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Apple純正の新iPhoneバッテリーケースは「どうしてこうなった」のか?


AppleがiPhone 6/6s用に純正バッテリー内蔵ケース「Smart Battery Case」を突如として発売し、その衝撃的なデザインに世界中に激震が走りました。「Apple純正ケースがなぜこのデザインなのか?」についてはライバル製品の特許の存在が指摘されています。

Apple’s new $99 iPhone battery case doesn’t measure up | The Verge
http://www.theverge.com/2015/12/8/9867996/apple-smart-battery-case-iphone-6-6s-hands-on

Smart Battery Caseがどんな製品なのかは、The Vergeによる以下のレビュームービーを見れば分かります。

Apple’s new $99 iPhone battery case is a design embarrassment - YouTube


2015年もAppleはいろいろな製品を出してきました。


2015年が終わろうとするタイミングで、まさかの「One more thing…」


なんとiPhone 6/6s用にバッテリー内蔵のケース「Smart Battery Case」をリリースしました。


表側のデザインはこんな感じ。


裏面には何とも特徴的な膨らみ。


iPhone 6sと並べるとこんな感じ。Smart Battery Caseを装着すると、薄型のiPhone 6sの外観デザインは完全に消え失せます。


iPhone 6sを装着してSmart Battery Caseを机に置くと、しっかりと周辺が浮いています。これは持ち上げやすそう。


それもすべてこの出っ張りのおかげ。


Appleによる緻密な計算に基づくデザインなのでしょう。


Smart Battery Caseを取り付けた状態でiPhone 6sを操作するとこんな感じ。


通話状態だとこうなります。


Smart Battery Caseは外側がシリコーン製なので柔らかく、折り曲げたり……


広げたりできます。


iPhone 6sは上からスライドさせるように入れて……


取り付ければOK。


なお、Appleはご丁寧にも装着方法の説明イラストを内包してくれているとのこと。


「サンキュー、Apple」


Smart Battery Caseはバッテリーを内蔵しているのでiPhoneを装着すれば自動的に充電してくれます。ペアリングなどの操作は一切不要の簡単仕様です。


Smart Battery Caseは99ドル(日本では税別1万1800円)


ケースとしては比較的高価ですが、バッテリーを内蔵しており、何よりApple純正品の安心感があります。AppleによるとSmart Battery Case装着でLTEによるインターネット利用は最大18時間、ビデオ再生は最大20時間可能とのこと。


充電はiPhoneを装着したままLightningケーブルを挿せばOK。Smart Battery CaseとiPhoneを同時に充電できます。


ロック画面ではSmart Battery CaseとiPhoneのそれぞれのバッテリー残量が表示される模様。


ケースの内側にはLightnig端子があるので、iPhoneをここに装着することでLightningケーブル1本で充電は事足ります。


上からスライドさせて出てくる通知センターにも「Case」としてバッテリー残量が表示されます。


なぜか充電中を示すインジケーターLEDはケース内側に搭載。AppleがなぜiPhoneを装着した場合に見えなくなるこの場所にLEDを配置したのかはよく分からないとのこと。


iPhone用のバッテリー兼用ケースとして人気の「mophie juice pack ultra for iPhone 6 」と比較してみます。


Mophie製ケースの場合、インジケーターLEDは外側にあり、充電タイミングを自分で決められるようにON/OFFボタンも搭載されています。


これに対してSmart Battery Caseは装着すれば問答無用に充電スタート。


The Vergeによると、「土曜の朝から日曜の夕方まで充電することなく使える点でSmart Battery Caseは確かに便利」とのこと。


ただし「軍用みたい」という女性ならではの感想も添えられています。


「99ドルのiPhoneバッテリーケースとしてベストかといえば、ノーと言わざるを得ない」と結論づけています。


製品のポイントとして真っ先に「Appleによるデザイン」が掲げられるほどAppleはデザインを強調していますが、なんとも不思議な形状にはデザイン性のなさを悲観する声がちらほら聞こえてきます。


「なぜAppleはこの間抜けなデザインを選んだのか?」をThe Vergeは考察しており、それによると特許が問題なのではないかとのこと。

Is Apple's Smart Battery Case so goofy because it was designed around Mophie's patents? | The Verge
http://www.theverge.com/2015/12/8/9872238/is-apples-smart-battery-case-mophie-patents

ムービー内でも登場していたバッテリー内蔵ケースを販売しているMophieがバッテリー内蔵ケースに関するさまざまな特許を持っており、これに抵触するのを避けた結果があのデザインだ、という推察です。

これはMophieが保有する特許番号9172070の特許で、2分割型のケースデザイン。バッテリーはケース下部に敷き詰められており、スマートフォンを装着しやすくするように上下分離式にしています。


同じくMophieが保有する特許番号8971039の特許。ケース一面にバッテリーを搭載するタイプのケースでは、ケースでiPhoneを挟みこむような表裏分離式の構造になっています。


つまり、折り曲げにくいバッテリーをケースに内蔵する場合、スマートフォンをケースに取り付けるためには工夫が必要であるところ、主要なデザインについてはすでにライバルが特許を取得済みで、出遅れたAppleはバッテリーを内側に搭載した上でケース周囲を柔らかくするという構造しか使えなかったのではないかというわけです。

翻って考えれば、iPhoneを長時間利用したいというユーザーの声は、iPhoneの薄型化によりバッテリー容量に制約があることが根本的な原因。AppleはiPhone自体のデザイン変更やハードウェア・ソフトウェアのブラッシュアップによってユーザーの要望を満たすのがストレートでスマートな解決策であるようにも思えます。「Smart Battery Caseがスマートなのか?」「『Appleによるデザイン』がウリになるのか?」どうかはともかくとして、次期iPhoneでバッテリーをさらに進化させることは多くのユーザーに歓迎されそうです。

なお、Smart Battery Caseは税別1万1800円(送料無料)で販売中で、記事作成時点では1-3営業日の発送となっています。

iPhone 6s Smart Battery Case - チャコールグレイ - Apple (日本)

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