電子タバコが「禁煙補助薬」として正式に認可、病院から処方へ

By Daniel Riquelme

液体フレーバーを蒸気化して水蒸気を吸引するという電子タバコは、タバコよりも有害性が約95%低いことがイギリスの保健省の調査により判明し、禁煙支援ツールとしても注目を集めていました。その電子タバコがついに禁煙補助としてイギリス政府から正式に認可を受け、禁煙治療中の患者に処方することが可能になっています。

UK regulators licence BAT e-cigarette as quit-smoking medicine | Reuters
http://uk.reuters.com/article/uk-health-bat-ecigarette-idUKKBN0UI1FV20160104

ロイターによると、British American Tobacco(BAT)という企業が開発するニコチン入りリキッドを使用する電子タバコ「e-Voke」が、イギリスの医薬品庁により正式な禁煙補助薬として認可が下りたとのこと。認可が降りたことで、国営医療サービス事業のNHSは禁煙を目指す患者に電子タバコを処方することが可能になりました。


医薬品庁は電子タバコの認可に関して「我々はニコチン入りの電子タバコが、安全・品質・禁煙補助の面で基準を満たしており、医療用に使用できると確信しております」とコメント。「電子タバコの加熱温度を上げると有害化学物質のホルムアルデヒドが発生し、これを深く吸い込むことで生じるがんリスクは通常のタバコと比べて最大15倍に跳ね上がる」という研究報告書がアメリカの医学誌に掲載されたこともあった電子タバコですが、イギリスではe-Vokeに限り禁煙補助として有用性が認められたことになります。

多くの専門家は電子タバコが喫煙よりもリスクが低いと考えていたのですが、全く新しい製品であるがために、その安全性を証明するために長期的な検証が必要でした。BATはe-Vokeの正式な商品化に向けて計画を練っている最中とのことで、本格的に処方が始まれば多くの喫煙者が電子タバコに乗り換える可能性が出てきています。

イギリスでは電子タバコの使用者が200万人以上いて、その3分の1は元喫煙者であることが判明済み。世界規模で見ても、電子タバコの市場規模は約8280億円と言われており、BATの他にもフィリップモリスがタバコ葉を電気で加熱するタイプの電子タバコ「iQOS」を2014年に発売するなど、各社がしのぎを削っています。

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日本でも多くの電子タバコが販売されていますが、2015年5月に厚生労働省が電子たばこの一部から発生する蒸気に発がん性物質のホルムアルデヒドが含まれていることを発表し、電子タバコの有害性が話題になりました。しかし、イギリスで禁煙補助として認可が下りたことで、日本でもタバコより有害物質が少ないとされる電子タバコの有用性を認める動きが出てくる可能性があります。

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