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将来のiPhone搭載に向けてLGが1兆円超の有機ELディスプレイ設備投資を決定


LGディスプレイが将来的な有機ELディスプレイ市場の拡大を見据えて総額10兆ウォン(約1兆600億円)を超える巨額の設備投資を行うことが明らかになりました。LGディスプレイの有機ELシフトの背景には新たにAppleがiPhoneへの有機ELディスプレイ採用に舵を切ることがあると見られています。

Press Releases - Press Center | LG Display
http://www.lgdisplay.com/eng/prcenter/newsView?articleMgtNo=4958

アップル、iPhoneに有機EL 韓国LG増産投資  :日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ25I3A_V21C15A1MM8000/

韓国LG、有機EL工場新設を発表 超大型基盤を採用  :日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM27H1E_X21C15A1EAF000/


LGディスプレイは2015年11月27日付けのプレスリリースで、韓国国内に有機ELディスプレイパネルを製造する新たな工場を建設することを正式に発表しました。すでにLGディスプレイは今後3年間で約10兆ウォン(約1兆600億円)を投じて有機ELパネル製造工場を新設する計画を打ち出していましたが、その計画の一端が正式発表されたことになります。

By LG전자

LGディスプレイの発表によると、韓国北西部の坡州(パジュ)に382メートル×265メートルというサッカー場14個分に相当する広大な敷地に、最新鋭の「P10」工場を新設するとのこと。P10工場は「第9世代以上のパネル工場」になる見込みで、2018年前半にラインを稼働させる予定です。なお、工場建屋やインフラ整備費だけでも1兆8400億ウォン(約1950億円)とのこと。

LGディスプレイは有機ELディスプレイは発色性や省電力性能、折り曲げ可能な柔軟性などの点で液晶ディスプレイを上回る特長を持ち、今後、スマートフォンやテレビ用のディスプレイとして大きく需要が拡大すると予想しています。2014年時点で87億ドル(約1兆700億円)だった市場規模は、2022年では291億ドル(約3兆5700億円)にまで拡大するという予想もあり、LGは総額で1兆円を超える有機ELパネル工場への設備投資に踏み切ったというわけです。


LGはすでにApple WatchのディスプレイとしてAppleに有機ELディスプレイを供給中で、2018年に登場するiPhone 8(仮称)では有機ELディスプレイが採用される見込みであることから、iPhoneへの大量供給が可能なように巨額の設備投資に踏み切ったとも見られています。すでにライバルのSamsungは自社製スマートフォンのGalaxyシリーズで有機ELディスプレイの供給で先行していますが、LGディスプレイはスマートフォン用の有機ELディスプレイの供給競争でSamsungを追撃する構えです。


AppleによるiPhoneの有機EL化が実現すれば、現在、iPhone用に液晶ディスプレイを供給するシャープやジャパンディスプレイへの影響は避けられない見込みです。なお、有機EL市場はSamsungとLGディスプレイの韓国勢が主導する状況ですが、この2強を液晶市場で猛追するBOEテクノロジー・グループのような中国企業が有機EL市場にも進出することがあれば、「LGディスプレイの描く3年後」がバラ色である保証はなさそうです。

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in メモ,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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