デスクトップPC産業の崩壊で台湾のテクノロジー企業が青息吐息

by Patrick Lauke

スマートフォンの登場はデスクトップPC産業を脅かす出来事でしたが、この大きな転換により、台湾のテクノロジー企業は「危ない」どころか「破滅的」と表現したくなるほどの深手を負っていることがブルームバーグによって報じられています。

Taiwan Tech Demise Shows Pain of Dependence on Desktop PCs - Bloomberg Business
http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-11-20/taiwan-tech-demise-shows-pain-of-dependence-on-desktop-pcs


台湾のテクノロジー企業というと、シャープの液晶事業買収で名前の挙がっていた鴻海(ホンハイ)精密工業や、スマートフォンの「ZenFone」シリーズで知られるASUS(エイスース)などがありますが、モルガン・スタンレーの出したアジア太平洋地区の情報技術関連銘柄では、台湾企業9社が特に数字が悪かったそうです。

その「数字が悪かった企業」の中には、「Aspire」の名を冠したPCやタブレットで知られるAcerも入っています。その下落幅は40%以上。同じく、スマートフォンメーカーでありアメリカでは特に多くの機種が売れているというHTCも40%以上の下落を記録しました。下落幅が最も大きかったのは世界最大手のLEDチップメーカーであるEpistarで、その年間下落率は60%にもなりました。

メモリチップからフラットパネルまで手広く扱っているこれらのテクノロジー企業の時価総額下落幅は、実に240億ドル(約3兆円)相当で、これはヒューレット・パッカード1社分に相当します。

ブルームバーグの示した、台湾企業の年間時価総額の下落率はEpistarを筆頭に、メモリメーカーのInotera、タッチパネル世界最大手のTPK、AU Op、半導体メーカー・Mediatek、Acer、Wistron、基板メーカー・Kinsus、HTCと軒並み約40%から60%と、相当なもの。グラフの下にはアジア市場を牽引する好調なメーカーとして、オンラインゲーム運営で知られるネクソンと、電子部品メーカーのアルプス電気が比較対象として入っています。


台湾のテクノロジー企業がこうして軒並み時価総額を落としているのは、中国などのメーカーがインターネットサービスへと移行する中で、PCというハードウェアにこだわりすぎたせいではないかとブルームバーグは分析。

しかし、PCだけのせいとはいえず、前述のHTCの場合はスマートフォンメーカーとしてXiaomiやOPPOといったスタートアップが出てきた影響をもろに受けているとのこと。

Windowsの最終バージョンと公言されている「Windows 10」が出てきましたが、これがデスクトップPC産業にどういった影響を与えるのか、Windows自体もどうなっていくのか、2016年のハードウェア・ソフトウェア市場の状況に注目です。

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in ハードウェア, Posted by logc_nt