H.265はH.264の半分のビットレートで同等画質を実現するのが実証される


H.264(MPEG-4 AVC)の後継規格の「H.265(HEVC)」は、H.264と同等の画質を半分のビットレートで実現できるとされる規格で、 8Kなどの超高解像度映像やモバイル端末向けのストリーミング用途での利用が期待されています。そのH.265についてIEEEの研究者による実証実験が行われ、現に2倍の圧縮率で同等画質を実現できるという結果が出されています。

IEEE Xplore Full-Text PDF:
(PDF)http://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=7254155

H.265/HEVC vs H.264/AVC: 50% bit rate savings verified - BBC R&D
http://www.bbc.co.uk/rd/blog/2016/01/h-dot-265-slash-hevc-vs-h-dot-264-slash-avc-50-percent-bit-rate-savings-verified

H.265はH.264に比べて2倍の高圧縮率を誇り、H.264に対して大幅にビットレートを抑えた(データ容量が少ない)状態で、同等の画質を維持できることは、すでにPSNR(ピーク信号対雑音比)を用いて実証されていました。PSNRとは圧縮(エンコード)した映像の劣化具合を計算から求める目安なので、「客観的な評価」としてはH.265の圧縮率の高さは実証されていたというわけです。

今回の実験では、人間にエンコードした映像を見てもらい、映像の美しさを感覚で判断してもらうという「主観的な評価」について、H.265がH.264に比べてどれほど圧縮率が高いのかが検証されています。

実験は、4K(3840×2160、4096×2048)、1080p(1920×1080)、720p(1280×720)、480p(832×480)の4種類の異なる解像度で、30Hz、50Hz、60Hzと異なるフレームレートの設定でそれぞれ映像を視聴してもらい、オリジナル映像との比較でH.265とH.264でエンコードされた圧縮映像を比べて、再現性の高さ(劣化の少なさ)を、感覚的に判断するというもの。


実験方法は、まず最初の10秒間にオリジナルの映像を見てもらい、1秒の間をおいてエンコードされた圧縮映像を見て、映像の再現性を10段階で評価する、という方法で、H.265とH.264の各規格の圧縮率を調べています。


その結果は、以下の通り。グラフは横軸が映像のビットレート(Mbps)を表しており、縦軸が主観による評価(MOS)・PSNR(dB)を表しています。客観的な評価であるPSNRの結果は破線で示されており、黒色(●)のH.265は緑色(▲)のH.264に比べてグラフが左にシフトしており、より低いビットレートで同等の画質を得られるのが分かります。そして、主観的な評価MOSは実線で示されるとおり、赤色(●)のH.265は青色(▲)のH.264に比べて、やはりグラフは左にシフトしており、客観的評価と同様に、より低いビットレートで高画質を得られていることが明らかです。


研究チームによると、コーディングブロックサイズの幅が広く、予測アルゴリズムを使ったコーディングモードを数多く使えることがH.265の高い圧縮率を支えているとのこと。実験では、同等の画質を得るために減らせるビットレートは、客観的評価であるPSNRでは約44%だったのに対して、主観的評価であるMOSでは約59%と、主観的実験の方がより大幅なビットレートの抑制に成功した結論づけており、H.265でエンコードされた映像の美しさは、データ計測値以上に体感できるようです。

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