伝説のロック歌手デヴィッド・ボウイの知られざる「インターネットの先駆者」としての一面とは?


ロックシンガーとして世界中に大きな影響を与えたデヴィッド・ボウイの死去が大きなニュースとなりました。そんなデヴィッド・ボウイは音楽活動以外にも俳優としてのキャリアを持っていたのですが、さらに知られざる「インターネットのパイオニア」としての顔を持ち合わせていたことがBBC Newsで取り上げられています。

David Bowie: The internet pioneer - BBC News
http://www.bbc.com/news/technology-35279234

インターネットが主流になった現代では、アーティストがInstagram・YouTube・Twitter・MySpaceなど、オンライン上で作品を発表することが一般的になっていますが、まだそれらのプラットフォームが発達していなかった1998年9月に、デヴィッド・ボウイは「BowieNet」と呼ばれるインターネットサービスを立ち上げました。BowieNetでは限定コンテンツを配信するだけでなく、ボウイとファンが双方向的にコミュニケーションをとれる方法も提示していたとのこと。


BowieNetはすでにサービス提供を終了していますが、当時のBowieNetは、アメリカの大手インターネットサービスプロバイダー(ISP)であるAOLなどの競合として、ISPのサービスをアメリカとイギリスで提供していたそうです。BowieNetのプロバイダーに入会して月額料金を支払うことで、メンバーは「@davidbowie.com」のメールアドレスや、ボウイの音楽・動画に対する限定アクセス、ボウイ本人と会話できるチャットルームの使用権を得ることができたとのこと。

ボウイに関する本「Rebel Rebel」の著者であるChris O'Leary氏によると、「当時、ロックスターのウェブサイトは1枚の写真と少しのテキストがあれば親切な方でした。アーティストによってインターネット・コミュニティを構築するという、ごく初期の試みを成功させたボウイは、まさに時代を先取りしていたと言えるでしょう」とコメントしています。

ボウイはこのサービスを大々的に発表することはなかったものの、チャットによるファンとの交流を楽しんでいたそうです。ほかにもボウイはプライベートの写真や自作の絵画を公開したり、いくつかのプライベートな日記も公開したりすることもありました。時にはファンから「もっと音楽制作に時間を使ってほしい」という意見が入るなど、全員が納得していたわけではなかったものの、ファンに歌詞を送って共同で作曲するという、世界初の「サイバーソング」を制作する試みには、8万人のファンが回答を行ったとのこと。


その後も360度視点で視聴できる対話型のウェブ放送にファンを招待したほか、「BowieWorld」というセカンドライフのような3D仮想ワールドのコンテンツを提供し、アバターを操作してBowieWorldでコミュニケーションがとれるような当時では斬新なサービスまであったそうです。

ボウイのインターネット活動はBowieNetだけにとどまらず、1999年にはPCとドリームキャスト用ソフト「Omikron」のキャラクター・音楽制作に協力したほか、インターネット限定シングル曲を販売するなど、長期にわたってインターネットに親しんできたアーティストだったわけです。しかし、2006年にBowieNetのIPSサービス終了が告知され、体調の悪化に伴ってネット活動も少なくなっていったとのこと。健康上の不安から、残りの人生を音楽制作などに集中するためだったと言われていますが、「BowieNetなどの前例のない事実は、伝説的ロックスターの遺産の一部として語られていくでしょう」と、O'Leary氏は語っています。

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