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「YouTubeのビジネスはナチスが美術品を盗んだのと同じ」とレディオヘッドのトム・ヨークが痛烈批判

By Jurgen Appelo

イギリスのロックバンド「Radiohead(レディオヘッド)」のボーカルであるトム・ヨーク氏が、YouTubeのビジネスモデルを「YouTubeのビジネスはナチスが美術品を盗んだのと同じ」と痛烈に批判しています。

Thom Yorke, non solo Radiohead: "Presto suonerò a Parigi" - Musica - Spettacoli - Repubblica.it
http://www.repubblica.it/spettacoli/musica/2015/11/28/news/thom_yorke-128361708/

Radiohead’s Thom Yorke compares YouTube business model to Nazi art theft | Ars Technica
http://arstechnica.com/business/2015/12/radioheads-thom-yorke-compares-youtube-business-model-to-nazi-art-theft/

レディオヘッドは世界で最も有名なロックバンドのひとつで、インターネット上での音楽配信にも積極的な姿勢を見せているバンドでもあります。2007年にリリースしたアルバム「イン・レインボウズ」は公式HP上でのダウンロード販売も行われており、何と販売価格はユーザーが支払いたい金額に設定しました。つまり、0円からでも購入できるアルバムをデジタルでリリースしたわけ。この時から、レディオヘッドのメンバーは頻繁に「ミュージシャンはいかにメジャーレーベルや音楽配信サービスから大金を搾取されているか」と発言してきたそうです。

2015年11月末に行われた、イタリアの音楽雑誌Repubblicaによるインタビューでヨーク氏は「私はもちろんYouTubeを使用していません」とコメント。さらに、アーティストに金銭を支払わない、あるいはごく少額の使用料しか支払わないような企業が展開するサービスで、ミュージックビデオが再生される前に広告が表示されることについて「彼らはミュージシャンの作品で金儲けするのに、ミュージシャン側は何も利益を得られない」と批判しています。

By Michell Zappa

インタビューの中でヨーク氏は、「GoogleやYouTubeのようなサービスを提供する側が利益を得ています。大金を得ています。『あぁ、すみません。これはあなたのものでしたか?しかし今は私たちのものです。ウソですウソ、ただの冗談です。これらはいつでもあなたたちのものですよ』といった具合に我々から搾取しているんです。これはナチスが第二次世界大戦中に行っていたことと何ら変わりありません。実際にナチスが戦争中に行っていたことというのは、イギリスやその他多くの国々から多数の美術品を盗みだす、ということでした。ナチスとYouTubeのようなサービスの違いはどこにあるのでしょうか?」と、自身がGoogleやYouTubeを批判していることを明確に示し、さらにその行為が許容できることではないと批判しています。

Repubblicaのインタビューでは「レディオヘッドがYouTubeのようなムービー配信サービスやApple Music、Spotifyといった音楽配信サービスからどれくらいの金銭を受け取っているのか?」という質問が行われたわけではありませんが、このような回答が飛び出しています。ヨーク氏は2013年にインディーロックの大御所であるデヴィッド・バーン氏にSpotifyに関するコメントを寄せており、「最後に、これは私だけが思っているわけではありませんが『すみません。これら(Spotify)は公平ではありません』」と音楽配信サービスに不満を示してきました。

近年、Spotifyのような音楽ストリーミング配信サービスが台頭してきており、音楽関連の市場は大きく変化していきています。そんな新しい音楽ビジネスに最初に不満の声をあげたのがバーン氏で、そんなバーン氏だからこそヨーク氏はコメントを寄せたものと思われます。このような大御所ミュージシャンからの批判に対し、SpotifyやYouTubeは一貫して「数億ドルという大金をミュージシャンに支払っている」という主張を繰り返している状況です。

By Sean MacEntee

2014年、ヨーク氏は自身のソロアルバム「Tomorrow's Modern Boxes」をBitTorrent Bundleを通じて配信しました。これはSpotifyのような音楽配信サービスや大手レーベルを介さずとも、ミュージシャンが自身の手で音楽を販売することが可能であると示したかったからだそうで、「この方法がうまく行けば、インターネットによる作品の販売をミュージシャンが自らコントロールできるようになるかもしれない」と話していました。

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in メモ,   ネットサービス, Posted by logu_ii

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