方や希望を予測可能なことを知りました」とドゥエック氏。追跡調査によると、小さな頃から努力の過程を褒められることで「成長型思考」を育ててきた子どもは、5年後も多くのチャレンジを求め、学校にもうまく溶け込めるようになるとのことです。

なお、キャロル・ドゥエック氏は子どもの「成長型思考」と「停滞型思考」についてTEDでも語っており、日本語字幕付のムービーが以下から視聴できます。

キャロル・ドウェック: 必ずできる!― 未来を信じる 「脳の力」 ― | TED Talk | TED.com

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in サイエンス,  動画, Posted by logu_ii