ネット中毒の少年少女を強制収容・更正させるブートキャンプの恐るべき実態


インターネットの世界にどっぷりはまってしまい、抜け出せなくなって実社会での生活に支障をきたすばかりか、健康にも問題を抱えてしまう「インターネット中毒」の状態におちいる人が少なくありません。インターネット中毒を「病気」として扱うことにした中国では一説によると2400万人の中毒患者がいるともいわれており、社会問題化している現状があります。そんな中国ではインターネット中毒患者を強制的に収容して更正させるブートキャンプ式の施設が開設されており、「治療」が行われているのですが、そこには問題も少なくないようです。

How ‘Electronic Heroin’ Is Affecting China’s Youth - YouTube


「私たちはもうこの子をどうすることもできません。その状態を抜け出すために、この子には自分に何が起こっているのかを理解してもらい、この悪夢を終わらせることを願っています」という悲痛な言葉。


そう語るのは、ある中毒症状に陥っている息子を持つ両親。


その「中毒」は決して薬物やアルコールなどではありません。


それは、「電子ヘロイン(Electronic Heroin)」とも呼ばれるインターネット中毒のことを指しているのです。


1日の大半をインターネットに費やし、他のことが手につかない状況に陥る人が少なくありません。それは単なる娯楽を通り越し、強迫観念となって人を蝕(むしば)みます。


インターネット中毒が「電子ヘロイン」とも呼ばれるのには理由があります。科学者の研究によると、インターネット中毒に陥っている人の脳には機能障害が見られることがあり、その状況が薬物中毒に陥っている人と共通した状態を見せているというのです。


さらに別の研究では、インターネットを絶つことで発作などの症状が起こる離脱症状を見せることもあるとのこと。これはもはや、単に「ハマる」というだけではなく医学的に治療が必要となるレベルの問題です。


インターネット中毒が社会問題化している中国では、中毒から抜け出すための手ほどきをする軍隊式のリハビリ施設が開設され、多くの人が収容されています。


北京でDaxing収容所を運営するTao Ran医師は「インターネット中毒患者と薬物中毒患者には共通する症状が見られると」しています。


その症状とは、他の人との人間関係の崩壊や、自覚症状を伴わない身体機能の劣化などがあげられます。


また、収容患者に共通してみられるのは、視覚能力の低下や姿勢の悪化、摂食障害による健康の悪化などの問題とのこと。


Daxing収容所にやって来る人の多くは、親などに強制的に送り込まれる人がほとんど。


収容所での生活は、規則正しい生活や正しい食事……


そして運動を伴う訓練など、厳しい生活が強いられます。もちろんインターネットは一切許可されていません。


プログラムでは投薬治療が行われるほか、脳の活動状況を詳細にモニタリングして治療状態が把握されるようになっています。


非常に厳しい状況に追いやられる収容所ですが、中国では親の多くがこのような子どもの治療のためには適切だと考えているとのこと。


中国全体では2400万人ともいわれるインターネット中毒患者がいるとみられ、その多くは子どもや青年層の若者です。


このような施設が増えている中国では、問題を抱える施設の存在も徐々に明らかになってきています。


世界のメディアでは、収容所の状況を問題視するレポートが掲載されることもあります。アメリカのABCは「中国のインターネット中毒キャンプのダークで命取りな側面」という記事を掲載していたり……


イギリスのThe Guardianは「ケーススタディ:中国で行われるインターネット中毒患者への電気ショック治療法」というショッキングな記事を掲載。


ハフィントンポストでは「治療は中毒症状よりも酷いもの?」という記事を掲載し、過酷な治療の実態を明らかにしています。


しかしこの問題にはまだまだこれから多くの課題が残されている状況。インターネット社会は、人類が直面する比較的新しい要素であり、まだまだ進化が続いている状況です。そのため、何が正しい治療なのかを一つずつ確認していく必要があるとする科学者も存在しています。


収容患者の中は、いざ治療を終えて社会に復帰しても、すぐにインターネットに触れられる状況に恐れを抱く人もいるとのこと。


施設に収容中のある少年は「通常の生活に戻るのが恐ろしい……また中毒状況に陥ることが怖いです。だから僕は、人生に立ち向かう自信が十分に身につくまで、ここ(収容所)に長く居続けられないかとお願いしたのです」と告白しています。


中国のインターネット中毒収容所の実態をレポートした記事は、以下のリンクから読むことができます。

The Dark, Deadly Side of China's Internet Addiction Camps - ABC News

Case study: Electric shock therapy in China for internet 'addiction' | World news | The Guardian

China's Web Junkies: Is the Cure Worse Than the Disease?

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